個人事業主がビジネスローン審査を通過するための注意点と対処法
飲食店や理髪店、雑貨店など、お店を開いている個人事業主や、フリーランスで活躍している個人事業主など、会社には属さずに頑張っている個人事業主の人はたくさんいらっしゃいますよね。
しかし、個人事業主としてうまく事業を進めている人でも、急に運転資金が足りなくなってしまい、「手元にお金がない!」「経費の支払いに間に合わない!」という状況になってしまうことは誰にでもあるはずです。
そこでこの記事では、個人事業主が利用できるビジネスローンについて詳しく解説を進めていきます。融資を受けたい個人事業主の人は、ぜひこの記事をしっかり確認していきましょう。
目次
個人事業主でビジネスローンを受けたいならノンバンクがおすすめ
個人事業主でもビジネスローンを簡単に利用できます。個人事業主におすすめなのは、消費者金融などの貸金業者が提供する「ノンバンク系ビジネスローン」と呼ばれている事業資金に使えるローン商品です。
ノンバンク、つまり、銀行ではない金融業者からの融資となるため、ノンバンク系と呼ばれています。
ノンバンク系ビジネスローンの特徴
この個人事業主におすすめしたいノンバンク系ビジネスローンの特徴をまとめていきます。
- 審査難易度が緩やか
- 審査スピードが早い
- 少額の融資が受けられる
- 売掛金の回収までのつなぎ融資に使いやすい
審査難易度が緩やか
ノンバンク系ビジネスローンの特徴として、審査難易度が緩やかなことが挙げられます。ノンバンク系ビジネスローンは、消費者金融などの貸金業者が提供している融資となるため審査難易度は低めなんです。これは、一般消費者向けカードローンの、消費者金融カードローンは審査基準が緩やか、銀行カードローンは審査基準はやや難しい、と同じような対比となっています。
さまざまな要素が影響するんですが、事業者の中でも個人事業主が最もステータスが弱い傾向にあるため、個人事業主は審査基準が緩やかなノンバンク系のビジネスローンへの申し込みがおすすめです。
審査スピードが早い
また、このノンバンク系のビジネスローンは、消費者金融が提供している場合も多く、審査〜融資までのスピードが非常に早いんですよね。最短では即日で融資できる可能性があります。
個人事業主などの場合は、急な振り込みや支払いなどに対して、十分に支払える資金が不足しているという場合もあるでしょう。このような資金調達を一刻も争うような時には、スピーディーに融資してもらえるノンバンク系ビジネスローンをうまく活用できるでしょう。
少額の融資が受けられる
このノンバンク系ビジネスローンの限度額は、サービスによっても異なるのですが、数百万円〜1000万円程度という上限限度額となっている場合が多いんです。数百万円程度という少額の資金をサクッと借りられるので、手軽に利用しやすいのが、ノンバンク系ビジネスローンの特徴となっています。また、銀行系ビジネスローンでは限度額が1億円という非常に高額なローン商品もありますが、信用度の低い個人事業主の人は利用しにくいんです。
売掛金の回収までのつなぎ融資に使いやすい
このようにノンバンク系ビジネスローンは、少額の資金をスピーディーに融資してもらえるため、売掛金回収までの「つなぎ融資」としても便利に利用できるでしょう。個人事業主の人が資金不足に悩んでしまったら、ノンバンク系のビジネスローンへの申し込みを検討するようにしてみてくださいね。
個人事業主が銀行のビジネスローンの審査に落ちる3つの理由
もちろん個人事業主であっても、銀行融資を受けることは可能です。しかし、ノンバンク系ビジネスローンと比較すると、審査難易度はかなり高いと言えるでしょう。個人事業主が銀行融資を受けにくい理由をまとめてみました。
- 個人事業主は社会的信用度が低い
- 収入が不安定な場合が多い
- 事業内容が不透明であることが多い
個人事業主は社会的信用度が低い
個人事業主は、法人の事業主と比較すると、社会的信用度が低い傾向にあります。個人事業主でもしっかりと安定した経営をしている人も多いのですが、法人化している事業と比較すると、やはり世間からの信頼度、信用度は低く見られがちですよね。このため、社会的な信用度が低いという理由から、銀行からの融資は受けにくい傾向があります。
ただし、個人事業主の人が事業内容をしっかりと説明できて、融資されたお金の使い道やこれからの事業の展望など、事業計画書などでしっかりと説明できれば、銀行の融資でも受けられる可能性はあります。
収入が不安定な場合が多い
個人で事業を営んでいる人の中には、収入が不安定という人もいるでしょう。ビジネスローンで借りたお金は、毎月返済が必要となるため、安定した収入が必須となります。このため、収入が不安定な個人事業主の場合、ビジネスローンの審査に通過しにくいという状況になる場合もあります。
事業内容が不透明であることが多い
例えば法人の場合は、法人登記を行って自分の会社の概要を公開し、公的に認めてもらう必要があります。また、登記のためには法務局で法人手続き、登記手続きが必須なんですよね。法人として認められれば、法務局から会社謄本の登記事項証明書を発行可能となります。この登記事項証明書には会社の住所や役員名、事業内容など、会社の情報が細かく記載されています。このように、法人である場合は、会社設立が公的に認められているという書類を取得でき、事業内容も公的に証明できるんですよね。
しかし、個人事業主は公的に事業内容を証明する書類はなく、個人で証明するしかないんです。このように個人事業主は法人と比べると事業内容が不透明なので、銀行融資の審査に通りにくいんですよね。このため、個人事業主の人は審査基準が緩やかなノンバンク系のビジネスローンがおすすめなんです。
