証書貸付とは?手形貸付やカードローンとの違いを分かりやすく解説
この記事では、証書貸付の具体的な内容や、証書貸付とカードローンとの違いなどについて詳しく解説を進めていきます。
これからお金を借りようと思っていて、様々な融資方法を検索して調べている人の中には、「証書貸付というキーワードをよく目にするけど、どういう意味かイマイチ分からない」という人も多いと思います。そこで、この記事では誰でも証書貸付について理解できるように簡単に説明していくので、しっかりと確認していきましょう。
証書貸付とは?
証書貸付とは、融資の契約時に提供者と申込者が、貸付額・金利・返済方法・返済期間などの条件が記載されている「金銭消費貸借契約証書」という証書で契約を結び、貸付を行う金融商品となります。
金銭消費貸借契約証書という長く覚えにくい名前の書類が出てきましたが、簡単に説明すると借入れ時に借用書(借用証書)で契約する融資の方法が「証書貸付」となるので、あまり難しく考える必要はないでしょう。
手形貸付との違いは?
一方で手形貸付(手貸し)とは。融資にあたり貸出先の振り出した約束手形を担保に行う融資の方法です。
手形貸付は融資案件の中でも1年以内の短期融資に使われる事が多く、最初ん契約書を締結してしまえばあとは毎回契約書を交わす必要がなく、比較的手続きが簡単な融資方法と言えるでしょう。
証書貸付は1年以上の貸付期間に適用される
また、この保証貸付は1年以上の貸付期間に適用される場合がほとんどです。1年以上の長期的な貸付を行う場合に、契約内容が明記された借用書で契約が行われます。また、長期的な貸付は金融業者側にとって貸し倒れのリスクが高まるため、契約時には「連帯保証人」が求められる場合もあります。
証書貸付は担保や保証人が必要となる場合も
ただし、この証書貸付の担保や保証人ですが、利用先の金融業者や借り入れ額によって異なります。少額の借り入れ額であれば、無担保・保証人不要で借り入れできる可能性もあります。
フリーローンや目的別ローンなどが証書貸付
また、一般向けの融資であれば、多目的ローンである「フリーローン」や、住宅ローン、マイカーローン、教育ローンなどの「目的別ローン」が証書貸付となります。また、消費者金融などが提供している「おまとめローン」なども証書貸付なんです。
証書貸付は借入毎の契約が必須
この証書貸付ですが、契約時に「借り入れ額、返済期間、返済方法」などの貸付条件が決められた借用書で契約を行うため、一度借り入れた後は、追加で借り入れできません。追加融資は借用書に記載されていないため、契約違反となるためです。もし追加融資でお金を借りたい場合は、再度借用書で契約を結ぶ必要があるため、複数回お金を借りようと考えている人は証書貸付での資金調達は向いていないでしょう。
公式サイト上の証書貸付を確認しよう
また、銀行などが提供している個人向けローンの中には「証書貸付」「証書貸付タイプ」「証書貸付方式」などの名称が記載されているローンがあります。実際にいくつかの証書貸付のローンを確認し、どのような条件になっているかなどを確認してみましょう。
証書貸付とカードローンの違いとは?
