通貨のスワップポイントが高いFX業者7社を比較!稼ぐコツや決済せずに出金する方法も紹介
この記事の目次
FXのスワップポイントとは、金利の高い通貨を買って金利の低い通貨を売ることで得られる金利差調整額のことで、ポジションを保有したまま日付が変わると毎日付与されます。
スワップポイントはFX会社によって異なりますが、一般的には高金利通貨ペアの方がスワップポイントが高くなります。しかし、高金利通貨ペアは為替変動リスクも高いので、注意が必要です。
本記事では、通貨のスワップポイントが高いFX業者7社の比較、スワップポイントのメリット・デメリット、運用する場合の注意点などを紹介します。スワップポイント狙いのFX投資に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
スワップポイントが高いFX業者7選!決済せずに出金可能
まずは、各通貨ペアごとにスワップポイントが高いFX業者を紹介します。なお、スワップポイントは日々変動するものなので、複数のFX業者を併用することをおすすめします。本記事中で紹介しているFX業者の多くは、ポジションの決済をせずにスワップポイントのみ受け取ることができる場合がほとんどです。
- みんなのFX(トレイダーズ証券)
- 外貨ex(GMO外貨)
- FXネオ(GMOクリック証券)
- DMM FX(DMM.com証券)
- FXブロードネット
- 外貨ネクストネオ(外為どっとコム)
- SBI FXトレード
以下の表は、2023年7月4日時点での1万通貨あたり(南アフリカランド円とメキシコペソ円は10万通貨あたり)の1日分の買いスワップポイントを掲載しています。高金利通貨として一定の人気があるトルコリラ円については、損をする可能性が非常に高いため除外しています。
各社の公式サイトを元に作成していますが、スワップポイントは日々変動することに注意してください。※表記のスワップポイントは、2023年7月4日時点の値です。
FX業者 | USD/JPY 米ドル円 (1万通貨単位) |
AUD/JPY 豪ドル円 (1万通貨単位) |
NZD/JPY NZドル円 (1万通貨単位) |
ZAR/JPY 南アランド円 (10万通貨単位) |
MXN/JPY メキシコペソ円 (10万通貨単位) |
---|---|---|---|---|---|
みんなのFX (トレイダーズ証券) |
210 | 135 | 130 | 171 | 261 |
外貨ex (GMO外貨) |
216 | 130 | 137 | 170 | 270 |
外貨ネクストネオ (外為どっとコム) |
215 | 110 | 130 | 160 | 260 |
DMM FX (DMM.com証券) |
211 | 116 | 136 | 160 | 260 |
FXネオ (GMOクリック証券) |
214 | 113 | 135 | 160 | 260 |
FXブロードネット | 215 | 130 | 136 | 160 | – |
SBI FXトレード | 212 | 110 | 125 | 150 | 250 |
トライオートFX (インヴァスト証券) |
210 | 110 | 125 | 140 | – |
OANDA FX (OANDA証券) |
207 | 105 | 136 | 130 | 80 |
マネックス証券 | 197 | 79 | 126 | 160 | 250 |
外為オンライン | 185 | 65 | 100 | 50 | – |
LION FX ヒロセ通商) | 165 | 114 | 138 | 180 | 270 |
マネーパートナーズ | 111 | 50 | 68 | 80 | 170 |
上記のスワップポイントは、2023年7月4日時点の値です。
FX取引でスワップポイント目的の運用を考えているなら、どのFX業者を選ぶかが重要です。スワップポイントは、FX業者や通貨ペアによって異なるため、スワップポイントが高いFX業者を利用すれば、より多くの金利差調整額を得ることができます。
しかし、スワップポイントだけで選ぶのでははなく、他の要素にも考慮する必要があります。例えば、サービスの安定性やサポート体制、取引ツールの機能面などです。自分の取引スタイルや目的に合っており、総合的に評価が高いFX業者を選ぶことが大切です。
