ビジネスローンとカードローンの違いとは?
ビジネスローンとカードローン、どちらもお金を借りるサービスなのは知っているけど、サービス内容にどのような違いがあるのかよく分からない、という人もいるでしょう。そこでこの記事では、ビジネスローンとカードローンの違いについて、詳しく解説を進めていきます。
目次
ビジネスローンとカードローンの違い
ビジネスローンとカードローンの違いについて確認していきましょう。これら2つのサービスは、下記の項目に違いがあります。
ビジネスローンとカードローンの主な相違点
- 借りたお金の利用目的が違う
- 審査内容が違う
- 金利が違う
- 限度額が違う
借りたお金の利用目的が違う
そもそもビジネスローンとカードローンでは、資金使途と呼ばれている「借りたお金の使い道」が異なります。ビジネスローンはその名称の通り「ビジネス」に利用するためのローンです。つまり、ビジネスローンで借りたお金は事業の用途にしか利用できないのです。例えば「事務所の家賃や光熱費」「取引先に支払う代金」「従業員の給与」など、これらは全て事業性資金となるため、ビジネスローンで借りたお金を充てられます。
一方でカードローンの資金使途は「事業性資金以外」となっています。カードローンは生活などに関するお金に充てられるため、「自宅の家賃や光熱費」「食費」「ショッピング」など、プライベートな出費に使えます。このように、「ビジネスローン=事業者が利用」、「カードローン=一般消費者が利用」というようにサービスが区別されています。
審査内容が違う
また、ビジネスローンとカードローンとでは、審査内容が異なります。ビジネスローンでは、申込者(=事業者)本人の基本的なステータスや信用情報の他、事業内容や業績などもしっかりと審査されるんですよね。このため、事業の業績があまり良くなくて赤字経営となっているような状況の場合は、ビジネスローンの審査に落とされてしまう可能性が高いでしょう。
一方、カードローンでは申込者本人の基本的なステータスと信用情報が審査の対象となります。このため、年収が明らかに低かったり、アルバイトやパートという非正規雇用というような人は、審査に不利となってしまう傾向があります。
金利が違う
それぞれの利用先金融業者、サービスにより異なりますが、ビジネスローンの金利は、銀行が提供する銀行系ビジネスローンであれば金利5%〜10%前後、ノンバンク系ビジネスローンであれば金利10%〜15%前後となっています。
一般消費者向けのカードローンの場合は、銀行カードローンでは金利13%〜15%前後、消費者金融カードローンでは18%前後です。このように、実は事業者向けのビジネスローンと一般消費者向けのカードローンはよく似た金融サービスなので、そこまで金利に大きな違いはないんです。
限度額が違う
ビジネスローンとカードローンとでは、限度額に差があります。ビジネスローンは運転資金や設備投資など、高額なお金を借りる場合もあるため億単位で借りられる可能性があります。通常のカードローンは一般消費者が利用するため、最大でも1000万円程度の限度額となっている場合がほとんどです。
また、カードローンで注意しておきたいのは、消費者金融などの貸金業者のカードローンに適用される「総量規制」という借り入れ限度額に関する法律です。この総量規制とは、貸金業者は利用者の年収の3分の1を超える金額を貸付けできないと定められているんです。このため、消費者金融などのカードローンを利用する時にはご自身の年収、希望限度額に注意しておきましょう。
ビジネスローンとカードローンは最短即日融資可能!
ただし、ビジネスローンもカードローン、どちらも融資までのスピードが早く、最短では即日融資が可能な場合もあります。資金が不足している時に素早く対応してもらえるのはとても心強いですよね。
ビジネスローンとカードローン、申し込み方法に違いはある?
事業者が利用するビジネスローンと一般消費者が利用するカードローンには、資金使途や審査、金利や限度額などに違いがありましたが、申し込み方法に大きな違いはあるのでしょうか。
ビジネスローンもカードローンも申し込み方法はほぼ同じ
ビジネスローンやカードローンへの申し込み方法ですが、実はそこまで大きな違いはありません。金融業者によって手続き方法は異なりますが、おおよその流れを確認してみましょう。
- インターネットからそれぞれのローンへ申し込む
- 審査が行われる
- 審査に通過すれば必要書類を提出する
- 書類に問題がなければ本契約を行う
- 融資が行われる
①インターネットからそれぞれのローンへ申し込む
ほとんどのビジネスローンやカードローンは、それぞれの公式サイトに申し込みページが用意されています。この申し込みページから簡単に申し込み手続きできるんですよね。また、普段からお使いのパソコンやスマホから申し込みOKなので、スムーズに申し込みが完了するでしょう。
②審査が行われる
申し込んだ後、ローンを提供する金融業者側で審査がはじまります。ほとんどの金融業者では申込者が入力した項目を元に、コンピューターによる自動審査(=コンピュータースコアリング)が行われるため、スピーディーに審査結果が分かります。ビジネスローンであれば、業績などの項目を過去の顧客データと照らし合わした上で、「融資を行っても返済の見込みがあるのか」を判断されるんです。
コンピュータースコアリングによる審査は、審査の精度が高いため、ほとんどのローン審査で導入されているシステムなんです。このコンピュータースコアリングに通過するかどうかが、融資を受けられるかどうかの大きな基準となるんですよね。
③審査に通過すれば必要書類を提出する
無事に審査に通過すれば、必要書類を提出します。ビジネスローンとカードローンでは少し提出書類が異なります。また、ビジネスローンでも法人と個人事業主とでは必要な書類も異なっています。
ローンの種類 | ビジネスローン | ビジネスローン | カードローン |