ビジネスローン申し込み時に注意すべき4つのポイント
個人事業主が実際にビジネスローンを利用する際に気をつけておくポイントを解説していきます。いくつか注意しておくポイントを解説していくので、これからビジネスローンの利用を考えている人は、それぞれの項目について確認しておきましょう。
- 個人事業主本人の信用情報
- 個人事業主本人の基本的なステータス
- 運営している事業が安定した収益を上げているか
- 事業の創業からの年数にも注意
個人事業主本人の信用情報
個人事業主がビジネスローンへ申し込む際には、申し込み者本人である事業主の信用情報に注意しておきましょう。この信用情報には、クレジットカードやカードローン、マイカーローン、住宅ローンなどのローン商品についての利用履歴が記載されています。
もしローンの返済に遅れてしまったら、信用情報には「滞納」の履歴がついてしまうんです。滞納履歴は信用情報ではネガティブな履歴として扱われるため、このような履歴があるとビジネスローンの審査で不利となります。
もちろん、過去に債務整理を行なったような人や、信用情報ブラックとして扱われる3ヶ月以上の滞納などをしている人は、いくら事業の業績が良くてもビジネスローンの審査には通過できないでしょう。
個人事業主本人の基本的なステータス
また、ビジネスローンへの申し込み時には、個人事業主本人の基本的なステータスも影響します。審査時にチェックされる申し込み者本人のステータスとは、先ほどの信用情報の他に「申し込み者の年齢」「住居のタイプ」「不動産の有無」なども併せて審査されます。
申し込み者の年齢とは、あまりにも若すぎる場合や高齢の場合は審査に不利となり、一般的には30代〜50代の人が審査に有利な傾向があると言えます。また、住所のタイプは、持ち家である場合がステータスが高く、家賃が下がっていくほどステータスが弱まる傾向があります。
運営している事業が安定した収益を上げているか
個人事業主の人は、しっかりと安定した収益を上げられているかも重要な審査の対象となります。ビジネスローンを利用しようとする個人事業主の人は、事業資金が枯渇してしまったためローンを検討している、という人がほとんどでしょう。
このため、収益が安定せず赤字経営となってしまっている事業主の人もいるかもしれません。
ビジネスローンで借りたお金は返済が必須なので、収益を上げられていない個人事業主の人には審査通過が難しいでしょう。しかし、何らかの理由があり、一時的に赤字を出している(=黒字化の見込みがある)という状況を証明できれば、審査通過できる可能性も高まるはずです。
個人事業主が使いやすいノンバンク系のビジネスローンには、融資を受けるための事業計画書が必要となる場合があるため、前もって準備しておくのもおすすめです。
事業の創業からの年数にも注意
個人事業主がビジネスローンを利用する際には、創業からの年数にも注意しておく必要があります。創業から間もない事業の場合、確定申告などによる事業の利益を確認できないため、収益を証明できるように創業から1年以上の年数が必須となるでしょう。
また、これから開業しようと考えている人が、開業資金としての融資を希望するときは、ここで説明しているビジネスローンはうまく活用できない可能性があります。開業資金の融資を検討している人は、日本政策金融公庫などの公的融資を検討するようにしてくださいね。
個人事業主でビジネスローン融資を受けられなかった時の対処法
もし、個人事業主がビジネスローンの審査に通過できず融資を受けれなかった場合、どうすれば良いのでしょうか。ビジネスローンに通過できなかった場合のヒントを紹介します。
個人事業主の人はカードローン契約を検討してみる
個人事業主の人でビジネスローンに通過できなかったという人は、一般向けのカードローンへの申し込みを検討してみるのも良いかもしれません。ただし、通常のカードローンで借りたお金は何にでも使ってOKなんですが、「事業用資金としては使えない」点には注意なんです。
生活費のお金は全て事業資金に使う
ではなぜ、個人事業主の人へカードローンをおすすめするのか、理由を解説していきます。個人事業主の人は、事業の運転資金と生活の資金とが一緒になっている場合もあるでしょう。そこで、生活費に置いてあるお金を全て事業資金として使いましょう。
足りなくなった生活費は、一般向けのカードローンを利用してキャッシングするんです。このようにカードローンを利用すれば、生活費にキャッシングを利用するため、「事業用資金として使えない」という利用規約に違反することもありません。
どうしてもビジネスローンを使えない時はカードローンへの申し込みを検討しよう
このように、どうしてもビジネスローンの審査に通過できなくてお金に困っている、という人は、生活費を事業資金として使い、足りなくなった生活費をカードローンでキャッシングするようにしてみましょう。
また、消費者金融のカードローンなどであれば、金利は高いですが比較的簡単に審査に通過できるはずですよ。
個人事業主のビジネスローン審査まとめ
この記事では、個人事業主が使えるビジネスローンについて詳しく解説を進めてきました。個人事業主が銀行融資を利用するのは、なかなかハードルが高いのですが、ノンバンク系のビジネスローンは比較的審査基準が緩やかなので利用しやすいんですよね。
また、申し込み〜融資までとてもスピーディーなため、急に運転資金が不足してしまった時など、便利に活用できるはずです。ビジネスローンへ申し込む時に注意しておきたいポイントも併せて解説してきたので、融資を検討している個人事業主の人は、ぜひこの記事を参考にしながら、ビジネスローンを成功させてみてくださいね。