カードローン利用は就職に影響する?
「過去にカードローンを利用していたけど、これからの就職に影響はないのかな?」という人や、「現在カードローンを使っているけど、就職に不利にならないかな」という人など、カードローンの利用者でこれから就職活動するという人は、カードローンが就職活動に与える影響や関係について不安な人も多いでしょう。
そこでこの記事では、カードローンの利用は就職に影響するのかについて、詳しく解説を進めていきます。
目次
カードローンの利用は就職には影響しない!
例えば学生時代にカードローンを利用していたという人、カードローンを現在利用中で転職活動中という人など、実はカードローンの利用は就職には大きく影響しません。
基本的には企業は就活生の信用情報を確認しない
社員を募集している企業は、応募者の能力や技術、ヤル気など、その企業内でうまくやっていけそうか、また、社風に合いそうな人なのかを重視し、慎重に審査しています。このため、企業が新入社員のカードローン利用履歴などの信用情報によって、合否の判断をしているわけではありませんよね。
そもそも企業は個人の信用情報を確認できない
カードローンの利用履歴などが残されている信用情報は個人情報となります。また、そもそも個人情報はしっかりと守られているため、本人の同意なしに第三者に信用情報の開示はできないんです。このため、応募先の企業が申込者の信用情報を確認することは無いんですよね。
日本信用情報機構(JICC)の信用情報の場合
主に消費者金融系のカードローンの利用履歴を管理している日本信用情報機構(JICC)での、信用情報の取り扱いについて確認してみましょう。
ご注意 |日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
情報開示書は、お客様がこれまでに利用されたクレジットやローンなどのお取引きに関する情報(貸付金額、残高金額、返済状況等)が記載されている重要な書類です。大切な個人情報ですので適切に自己管理いただきますようお願いいたします。
参照:日本信用情報機構(JICC)
このように、信用情報は「大切な個人情報」として扱われ、原則本人からの開示依頼にしか対応してくれません。(※ただし家族の場合は配偶者または2親等以内の血族の人が開示手続き可能。)
これから就職や転職を考えている人もカードローンを利用しやすい!
このように、カードローンの利用履歴の信用情報は就職や転職には影響がないため、「就職するまでの生活費に困っている」「お金がなくて就活用のスーツが買えない…」というような人も、安心してカードローンでキャッシングできると言えるでしょう。
もし応募者の信用情報を調べられていたらどんな項目に注意?
基本的に信用情報機関が管理している個人の信用情報は、個人情報となるため、本人(や家族)にしか情報を開示しません。しかし、万が一何かしらのルートを使って、就活時に信用情報をチェックされていたとすれば、どのような信用情報の項目がマイナスに働くのでしょうか。
評価がマイナスに?信用情報に残される履歴とは
- カードローンやクレジットカード支払いの未納や滞納の情報
- 複数のカードローン契約情報
- 自己破産などの債務整理の情報
カードローンやクレジットカード支払いの未納や滞納の情報
過去に利用したカードローンやクレジットカードの未納や滞納の履歴が信用情報に残っていれば、「お金の管理がキチンとできない人」として見られてしまうため、確実に評価が下がります。
複数のカードローン契約情報
信用情報には、契約中のカードローンの契約情報が残されています。また、複数のカードローンの契約履歴が残されている場合、「なぜこんなにも多くのカードローンと契約しているのだろう?」「大きな金銭トラブルを抱えているのかも?」として見られてしまうため、信用情報としてはマイナス評価を受けてしまうはずです。
このため、複数のカードローンとの契約をしていたとしても、現在利用していないカードローンがあれば、解約するようにしておくことをおすすめします。カードローンの解約履歴は5年間ほど信用情報に残されますが、「解約した履歴」として残るので、マイナスの評価をされなくて済むでしょう。
自己破産などの債務整理の情報
もし過去に、大きな金銭トラブルを起こしてしまって自己破産などの債務整理をしてしまった場合は要注意です。返済できなくなった時に最も大きな金融事故である「自己破産」を起こしてしまうと、自己破産後から「信用情報がブラック」として扱われ、最長10年間ほどは信用情報に履歴が残されてしまいます。つまり、この間はブラックとして扱われるため、カードローンやクレジットカードなどの分割払い商品の審査に通過できず、一切使えなくなるんです。
この状態になってしまうと、もし仮に信用情報を調べる企業があれば、確実に審査に落とされてしまうはずです。このため、現在カードローンを利用しているという人は、しっかり完済できるように、返済計画をキチンと立てておくことをおすすめします。
実際に応募者の信用情報を調べるケースも?
信用情報は個人情報として扱われるため、「求人への応募者の信用情報の審査をしている」と公表しているような企業はありません。もし、公表しているような企業があれば、世間的に個人情報の扱いにシビアになっている現在、「個人情報の扱いに問題がある企業」として、大きなニュースとなってしまうでしょう。
しかし、中には「求人応募者の信用情報を審査に取り入れている」と考えられる企業も存在しているんですよね。
金融機関への就職時には信用情報が影響する可能性アリ
就職時に信用情報の履歴が大きく影響すると考えられるのは、金融業者です。銀行や信用金庫、信販会社や消費者金融など、お金を扱う会社は信用情報に対して非常にシビアになっているはずです。また、これらのお金を扱う会社は「信用情報機関へ加盟」しているので、チェックしようと思えばいつでも応募者の信用情報を確認できる状態にあるのです。
ただし、信用情報を扱う信用情報機関の公式サイトを確認しても「原則カードローンやクレジットカードなどの金融商品の審査以外には利用できない」との表記も確認できるため、直接的には応募者の審査には活用していないと考えられます。
金融業者には独自の信用情報を持っている場合も
例えば、銀行口座を利用していて、その銀行の求人へ応募すれば、銀行側は少し調べるだけで「応募者が自社の顧客なのか」をすぐに判断できますよね。
またカードローンも同じように、カードローンの利用者が、そのカードローン業者の求人に応募すれば「応募者は自社カードローンの利用者だ」とすぐに分かるでしょう。ただし、自社の顧客情報だけではなく、過去のカードローンの利用履歴も併せて確認できるはずです。このため、カードローン利用履歴に問題があれば、能力が高くて適正がある人でも落とされてしまう可能性があります。
カードローン利用者が金融業者へ応募する時は要注意!