みんなのFX(トレイダーズ証券)
当サイトのオススメ度
★★★★★
主なサービス特徴
- 1,000通貨単位から取引可能で、初心者でも手軽に始められる
- スプレッドが業界最狭水準で、取引コストを抑えられる
- スワップポイントが高く、長期保有でも利益が出やすい
- 34通貨ペアを取り扱い、高金利通貨や人民元なども選べる
- 自動売買サービス「みんなのシストレ」はSNS感覚でトレードできる
- 有料級の高機能チャート「トレーディングビュー」が無料で使える
スワップポイントのみ出金
○ 可能
スワップポイントが付与されたポジションを決済せずにスワップポイントのみ受取ることは可能です。
ポジション照会から「スワップ受取」をクリックすると、受取りしたスワップポイントは、FX口座の口座残高へ反映されます。
また、受取ったスワップポイントは、FX口座から入出金口座へ資金振替後、出金予約を行っていただくことにより、ご登録されているお客様の金融機関口座へ出金することが可能です。出典元:よくあるご質問・スワップポイントについて|みんなのFX
スワップポイント(買)
ドル/円= 210円
ユーロ/円= 175円
ポンド/円= 280円
豪ドル/円= 135円
NZドル/円= 130円
※2023年7月4日時点
通貨ペア数
34通貨ペア
入出金手数料
即時入金/出金手数料ともに無料
メリット
- 業界最狭水準のスプレッド
- スワップポイントの水準が全体的に高い
- 誰でも簡単にシステムトレードが利用可能
- コールセンターで24時間サポート対応
デメリット
- 早朝にスプレッドが大きくなりやすい
公式サイト:https://www.minnano-fx.com/
外貨ex(GMO外貨)
当サイトのオススメ度
★★★★★
主なサービス特徴
- 1,000通貨単位から取引可能で、初心者にも手軽に始められる
- スプレッドが業界最狭水準で、取引コストを抑えられる
- スワップポイントが高く、長期保有でも利益が出やすい
- 24通貨ペアを取り扱い、高金利通貨や人民元なども選べる
- 外貨両替サービス「現受・現渡」で銀行や空港よりもお得に両替できる
- バイナリーオプション「オプトレ!」で短期的なトレードができる
スワップポイントのみ出金
○ 可能
はい、できます。
外貨exではポジションを決済しなくても、ニューヨーククローズをまたぐ度に、スワップポイントを直接資産へ反映しています。
資産に反映されたスワップポイントにつきましては、出金依頼を行っていただくことにより、ご登録されている出金口座に出金することが可能です。未決済ポジションのスワップポイントを出金することはできますか。 | GMO外貨
スワップポイント(買)
ドル/円= 216円
ユーロ/円= 158円
ポンド/円= 275円
豪ドル/円= 130円
NZドル/円= 137円
※2023年7月4日時点
通貨ペア数
24通貨ペア
入出金手数料
クイック入金無料!
メリット
- 業界最狭水準のスプレッド
- 取引ツールが使いやすい
- 1,000通貨から取引可能
- 外貨両替サービスがある
デメリット
- 自動売買取引ができない
公式サイト:https://www.gaikaex.net/
FXネオ(GMOクリック証券)
当サイトのオススメ度
★★★★★
主なサービス特徴
- 1,000通貨単位から取引可能で、少額から始められる
- スプレッドが業界最狭水準で、取引コストを抑えられる
- スワップポイントが高く、長期保有でも利益が出やすい
- GMOクリック証券では株式やCFDなどの商品も取引できる
- PC用とスマホ用の高機能な取引ツールを提供している
- くりっく365も口座開設可能で、取引手数料が無料
スワップポイントのみ出金
○ 可能
可能です。
建玉を保持し、ニューヨーククローズを迎えると、スワップポイントが余力に反映いたします。
現金として授受できるのは反映処理の終了後(ニューヨーククローズ後1時間程度)となります。FXネオ取引において、建玉を決済しないまま累積したスワップポイントを出金することは可能ですか? | GMOクリック証券
スワップポイント(買)
ドル/円= 214円
ユーロ/円= 159円
ポンド/円= 262円
豪ドル/円= 113円
NZドル/円= 135円
