賃貸契約の審査にキャッシング(カードローン)は影響がある?ブラックでも入居可能?
「消費者金融でキャッシングしているけど賃貸の入居審査に落とされないかな?」「過去にカードローンを利用していたけど、入居審査で不利になる?」など、消費者金融や銀行カードローンを利用している方は、賃貸契約時の入居審査に影響が出るのかを気にしている方もいるでしょう。
そこで本記事では、『カードローンのキャッシング利用が賃貸契約時の審査に影響を与えるのか』について詳しく解説します。
目次
キャッシング(カードローン)は賃貸契約の入居審査に影響ナシ!
結論から言ってしまうと、賃貸物件の入居審査では、契約者のカードローンの利用履歴(=信用情報)を参照しません。
つまり、カードローンのキャッシングを利用していても、賃貸契約時の入居審査に不利になりません。
賃貸契約を考えている方も安心してローンを利用できる
もちろんカードローン以外のローン商品や、クレジットカードの利用も、賃貸契約時の入居審査に影響はありません。このため、これから賃貸契約を考えている方でも安心してローンやキャッシングを利用できます。
キャッシングで信用情報がブラックでも賃貸契約には問題ない
また、賃貸契約時の入居審査では信用情報が参照されないため、「信用情報がブラックリスト」であっても審査が不利になりません。
ブラックリストとは?
金融業者は自社会員などについては個人情報や利用実績、返済実績についてデータベースを作成しており、これに基づいてクレジットカードの利用が制限される、もしくは融資不適格と判定される状態を社内ブラック(内部ブラック)と呼ぶ。
賃貸契約の入居審査は誰が行う?
そもそも賃貸契約の入居審査は誰が行うのでしょうか。入居審査を行うのは、「マンション管理会社(不動産会社)」や「大家」、「家賃保証会社」です。
また、入居審査は
マンション管理会社(不動産会社)> 家賃保証会社 > 大家
の順番で行われています。
後の項目で詳しく解説していきますが、入居審査では、主に申込者の「支払い能力」がチェックされます。
収入が不安定な方は、「家賃をしっかり払ってくれる人か分からない」と判断されて、入居審査に落とされるので注意しましょう。
なぜ入居審査が行われる?
賃貸物件の入居審査が行われる理由を、下記にまとめてみました。
賃貸契約時に入居審査が行われる理由
- ①毎月の家賃収入を確保するため
- ②入居者トラブルを未然に防ぐため
①毎月の家賃収入を確保するため
賃貸物件の所有者である大家や、マンションの管理会社が、「家賃による収入を確保するため」賃貸契約時に入居審査をします。
②入居者トラブルを未然に防ぐため
「騒音を出す」「勝手に部屋を改造する」など、入居者がトラブルを起こす事例も非常に多く見受けられます。
入居者のトラブルを未然に防ぐため、入居希望者の身なりや振る舞い、性格なども審査対象になります。
※上のリンク先のニュースのように、入居者の隣人トラブルや近隣トラブルは頻繁に起こっています。
賃貸契約の入居審査でチェックされる項目
入居審査で重視される項目をまとめました。
入居審査される項目
- 氏名、年齢、住所、電話番号などの本人情報
- 年収や職業
- 連帯保証人の有無や続柄
- 入居者の身なりや振る舞い
家賃に対して収入が少ない方は、「返済能力が認められず」審査に落とされてしまう可能性があります。収入に対する家賃の目安は、月収の3分の1(または、年収の36分の1)の金額と考えられています。
月収 | 支払能力が認められる家賃 |
---|---|
15万円以上 | 5万円未満 |
21万円以上 | 7万円未満 |
27万円以上 | 9万円未満 |
36万円以上 | 12万円未満 |
45万円以上 | 15万円未満 |
このため、月収の3分の1の金額を下回る家賃は「支払い能力が認められる」ため、入居審査に通過させやすいです。
賃貸契約の入居審査に通過しにくい雇用形態
賃貸契約の入居審査が不利になる雇用形態について紹介します。
アルバイトやフリーターは入居審査が不利になる
非正規雇用であるアルバイトやフリーターの場合、正社員のような「安定収入が見込めない」ため、入居審査が不利になるケースがあります。
また、フリーランスや自営業などの個人事業主の方は「第三者から安定した収入を確認しにくい」ため、入居審査に低く評価される可能性もあります。
