ブラックリストじゃないのにキャッシング審査に落ちた「スーパーホワイトって何?」
カードローン審査の通過が難しい理由として、最も影響が大きいのがブラックリストです。一方で、スーパーホワイトと呼ばれる状態でも審査の通過が困難となります。
ブラックリストとスーパーホワイトは真逆のイメージがある言葉ですが、カードローン審査の現場ではどちらも「審査対象外」となり得ます。
目次
ブラックじゃないのにカードローン審査に落ちた!なぜ
カードローン審査に求められるのは信用性
ブラックリストに該当している場合
カードローンの審査に関する話題で必ずといっていいほど登場する「ブラックリスト」という言葉。
実際にそういう名のリストが存在するわけではないものの、信用情報機関に掲載されている信用情報に傷がある人のことを、一般的にブラックリストと呼んでいます。
「ブラック」や「金融ブラック」といった呼び方もありますが、これらもブラックリストと同義です。
スーパーホワイトに該当している場合
ブラックと同様に審査に通りにくいと言われる「スーパーホワイト」なるものも存在します。ブラックとは真逆の言葉のため、「どこへ申し込んでも審査に落ちない人」というイメージを抱いてしまうかもしれませんが、実はそうではありません。
スーパーホワイトと呼ばれる人も審査通過が難しいのです。つまり、審査通過が難しいという意味では、ブラックリストもスーパーホワイトも似たような境遇にあるということになります。
信用情報の傷の深さによって違うブラックの種類
信用情報の傷というのは、その深さによっていくつかの種類に分けられます。傷が浅ければ治癒するまでの期間も短くて済みますし、逆に傷が深ければ治癒するまでの期間も長引いてしまうのです。人間の怪我とどこか似てますよね。
延滞ブラック | 返済の延滞が伴うブラック情報 |
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申込ブラック | 申込件数過多に伴うブラック情報 |
ブラックリスト | 債務整理に伴うブラック情報 |
ブラック情報は信用情報機関に掲載される際に「異動」と記載されるため、一般的に「異動情報」と呼ばれています。
延滞ブラック
延滞ブラックというのは、カードローンやクレジットカードの返済を延滞してしまうことに伴うものです。単なるうっかりミスによる遅延ではブラック状態とはなりませんが、概ね3ヶ月以上の滞納でブラック情報が信用情報機関に掲載されます。
延滞ブラックの場合は、返済を行ってもその後CICで5年間、JICCでは1年間、この異動情報が掲載されることになります。いつまでたっても返済しないでいれば、一生、異動情報が掲載されたままとなるわけです。
CICとJICCでは異動情報の掲載期間が異なってはいますが、両者はお互いの情報を共有しているため、実質的に返済完了後5年間はローンやクレジットカードの審査に影響があると考えて差し支えありません。
延滞ブラックでも債務整理と同じ期間、異動情報が掲載される
延滞ブラックにおける異動情報の掲載期間は、JICCで1年間であるものの、CICでは5年間保存されます。
しかし、JICCとCICはお互いの情報を共有しており、たとえJICCにおける延滞解消期間である1年が経過していても、CICにその記録が残っていればさらに4年間は審査に通りにくい状況が続くことは避けられない状況となってしまいます。
5年間といえば債務整理のケースと同じ期間です。そのため、どうせ5年間どこの審査にも通らないのであれば、延滞ブラックとなった時点で債務整理をしてしまえば、その後の借金負担も少なくなるという見方もできなくもありません。
ダラダラと延滞を続けるなら債務整理という選択肢も有効
決して債務整理を勧めるわけではありませんが、多重債務などでどうしても延滞になりがちとなってしまうなら、思い切って債務整理をしてしまうのもひとつの選択肢だと言えるでしょう。
理由としては、返済苦に陥ってその後何回も延滞を繰り返してしまえば、いつまでたっても異動情報が消えないことになるからです。いつまでもダラダラと延滞ばかり繰り返してしまえば、その先十何年も延滞ブラックの状態が続いてしまいますよね?それなら、思い切って債務整理してしまえば、その時点から5年間我慢すれば異動情報も解消されるわけです。
どちらを選択するかは個人の自由ではありますが、変なプライドに縛られながらダラダラと延滞を続けるよりは、債務整理の方がはるかに将来性のある選択だと言えないでしょうか。
申込ブラック
申込ブラックというのは、短期間のうちにいくつものカードローンやクレジットカードへ申し込む「多重申込」のこと。
多重申込の基準は、金融会社やクレジットカード会社などによっても異なり、2社以上で多重申込と判断する会社もあれば、4社以上で多重申込と判断する会社もあります。
申込ブラックとなってしまう短期間とはどのくらいの期間を指すのかといえば、1ヶ月以内に何件に申し込んだかが基準となります。つまり、平均的には1ヶ月で3社申し込めば申込ブラックという判断が下されてしまいます。