---|---|---|---|
申込者 | 法人の経営者 | 個人事業主 | 一般消費者 |
提出が必要な書類 | 本人確認書類 決算書(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書など) 登記事項証明書 |
本人確認書類 確定申告書(収益を証明できる公的な書類) |
本人確認書類 限度額により収入証明が必要な場合も |
このように、それぞれのローンでは微妙に提出する書類が異なります。また、スムーズに手続きを行うために、前もって必要な書類を用意しておくようにしてくださいね。
④書類に問題がなければ本契約を行う
提出した書類に問題がなければ、ローンを提供する金融業者と本契約を行います。窓口契約が必要なローンもありますが、ほとんどの場合はインターネット上で契約手続き可能です。
⑤融資が行われる
本契約が完了すれば、融資が行われます。ビジネスローン、カードローン、利用先の金融業者にもよりますが、どちらも最短で即日融資してもらえるサービスもあります。また、即日融資は、基本的に銀行振り込みとなるため、融資を急いでいるという人は、平日の午前中には申し込みを完了させておくようにしてくださいね。
ビジネスローン、カードローン、どちらも信用情報には注意しておく
また、これらのローン審査ですが、ビジネスローン、カードローン、どちらのローンの審査でも信用情報は影響してきます。信用情報とは、過去のローンやクレジットカードなどの分割払いの金融商品の利用履歴なんです。過去の支払い、返済時に延滞や未納の履歴などがあれば審査に不利となるため、現在ローンやクレジットカードを利用中の人は、信用情報に傷を付けないように、しっかりと返済を行なってくださいね。
ビジネスローンとカードローンへの申し込み方法はあまり違いがない
このように、ビジネスローンとカードローンへの申し込み方法は、どちらもあまり違いがありません。ただし、提出書類だけは異なるので注意しておいてくださいね。
個人事業主がビジネスローンとカードローンをうまく使い分けるために
もしあなたが個人事業主の場合、事業の資金と生活資金を明確に分けていなくて、ビジネスローンとカードローン、どちらのローンを利用すれば良いのか悩んでしまう人もいるかもしれません。この項目では、個人事業主がどのような状況の時に、どちらのローンを選ぶべきなのか、解説していきましょう。
- 事業拡大などで長期的な計画を立てている場合
- ほんの少しだけ事業資金が足りない場合
- 開業1年以内の個人事業主の場合
事業拡大などで長期的な計画を立てている場合
「今手元に資金はないが、しっかりと目標を立ててじっくりと事業拡大していきたい」という人は、もちろん事業資金に使えるビジネスローンを利用すべきです。また、ビジネスローンの返済方法には、返済期日の最終日に一括返済するビジネスローン特有の「元本一括返済」という方法や、毎月一定額の返済を続けていく「元利均等返済」という返済方法などが用意されています。このため、しっかりと事業計画を立てている人は、ビジネスローンのこれらの返済方法をうまく活用できるため、事業の黒字化や事業拡大を目指しやすいでしょう。
ほんの少しだけ事業資金が足りない場合
「ほんの少しだけ事業資金が足りない…」という場合は、事業資金に使えるビジネスローンを利用するのも良いですが、確定申告書の用意が面倒だったりするんですよね。このため、少し運転資金が足りない場合は、うまくカードローンを利用する方法もおすすめです。
通常カードローンは事業資金には使えませんが、生活費を事業資金として回し、足りなくなった生活費をカードローンで借りる方法なら利用可能なんです。また、消費者金融カードローンであれば、「30日間無利息」などのサービスがあるため、短期間だけお金を借りたいという個人事業主の人は、ぜひこの方法も検討してみてくださいね。
開業1年以内の個人事業主の場合
まだ開業して1年未満という個人事業主の人は、原則ビジネスローンを利用できないでしょう。これは、丸1年間の確定申告をしておらず、公的に年間の収入(=収益)を証明する書類がないためです。ビジネスローンを利用する場合は、最低でも開業から1年以上の期間が必須なので気をつけておきましょう。
この場合、先ほど解説したようにカードローンでうまく乗り切るか、少額の事業資金であれば両親などの親族に頼んでみるのも良いかもしれませんね。
事業資金の調達にはビジネスローン以外も検討してみる
この記事では、事業者が利用するビジネスローンと、一般消費者が利用するカードローンの違いについて詳しく解説してきました。どちらもスピーディーな融資を受けられる金融商品ですか、ビジネスローンでは「事業資金だけ使える」、カードローンでは「事業資金以外に使える」というように、資金使途に違いがありました。
また、ビジネスローンとカードローンへの申し込み方法は、どちらも同じような手続きの流れとなりますが、提出書類だけが異なる点には注意しておきましょう。
事業資金はビジネスローン以外にもさまざまな種類がある
また、事業者が資金調達するには、審査基準が緩やかで融資までスピーディーなビジネスローンが使いやすいのですが、取引先の売掛金未回収時に利用できる「ファクタリング」や、日本政策金融公庫などが提供している「公的な融資」などの方法もあります。
小口の融資だけを希望する場合は、この記事で紹介しているビジネスローンを十分に活用できますが、取引先の経営が傾いていたり、高額な融資を希望する場合などは、ビジネスローン以外の資金調達方法がベストな場合もあるでしょう。
個人事業主はカードローンもうまく活用する
また、事業規模の小さい個人事業主であれば、生活費に利用する一般向けのカードローンもうまく活用できるはずです。ローンにはさまざまな種類があるため、ぜひこの記事を参考にしながら、あなたが使いやすいと思うローンへの申し込みを検討してみてくださいね。