では、証書貸付とカードローンの違いについて確認していきましょう。まず、比較表にまとめてみました。
融資の種類 | 証書貸付 | カードローン |
---|---|---|
金利 | 固定金利が多い、目的や借り入れ額によって様々 | 13%〜18%で設定されている場合が多い |
限度額 | 住宅ローンなどの証書貸付であれば数千万円〜、マイカーローンなどでは1000万円程度、フリーローンでは300万円程度など、様々 | およそ300万円〜1000万円 |
返済方法 | 元金均等返済、元利均等返済など | 残高スライドリボルビング方式、元利均等返済など |
融資までのスピード | 数日〜1ヶ月程度 | 最短即日 |
特徴 | 金銭消費貸借契約証書で交わした契約内容を元に貸付が行われる。追加融資は受けられず、融資毎の契約となる。 | 一度カードローン契約すれば、限度額以内であれば何度でもお金を借りられる。また、途中で限度額を上げられる可能性がある。 |
それぞれの項目について、詳しく確認していきましょう。
金利
証書貸付は様々なタイプがあるため、利用する証書貸付によって金利は異なります。住宅ローンやマイカーローン、教育ローンなどの目的別ローンの証書貸付であれば金利1%〜10%ほど、フリーローンの証書貸付であれば金利10%〜15%ほどとなっています。また、高額な融資の場合は保証人や担保が必要な場合があるため、低金利で借りられる傾向があります。
カードローンの場合は、銀行カードローンであれば金利13%〜16%前後、消費者金融カードローンでは金利18%前後となっています。担保や保証人が不要なため貸し倒れのリスクを防ぐために金利が高く設定されています。
限度額
限度額も利用する証書貸付によって異なります。住宅ローンなどの高額な融資まで対応してくれる証書貸付もありますし、フリーローンなどでは数十万円程度の少額の融資となる場合もあります。
カードローンの場合は、審査、契約時に限度額数十万円〜数百万円の限度額が決められて、限度額以内であれば何度でも借りられるようになります。ただし、決定される限度額は、銀行カードローン、消費者金融カードローン共に年収の3分の1程度が上限の目安金額となるでしょう。
返済方法
証書貸付の場合は、元金均等返済、元利均等返済などの返済方法が用意されています。
返済方法 | 元金均等返済 | 元利均等返済 |
---|---|---|
内容 | 毎月一定額の元金+利息での返済方法。返済が進むにつれて利息が減っていき返済負担が少なくなっていく。返済総額を抑えられる傾向がある。 | 元金+利息の合計が毎月一定額で、返済を行なっていく方法。例えば毎月1万円の返済では、完済まで毎月同じ1万円を返済していく。元金均等返済と比べると返済総額が膨らむ傾向がある。 |
また、カードローンの場合は「残高スライドリボルビング方式」や「元利均等返済」などが適用されます。この残高スライドリボルビング方式とは、借り入れ残高によって返済額が減っていく返済方法で、例えば借り入れ残高100万円以上の場合は2万円の返済、50万円以上の場合は1万円の返済などに設定されています。(※実際にはもう少し細かく設定されています)
融資までのスピード
証書貸付は住宅ローンやマイカーローンなど、比較的高額な融資で担保や保証人が必要となる場合もあるため、審査に日数がかかり、融資まで時間がかかってしまう傾向があります。
カードローンであれば、申し込み当日に最短即日でキャッシングできる可能性もあり、スピーディーな融資がメリットと言えるでしょう。
特徴
証書貸付の場合は、借り入れ毎の審査、契約となります。このため、同じ契約内で追加融資を受けられない点には十分に注意しておきましょう。
カードローンであれば、契約した限度額以内であれば何度でも借り入れ可能なので、急な資金不足時などでもとても便利に使えるでしょう。ただし、返済に遅れている場合は追加融資が行えない点に気をつけてくださいね。
証書貸付とカードローン、どちらがおすすめ?