※2023年7月4日時点
通貨ペア数
20通貨ペア
入出金手数料
即時入金/出金手数料ともに無料
メリット
- スプレッドが狭い
- 主要通貨のスワップポイントが比較的高い
- 取引ツールが初心者でも使いやすい
- 安心できる体制の電話サポートがある
- 他の金融商品へも投資可能
デメリット
- 自動ロスカット時に手数料が発生する
公式サイト:https://www.click-sec.com/fxneo/
DMM FX(DMM.com証券)
当サイトのオススメ度
★★★★☆
主なサービス特徴
- 10,000通貨単位から取引可能で、大きな利益を狙える
- スプレッドが業界最狭水準で、取引コストを抑えられる
- 取引応援ポイントが貯まり、証拠金に交換できる
- 相場急変時でもサービスが安定していて取引しやすい
- PC用とスマホ用の使いやすく高機能な取引ツールを提供している
スワップポイントのみ出金
○ 可能
取引ツールのポジション照会から「スワップ振替」を行うと、ポジションを決済することなくスワップポイントのみ受け取ることが可能です。
ポジションを決済せずにスワップポイントだけを受け取ることができますか? – よくあるご質問 – DMM FX
スワップポイント(買)
ドル/円= 211円
ユーロ/円= 162円
ポンド/円= 267円
豪ドル/円= 116円
NZドル/円= 136円
※2023年7月4日時点
通貨ペア数
21通貨ペア
入出金手数料
即時入金/出金手数料ともに無料
メリット
- スプレッドが業界最狭水準で、取引コストが低い
- 24時間の電話サポートやLINEでの問い合わせが可能で、初心者にも親切
- 使いやすい取引ツールが充実しており、スマホやパソコンで快適にトレードできる
- 豊富なマーケット情報や充実した教育コンテンツが提供されている
デメリット
- 最低取引単位が1万通貨なので、少額で取引したい場合は不向き
公式サイト:https://fx.dmm.com/
FXブロードネット
当サイトのオススメ度
★★★★☆
主なサービス特徴
- 1,000通貨単位から取引可能で、少額から始められる
- スプレッドが狭く、取引コストを抑えられる
- 独自のシステムトレードサービスが充実している
- 取引ツールやアプリが多彩で使いやすい
- くりっく365も口座開設可能で、取引手数料が無料
スワップポイントのみ出金
○ 可能
くりっく365取引ではポジションを決済し、受渡日を迎えたスワップポイントのみ、ご出金の登録ができます。
くりっく365取引では原則的に取引を行った2営業日後が受渡日となり、口座資産に反映され、ご出金の登録が可能となります。入出金関連|くりっく365よくあるご質問|FXブロードネット
スワップポイント(買)
ドル/円= 215円
ユーロ/円=165円
ポンド/円= 270円
豪ドル/円= 130円
NZドル/円= 136円
※2023年7月4日時点
通貨ペア数
24通貨ペア
入出金手数料
入出金ともに無料
メリット
- 自動売買「トラッキングトレード」が使える
- 少額から取引できる
- 主要通貨ペアのスプレッドが狭い
デメリット
- 情報配信コンテンツが充実していない
公式サイト:https://www.fxbr.net/
外貨ネクストネオ(外為どっとコム)
当サイトのオススメ度
★★★★☆
主なサービス特徴
- 30種類の通貨ペアが取引可能で、マイナーな通貨も豊富
- スプレッドが狭く、取引手数料が無料
- FXに関する情報が充実しており、初心者から上級者まで役立つ
- ぴたんこテクニカルという独自のチャート分析ツールが便利
- 初心者~中上級者まで、スキルに合わせたセミナーを開催
スワップポイントのみ出金
○ 可能
FX取引のメリットであるスワップポイント(金利差調整分)を、保有したポジションを決済することなく、スワップポイントの合計が3,000円以上であれば、即時にFX口座内に振り替えることができる機能です。
※指定されている出金先金融機関へ直接振り込まれるわけではありませんので、ご注意ください。スワップ振替の特長|はじめてのFXなら外為どっとコム
スワップポイント(買)
ドル/円= 215円
ユーロ/円= 175円
ポンド/円= 280円
豪ドル/円= 110円
NZドル/円= 130円