もちろん金融業では「お金を扱う業務」を行なっています。もし、過去に金融商品の返済トラブルを起こしてしまったような人を社員として採用してしまったら、金融業の実務で大きな事故を起こしてしまう恐れや、お金を持ち逃げされてしまうような恐れもあるでしょう。このため、過去に返済トラブルがあった人は、採用されない可能性が高いんです。
また、金融業者間では、信用情報以外の独自の情報を共有している可能性もあります。このため、過去に金融商品で何かしら事故を起こしてしまったという人は、金融業界への就職は難しいと考えておく方が良いかもしれませんね。
大手企業への就職時にもカードローン利用が不利となる?
また、大手企業へ就職活動する場合でもカードローンの利用は注意しておく必要があるかもしれません。個人情報である信用情報を求人応募者への審査に使われることはありませんが、大手企業も調査機関などに依頼し、独自の信用情報などを入手する可能性もあります。
カードローンの利用履歴はそこまでマイナスに働かない
ただし、過去のカードローン利用時にしっかりと返済していた場合、プラスの印象は与えませんが、そこまでマイナスの評価にもならないと考えておいてOKでしょう。
就職を希望しているカードローン利用者が取るべき行動とは?
このように、信用情報を求人の審査に使われる可能性は低いのですが、先ほどの項目で解説してきたように、希望する業界などによっては、独自の信用情報などを審査に利用する場合があります。これから就職を検討している人で、過去にカードローンを利用していたという人、現在カードローンを利用しているという人が、今取るべき行動について、詳しく解説していきます。
就活前に! 過去にカードローンを利用していた人が取るべき行動
過去にカードローンを利用していたという人は、今すぐ「カードローンを解約する」ことをおすすめします。
なぜ就活前にカードローンを解約する方が良いの?
カードローンには、利用者が借りられるお金の限度額=与信枠が設定されていて、場合によっては与信枠=借金として見られてしまう可能性もあるんです。これは、カードローン契約後にはいつでも最大で与信枠分のお金を借りられるためです。
万が一、就職希望先の会社がカードローンなどの信用情報のチェックをしていた場合、カードローン契約していると、与信枠分が借金と見なされる恐れがあります。このため、現在カードローンを使っていないけど契約が残っているという人は、就職時に評価を落とされないように、先にカードローンを解約しておくことをおすすめします。
就活前に! 現在カードローンを利用している人が取るべき行動
現在カードローンを利用中の人は、就職前にどのようにすれば良いのでしょうか。ほとんどの企業では、応募者のカードローンの利用状況を確認しませんが、金融業者や大手企業の場合は独自の信用情報をチェックする可能性もあるでしょう。
- 完済してカードローンを解約する
- 複数のカードローン利用者はおまとめローンなどで借金の圧縮を
完済してカードローンを解約する
カードローンの利用は就職にほとんど影響しないと考えられるのですが、まだ借金が残っているという人は、完済してカードローンを解約するようにしておきましょう。
複数のカードローン利用者はおまとめローンなどで借金の圧縮を
また、もし複数のカードローンを利用中だというような人は、銀行カードローンや消費者金融カードローンで提供されている「おまとめローン」への借り換えも検討してみましょう。おまとめローンに成功すれば、複数のカードローンから1社のカードローンへとまとまり、金利が下がって借金が圧縮されたり、毎月の返済負担を抑えたり、借金を完済しやすくなるはずです。
また、万が一信用情報を調べられたとしても、「1社からのカードローン」となるため、そこまで審査に不利とはならないはずですよ。
カードローンの利用は金融機関への就職時のみ注意!
この記事では、カードローンの利用が就職に影響するのかについて、詳しく解説してきました。カードローンの利用が就職に影響する可能性はほとんどありませんが、金融業者へ就職する場合は過去の信用情報を調べられる恐れがありましたよね。
金融機関への就職前にはカードローンの清算を
このため、金融機関への就職を希望している人で、まだカードローン契約が残っているという人は、早めに解約を済ませておきましょう。カードローンにより異なりますが、インターネットからの手続きや電話での手続きなどから簡単にカードローンの解約が可能です。契約中のカードローンの解約方法が分からない場合は、カードローンの窓口で確認してみてくださいね。
一般企業への就職時にはカードローンは影響しないと考えてOK!
また、多くの人の就職先である中小企業などではほとんどの場合、信用情報のチェックなど行われていないため、過去や現在カードローンを利用していたとしても、あまり気にする必要がないでしょう。ただし、カードローンでお金を借りすぎて借金が大きく膨らんでしまうと、返済できずに自己破産してしまう恐れもあります。
自己破産などの大きな金融事故を起こしてしまった場合は何かのキッカケで勤務先にバレてしまう恐れがあるため、現在カードローン利用中の人はキチンと完済できるように計画を立てておきましょう。ぜひこの記事を参考にしながら、就職前に利用しているカードローンをどうするのか、しっかりと検討するようにしてみてくださいね。