高額な家賃になるほど入居審査が厳しくなるため、ご自身の職業や雇用形態などには十分に注意しましょう。
賃貸契約には連帯保証人が必要
入居審査時には「連帯保証人」も注意したいポイントです。賃貸契約をする際には「利用者が家賃を支払えない」時の保証として、連帯保証人が必要です。
連帯保証人の条件(一例)
- 親族(2親等以内)である
- 連帯保証人に継続的な収入がある、もしくは不動産を所有している
- 反社会的団体・勢力に関係する人物でない など
保証人には「連帯保証人」と「保証人」の2種類があり、下記のような違いがあります。
保証の範囲・内容 | 連帯保証人 | 保証人 |
---|---|---|
(債務者に支払い能力があっても)債権者が保証人に対して直接請求できるか? | できる(債権者が連帯保証人に請求すれば、債務者に代わって支払わなくてはならない) | できない(債務者に支払能力がある場合は、返済義務はない) |
債務者に支払い能力があるにもかかわらず支払いを拒否した場合、保証人に支払い義務はあるか? | ある(債権者が支払いをk拒否した場合、代わって支払わなくてはならない) | ない(債務者に支払能力がある場合は、返済義務はない) |
保証人が複数いる場合の保証額の負担は? | 連帯保証人はすべての人が全額を支払う義務がある | 支払い額を保証人の頭数で割った金額のみを保証すればOK |
このように保証人よりも「連帯保証人」の方が大きな責任が課せられています。賃貸契約後には「家賃の回収」を確実に行うため、『連帯保証人』を採用しているケースが多いです。
連帯保証人が見つからない場合は?
連帯保証人は「父親」や「兄弟」など、身内になってもらう場合が多いですが、「どうしても連帯保証人が見つからない…」という方もいるでしょう。
連帯保証人が見つからない場合は、マンション管理会社などが紹介している『家賃保証会社』を利用することになります。
家賃保証会社とは?
家賃保証会社(やちんほしょうがいしゃ)とは、賃貸住宅の契約時に必要な賃借人の連帯保証人を代行する会社で、不動産賃借人との間で保証委託契約を締結する会社である。
家賃保証会社を利用するには、初年度は家賃1ヶ月分の50%程度で、2年目以降は家賃1ヶ月分の10%〜20%という料金設定になっている場合が多いです。家賃保証会社の利用は、費用が発生する点に注意しましょう。
※契約先の管理会社によって「家賃保証会社」が利用できない場合もあるので注意。
キャッシング(カードローン)などの信用情報は大家や不動産会社では確認できない
本記事で解説してきたように、賃貸契約の入居審査では年収や職業などの「家賃の支払い能力」について審査されます。
支払い能力の確認は、「カードローンやクレジットカードの支払い状況が記録されている信用情報を確認すれば良いのでは?」と考える方もいるでしょう。
不動産会社や大家は「信用情報機関」へ加盟していない
しかし、賃貸マンションを管理する不動産会社や大家は「信用情報機関」に加盟しておらず、個人の信用情報(カードローンやクレジットカード利用履歴等)を確認できません。
また、信用情報を管理する信用情報機関の「CIC」では、会員規約が定められています。
CICの会員(加盟店)は第三者に信用情報を公開することを禁止しています。さらに規約違反した場合は、下記のような罰則が設けられています。
義務違反に対する措置
2.実績の公表
加盟会員による個人信用情報の目的外利用等が明らかになった場合、行政へ報告するとともに、一般にも実績の公表を行うこととしています。
このように、信用情報機関の加盟店ではない場合、「信用情報」の確認はできません。
家賃保証会社を利用する方は注意!賃貸審査時にキャッシング履歴を確認されるかも
ただし、賃貸契約時に連帯保証人が見つからず、『家賃保証会社』を利用する場合は「信用情報」に注意しましょう。
家賃保証会社は信用情報機関に加盟しているため、信用情報に傷などがある方は「家賃保証会社の審査」に落とされてしまう(=賃貸契約できない)恐れがあります。
家賃保証会社の中でも、「信販系家賃保証会社」は、個人の情報を扱う信用情報機関の加盟店のため、賃貸申込者の信用情報を参照できます。
信販系家賃保証会社
- アプラス
- エポスカード
- オリエントコーポレーション(オリコカード)