※2023年7月4日時点
通貨ペア数
30通貨ペア
入出金手数料
クイック入金は手数料無料
メリット
- ニュース・アナリストレポート・動画など情報力の強さが魅力
- スプレッド(手数料)も業界最狭水準でお得
- 初心者のためのFXオンラインセミナー・米雇用統計ライブセミナー
- 老舗のFX会社ならではの安心感と安定性
デメリット
- 自動売買システムなどは提供されていない
公式サイト:https://www.gaitame.com/nextneo/
SBI FXトレード
当サイトのオススメ度
★★★★☆
主なサービス特徴
- 1通貨から取引が可能で、初心者でも気軽にFXを始められる
- スプレッドが狭く、取引手数料が無料
- SBIグループのFX会社であり、信頼性や安定性が高い
- スマホアプリが使いやすく、スピーディーな取引ができる
- スプレッド縮小など豊富なキャンペーンが定期開催中
スワップポイントのみ出金
○ 可能
日々付与されるスワップポイントを貯めるだけではなく、獲得したスワップポイントを原資として、外貨購入に「再投資」することが可能です。また、「分配」を選択することで獲得したスワップポイントのみお客さまの口座に自動出金することも可能です。
貯まったスワップポイントも活用できる | SBI FXトレード
スワップポイント(買)
ドル/円= 212円
ユーロ/円= 160円
ポンド/円= 262円
豪ドル/円= 110円
NZドル/円= 125円
※2023年7月4日時点
通貨ペア数
34通貨
入出金手数料
無料
メリット
- 1取引通貨単位から取引可能
- 自動購入でコツコツ積立が可能
- 通貨ペアが豊富
- スプレッド・スワップポイントに優れている
- 約定力が比較的高い(安定している)
デメリット
- スプレッドが取引量によって拡大する
公式サイト:https://www.sbifxtrade.co.jp/
以上が、各通貨のスワップポイントが高いFX業者7社です。各社の特徴やメリット・デメリットを参考にして、自分に合ったFX業者を選んでみてください。続いて、FX取引のスワップポイントについて詳しく解説します。
FX取引のスワップポイントとは
2ヵ国の通貨間の金利差調整分
FX取引におけるスワップポイントとは、2国間の通貨の金利差によって発生する利益または損失のことで、「金利差調整分」とも呼ばれます。
スワップポイントはFXだからこそ期待できる利益で、銀行などで外貨預金を行うよりも手数料やポジション保有のタイミングなどの面で非常に有利となっています。外貨預金などと異なり、スワップポイントのみの出金を行えるFX業者が多いのも利点です。
日本円と米ドルの取引例
例えば、日本円と米ドルの取引をする場合、日本円の金利は0.1%、米ドルの金利は2.5%とします。このとき、米ドルを買って日本円を売る(米ドル/円の買いポジション)と、金利の高い通貨を持っていることになります。そのため、FX会社から金利差分の2.4%に相当するスワップポイントが支払われます。
逆に、日本円を買って米ドルを売る(米ドル/円の売りポジション)と、金利の低い通貨を持っていることになります。そのため、FX会社に金利差分の2.4%に相当するスワップポイントを支払わうことになります。
スワップポイントの付与タイミング
スワップポイントの付与は、ロールオーバーしたポジションに対して、午前7時(米国夏時間の場合は午前6時)を過ぎたタイミングに行われます。ただし、土曜日・日曜日・祝日は市場が休みなので、スワップポイントは発生しません。
その代わりに、水曜日に3日分(水曜日・木曜日・金曜日)のスワップポイントが一括で付与され、トリプルスワップやスワップ3倍デーなどと呼ばれています。
スワップポイントは、FX会社や通貨ペアによって異なります。また、各国の政策金利や市場状況によっても変動するものです。スワップポイントはFX会社の公式サイトや取引ツールで確認できますが、必ずしも固定されているわけではありません。そのため、スワップポイントを重視する場合は、常に最新の情報をチェックすることが大切です。
FX取引でスワップポイントを狙うメリット
FXでスワップポイントを狙うメリットは、以下の通りです。
- 為替変動に左右されずに安定的な収入が得られる
- 長期的な投資視点で取引できる