申込ブラックの情報は延滞ブラックとは異なり、信用情報に「異動」と掲載されることはないものの、「申し込みした」という情報は6カ月間掲載されます。1ヶ月のうちに複数の申し込みを行ってしまった場合は、その期間はどこへ申し込んでも審査で弾かれる可能性が高くなるので注意が必要です。
1ヶ月のうちに申し込むのは2社までが限度、それ以上の申し込みを希望するなら、6ヶ月間の間を開けて申し込まなければどこへ申し込んでも審査通過は見込めなくなってしまうのです。
ブラックリスト
滞納ブラックや申込ブラックとは違い、単に「ブラックリスト」と呼ぶ場合は債務整理をした人を指します。
多重債務などのような多額の借金を解消するための方法は2つあります。ひとつはおまとめローンで借金を一本化してスリムにする方法、そしてもうひとつが債務整理で借金負担そのものを軽減させる方法です。
特に債務整理は多重債務者にとって最終手段ともいえる救済制度ですが、借金負担を著しく軽減できる代償として、その事実が信用情報に記載されることになります。これがいわゆる「ブラックリスト」です。
債務整理には、任意整理や個人再生、そして自己破産などの種類がありますが、いずれを選択しても5年間は信用情報機関に「異動情報」として掲載されてしまうため、その間はカードローンを始めとした各種ローン審査やクレジットカード審査などの通過率は著しく低くなります。
まともな金融会社であれば、ほぼ確実に審査段階で弾かれてしまう結果となるのです。
ブラックと真逆のイメージ?スーパーホワイトはどんな状態
信用履歴がまったくないのがスーパーホワイト
カードローンやクレジットカードについてネット検索していると、たまに「スーパーホワイトの状態では……」とか、「クレヒスがホワイトの場合は……」といった言葉を見かけることがあります。
これはネット上だけ使われる隠語――いわゆるネットスラングではなく、金融会社などでもちゃんと使われている言葉です。専門用語ではありますが、最近では一般的にも知られるようになった言葉なのです。
スーパーホワイトは文字どおり、ローン情報やクレジットカード情報が信用情報機関にまったく掲載されていない状態のことを指します。
信用情報の指針クレヒスは真っ白だと信用度をはかれない
カードローンにしてもクレジットカードにしても、審査で重要なのはクレヒスとなります。つまり、クレジットの利用履歴(クレジットヒストリー)のことです。
金融会社やクレジットカード会社は、審査において申込者のクレヒスを元にして信用度をはかっています。信用情報機関に掲載されているクレヒスは、現在では審査になくてはならないほどの重要度を占めているわけです。
しかし、現金主義を貫いた結果、生まれてから一度たりともローンやクレジットカードを使ったことがない人もいます。そういう人の場合、当然ながらクレヒスすらない状態のため、信用情報機関に照会しても何の情報も掲載されていない「スーパーホワイト(真っ白)」な状態となってしまうわけです。
金融会社やクレジットカード会社としても、クレヒスの蓄積がまったくない人に対して、その信用度をはかる基準がないために、審査段階でNGとしてしまうケースが多いのです。
クレヒスに傷がないのになぜホワイトは審査に落ちるのか
ブラックリストのように、過去に金融事故を起こしで異動情報が掲載され、クレヒスに傷がついている状態なら信用性がないと判断されても仕方ありません。では、クレヒスに傷すらついていない状態なのにホワイトが審査落ちしてしまう理由はなぜなのでしょうか。
とても不思議に感じる方も多いと思われますが、実はそこには金融会社やクレジットカード会社のある事情が関係しているのです。それがコンピューターで行われる自動審査です。
スーパーホワイトとホワイトの違いについて
一般的にクレヒスがホワイトと呼ばれる状態には2種類のタイプがあります。ひとつは生まれてこのかた一度もローンやクレカを利用したことがない「スーパーホワイト」、そしてもうひとつが債務整理後の「喪明け」によって復活した「ホワイト」と呼ばれる状態です。
債務整理後、5年間が経過すれば異動情報が消えることはよく知られているでしょう。このローンやクレジットカードへ申し込める状態にまで復活することをネットスラングで「喪明け」と呼びます。
喪明けの状態は過去5年間の信用情報が消えた状態なので、クレヒスは真っ白な状態。つまり、スーパーホワイトの人と同じような状態となってしまうわけです。
審査を行うコンピューターはクレヒスが真っ白=過去に金融事故の可能性があるという判断を下してしまうため、まったくクレヒスに傷のないスーパーホワイトであっても、信用度ゼロという理不尽な判断をされてしまうのです。
年齢によっても異なるスーパーホワイトの審査通過率
もちろん、スーパーホワイトであっても年齢によっては審査通過が容易なケースがあります。それは年齢です。
スーパーホワイトだからといって誰もが審査通過が厳しいというわけではありません。当然ながら、新卒者など社会人になって初めてクレジットカードなどに申し込む人もいます。そうした人たちに対して「スーパーホワイトだから審査NGです」という判断が下されることはありません。