このように、証書貸付とカードローンは内容が異なっていましたが、どのような状況の時に、どちらの融資を選べば良いのでしょうか。それぞれの融資をおすすめしたい利用シーンについて紹介していきます。
こんな時には証書貸付の利用がおすすめ
- 住宅や車などの高額商品の購入時
- 少しでも低金利でお金を借りたい時
住宅や車などの高額商品の購入時
住宅や車の購入時、また、教育用のローンなどの目的別ローンは大抵「証書貸付」となります。このため、高額商品購入時には、必然的に証書貸付を選ぶことになるでしょう。
少しでも低金利でお金を借りたい時
銀行や消費者金融が提供しているフリーローンも証書貸付に分類されます。フリーローンは審査に日数がかかる場合がありますが、カードローンよりも金利が低い傾向があるため、「融資を急いでいないが、少しでも低金利でお金を借りたい」という人におすすめです。
こんな時にはカードローンの利用がおすすめ
- 出来るだけ早くお金を借りたい時
- 一時的な資金不足の時
- 何度もお金を借りる可能性がある時
- ATMから手軽にキャッシングしたい時
出来るだけ早くお金を借りたい時
特に消費者金融が提供しているカードローンは、申し込み〜審査までが非常にスピーディーです。最短では即日でお金を借りられるため、手元に現金が無く融資を急いでいる人におすすめの方法です。ただし、即日融資は銀行振り込みによるキャッシングが多いため、即日融資を希望している人は平日の午前中に申し込みを完了させておきましょう。
一時的な資金不足の時
カードローンの金利は13%〜18%ほどと高いのですが、スピーディーな融資に対応してくれるんでしたよね。また、消費者金融カードローンであれば、30日間無利息サービスなどもあり、短期間の借り入れにとても利用しやすいんです。
30日間無利息サービスとは、カードローン契約時から30日間は一切利息が発生しないため、この期間内に完済すれば借りたお金だけの返済でOKとなるんです。1ヶ月程度の短期間だけ資金不足となっている、というような人は、消費者金融カードローンなどの利用を検討してみましょう。
何度もお金を借りる可能性がある時
カードローンの大きなメリットとして、一度契約してしまえば、限度額以内であれば何度でもキャッシングできるという点が挙げられます。
例えば、限度額100万円でカードローン契約し、はじめ50万円の借り入れをした場合、いつでも残り分の50万円をキャッシングできるということです。また、50万円の借り入れ金額の内20万円分の返済を済ませていれば、50万円+20万円=70万円分をキャッシングできるようになります。「とりあえず決まった金額のお金だけが必要だけど、もしかすると今後追加融資が必要かも…」というような人は、何度もキャッシング可能なカードローンの利用を検討してみましょう。
ATMから手軽にキャッシングしたい時
また、カードローン契約後はローンカード(=ローン専用のカード)が発行されて、提携のコンビニATMや銀行ATMなどを利用して手軽にお金を引き出せます。ATMでのカードローンでのキャッシングは、銀行口座からの現金引き出しと同じようにとても簡単なんですよね。
また、ATMを利用してキャッシングするため、周りの人にバレにくいというメリットもあります。ただし、あまりにも簡単にキャッシングできるため、使い過ぎ、借り過ぎにだけは注意しておきましょう。
まとめ|証書貸付は難しい融資方法ではない
この記事では証書貸付について詳しく解説してきました。「証書貸付」という融資方法はあまり聞いたことがない人も多いと思いますが、証書貸付=借用書を使ってお金を借りる方法という意味なので、そこまで難しく考える必要はありません。
また、皆さんも使ったことがあるかもしれませんが、マイカーローンや教育ローン、住宅ローンなども証書貸付となります。本記事のカードローンのテーマでもある証書貸付とカードローンの違いですが、大きくまとめると、「融資の回数」「担保や保証人の有無」「融資までのスピード」などが挙げられるでしょう。ただし、利用先の金融業者、利用する融資サービスによって内容が異なるため、利用前には契約内容をしっかりとチェックしておきましょう。
利用シーンに応じた融資方法を
このように、証書貸付やカードローンなど、一般向けの融資はたくさんあります。また、利用目的によって選ぶべき融資方法が異なるんですよね。もちろん、融資を受ける時には少しでもお得に借りられる方が良いので、この記事などを参考にしながら、ご自身が使いやすいと思う融資の方法でお金を借りてみましょう。
このサイトには、多くのカードローンなども詳しく解説しているので、キャッシングを検討している人は、ぜひ参考にチェックしてみてくださいね。目的にピッタリ合った融資方法で、お得にお金を借りられるようにしましょう。