- ジャックス
- セディナ
- ライフ など
信販系家賃保証会社とは、上記のような会社です。これから信販系家賃保証会社を利用する方で、過去にクレジットカードやカードローンの利用時にトラブルを起こしてしまった方は、家賃保証会社の審査に落とされる可能性が高いです。
信販系家賃保証会社が加盟するCICでの履歴保有期間
ここで、信販系家賃保証会社が加盟している信用情報機関の「CIC」で、信用情報を保有・保管している期間を確認しましょう。
項目 | 項目の内容 | 保管期間 |
---|---|---|
申込情報 | クレジットやローンの新規申込みにおける支払能力を調査するため、加盟会員が照会した事実を表す情報 | 照会日より6ヶ月間 |
クレジット情報 | 加盟会員と締結した契約の内容や支払状況を表す情報 | 契約期間中および契約終了後5年以内 |
利用記録 | クレジットやローンの利用途上における支払能力を調査するなどのため、加盟会員が照会した事実を表す記録 | 利用日より6ヶ月間 |
支払い状況などの履歴は「クレジット情報」の項目に分類されていて、5年間の利用履歴が保有されています。
支払い時にトラブルを起こして信用情報に傷をつけてしまったという方は、5年間は「家賃保証会社」の審査に通りにくいでしょう。
キャッシング(カードローン)で賃貸契約できなかった時に見直すべきポイント
賃貸契約時の入居審査に落とされてしまったという方は、下記のポイントを見直しましょう。
入居審査に落ちた時に見直すポイント
- 年齢
- 家賃
- 身なり
- 信用情報(家賃保証会社利用時)
年齢
20歳以上の成人であれば、賃貸契約が可能です。ただし、20歳を超えたばかりの若い年齢の方で、(10万円以上の)高額な家賃の賃貸物件へ入居する場合は、年齢が審査で不利になる恐れがあります。
若い年齢の方は、収入が少ない方も多く、支払い能力の信用度が高くありません。このため、若い年齢の方で高額な家賃の物件の入居審査に落とされる方は、物件の家賃を下げることも検討してみましょう。
家賃
本記事でも解説してきましたが、「家賃の目安は月収の3分の1以下の金額」です。年収に対して高い家賃を希望している方は、もう一度家賃を見直しましょう。
身なり
住民間のトラブルを未然に防ぐために、入居者の身なりや人柄なども重視されます。「何かトラブルを起こす人かもしれない」と見られてしまうと入居審査で不利になります。
「初対面は、見た目で9割の印象が決まる」と聞いたことがある方も多いはず。不潔な服装よりも清潔な服装の方が、相手に与える印象は良いものになるでしょう。
信用情報(家賃保証会社利用時)
先ほどの項目で解説したように、連帯保証人を用意できない方が「家賃保証会社」を利用する際、信用情報が入居審査に影響する可能性があります。
現在カードローンやクレジットカード利用中の方は、信用情報に傷を残さないように、毎月期日までにしっかりと支払いを完了させましょう。
まとめ|キャッシング(カードローン)は賃貸の入居審査に影響しない
本記事では、カードローンのキャッシングの利用が賃貸契約時の入居審査に影響するのか、について詳しく解説してきました。
- キャッシングは入居審査に影響しない
- 信用情報ブラックの方でも賃貸契約可能!
- 入居審査には「収入」や「身なり」が重要
- 賃貸契約時には連帯保証人が必要
- 連帯保証人がいない場合は「家賃保証会社」の利用が必須
- 家賃保証会社利用時には「信用情報」をチェックされる可能性も!
- 確実に賃貸契約するには「安定収入」「連帯保証人」の準備を
入居審査時や賃貸契約時には「信用情報」 を参照されません。このため、信用情報に「滞納」などのネガティブな履歴がある方も賃貸契約が可能です。
ただし、賃貸事契約時に連帯保証人を立てられない方は注意しましょう。賃貸契約時に連帯保証人を立てられない方は、「家賃保証会社」を利用して家賃契約を行うためです。
アプラスやエポスカードなどの信販系の家賃保証会社では「信用情報機関の加盟店」となっているため、個人の信用情報を参照できます。つまり「家賃保証会社」を利用する際には信用情報(の傷)が影響し、賃貸契約できない可能性があるのです。
これから賃貸契約を検討している方でカードローン利用中の方は、ぜひ本記事を参考にして、賃貸契約に成功できるようにしましょう。