スーパーホワイトの状態で審査に落とされる可能性のある人は、それなりに年齢を重ねた人が対象となることは知っておいてください。
細かい年齢などが定められているわけではありませんが、20台後半あたりまではセーフと言えるでしょう。逆に、30代後半からそれ以上の年齢なのにスーパーホワイトという場合、過去の金融事故を疑われてしまい、審査通過率も著しく低くなると考えられます。
スーパーホワイトからの脱却!クレヒスを蓄積する方法
クレヒスに傷がついていなければ、イメージとしてはとても健全なクレヒスだとも考えられますが、審査の現場ではまったく異なる判断がされるのはとても理不尽なことです。
だからといって、「自分はこれまで現金主義だったからスーパーホワイトなんだ!」と訴えたところで、「はい分かりました。それなら審査に通しましょう!」ということにはならないのが現実でもあるのです。
「カードローンもクレジットカードも作れないのにクレヒスの蓄積なんてできるの?」と思ってしまう方もいるかもしれません。スーパーホワイトであっても、カードローンやクレジットカードを作れる道はちゃんと用意されているので安心してください。
以下では、信用情報を積み上げていく方法について確認していきましょう。
携帯の割賦払いを利用する
実はクレヒスはカードローンやクレジットカードがなくても蓄積できるのです。その代表格が携帯の割賦払いです。
携帯電話の新規購入や機種変更の際、機種代金を一括払いで購入するのではなく、分割購入することを「割賦払い」と呼びます。ちなみに読み方は「かっぷばらい」と読みます。
割賦払いは、言葉は違いますがローンと同じものです。つまり、携帯電話を分割購入することで、クレヒスを蓄積することが可能となるのです。
手間はかかるが最も効率的にクレヒスを蓄積可能
携帯の割賦払いを利用したとしても、1ヶ月や2ヶ月でクレヒスを蓄積できるわけではなく、最低でも半年、できれば1年以上の実績が欲しいところです。
即効性がないため、「クレヒスが無傷なのになんでそこまでしなきゃならないの?」と、嘆かわしい気持ちになってしまうのもよく分かります。
でも、そこからスタートしなければクレヒスを蓄積することは叶わないのです。少なくとも、現段階でクレヒスを蓄積するもっとも効率的な方法であることは間違いありません。
審査基準の緩いカードローンやクレジットカードへ申し込む
確実な審査通過を望むなら段階を踏みながらクレヒスを蓄積
審査基準の緩いカードローンやクレジットカードであれば、携帯割賦で蓄積したクレヒスだけでも審査に通る可能性が高くなります。
しかし、ある程度の審査基準を設けているステータス性の高いクレジットカードを希望するなら、やはり携帯割賦の実績だけでは少々心細いのもまた事実です。
その場合、お目当てのクレジットカードへ申し込む前に、ハウスカードへ申し込んでさらにクレヒスを作っておくのも有効です。
ハウスカードは一般的なクレジットカードより審査通過率が高い
クレジットカードの中には、その企業やグループ内でのみ利用ができるハウスカードと呼ばれるものがあります。ハウスカードには、一般的なクレジットカードのような国際ブランドが付帯されておらず、その企業やグループ以外での利用ができないという特徴をもったカードです。
申込者本人の信用度が低くてクレジットカードを作ることができなくても、ハウスカードなら発行してくれる可能性が高いのはなぜかというと、そこには顧客の囲い込みやマーケティングの問題など様々な理由があります。
しかし、どのような理由があろうと、それはカード会社側の理由であって、申込者は発行してくれればそれでいいわけです。カード会社の事情はどうあれ、ハウスカードが一般的なクレジットカードよりも審査通過率が高いことには違いないのです。
従って、携帯割賦でクレヒス蓄積のスタートを切ったら、その次の段階としてハウスカードでクレヒスを積むのがおすすめです。ここである程度のクレヒスを蓄積しておけば、さらにステータス性の高いクレジットカードへも堂々と申し込めるようになります。
例えばコスモ石油の「コスモ・ザ・カード・ハウス」はその代表例ですし、日産の「日産カード」も有名です。
まとめ
スーパーホワイトからの脱却は時間がかかる!
本記事では、金融ブラックではないのにカードローンなどの審査に落ちてしまう理由と対処方法について解説してきました。
まず、スーパーホワイトから抜け出すにはクレヒスの蓄積が不可欠です。しかも時間がかかってしまうのが大きなデメリットとなってしまいます。
いくらカードローンやクレジットカードの利便性が高いとはいっても、やはり信用情報なくして審査の通過はあり得ない時代なのです。ただ、スーパーホワイトという状態を作り出したのも自分自身ですし、現金主義から信用情報が重視される時代になってきたという変化に鈍感だったということも言えるはずです。
一度信用情報をしっかりと蓄積しておけば、この先カードローンやクレジットカードの利便性にあやかれるようになるのは想像に難くありません。審査に通らないからと悲観的にならず、コツコツとクレヒス蓄積に励んでいきましょう。