- レバレッジをかけずに運用できる
- 他の投資商品よりも高い利回りが期待できる
為替変動に左右されずに安定的な収入が得られる
FXの運用でスワップポイントを狙う場合、為替レートの上下に関係なく、毎日一定額のスワップポイントが付与されます。
もちろん、為替レートが不利な方向に動けば損失が発生しますが、それでもスワップポイント分だけは確実に利益として得られます。そのため、運用する際のレバレッジが低ければ低いほど、為替変動に左右されずに安定的な収入が得られるというメリットがあります。
長期的な投資視点で取引できる
スワップポイント狙いの運用を行おうとした場合、長期間ポジションを保有することでスワップポイントが複利で積み上がっていきます。そのため、短期的な値動きに一喜一憂する必要がなく、長期的な投資視点で取引できます。
常にレートを確認する必要性もないので、精神的にも安心できるというメリットがあります。
レバレッジをかけずに運用できる
FXでは、証拠金の何倍もの取引ができるレバレッジという仕組みがあります。レバレッジをかければ、少ない資金で大きな利益を狙えますが、同時に大きな損失も発生するリスクがあります。しかし、FXでスワップポイントを狙う場合、レバレッジをかけずに運用することでも安定的に金利差を享受できます。
スワップポイントはポジションの数量に比例して付与されるので、資金額が多ければレバレッジをかけなくても十分な収入が得られます。そのため、リスクを抑えて運用できるというメリットがあります。
他の投資商品よりも高い利回りが期待できる
FX取引でスワップポイントを狙う運用を長期間で行った場合、他の投資商品よりも高い利回りが期待できます。
例えば、米ドル円の買いポジションを1万通貨保有した場合、1日あたりのスワップポイントは約200円です。これを1年間保有した場合、スワップポイントだけで約7万円の収入が得られます。仮に証拠金10万円で計算した場合、年利70%に相当します。
年利70%は、株式や債券などの他の投資商品ではなかなか得られない高い利回りです。もちろん、為替変動による損益は別途発生しますが、それでもスワップポイントだけでも十分に魅力的な収入源と言えます。
以上が、スワップポイント狙いでFXを長期運用する主なメリットです。最大の利点としては、レバレッジ1~3倍など自分の任意で運用が可能なため、何も考えず銀行で外貨預金を行うよりも損をしにくいことです。
FX取引でスワップポイントを狙うデメリット
FXでスワップポイントを狙うデメリットは、以下の通りです。
- 為替変動による損失がスワップポイントを上回る可能性がある
- スワップポイントは日々変動する
- スワップポイントは課税対象となる
為替変動による損失がスワップポイントを上回る可能性がある
スワップポイントを狙う運用でFXをする場合、為替レートの上下に関係なく、毎日一定額のスワップポイントが付与されます。しかし、それと同時に、為替レートの変動による損益も発生します。
もし、為替レートが不利に動いて損失が発生した場合、スワップポイントだけではその損失を補うことができません。特に、新興国の高金利通貨ペアは為替変動リスクも高いので、運用時のレバレッジに注意が必要です。
トルコリラ円はスワップポイントよりも通貨価値の下落が速い
例えば、トルコリラ円の買いポジションを1万通貨保有した場合、1日あたりのスワップポイントは約25~30円前後(2023年7月11日時点)です。しかし、トルコリラ円のレートが1円でも下落すれば、1万円の損失が発生します。
1万円の損失は、トルコリラ円のスワップポイントで得られる収入の約300~400倍(300~400日分)に相当します。そのため、FXでスワップポイントを狙う場合は、為替変動による損失がスワップポイントを上回る可能性があるというデメリットを理解しておく必要があります。
トルコリラ関連通貨を取引するのは全資金を失うリスクが高すぎるので、南アフリカランド円やメキシコペソ円を選ぶようにしましょう。
スワップポイントは日々変動する
スワップポイント狙いで長期運用を行いたい場合、スワップポイントは固定されているわけではありません。スワップポイントは、各国の政策金利や市場状況によって日々変動します。
例えば、米国連邦準備制度理事会(FRB)が金利を引き上げた場合、米ドルの金利が上昇し、米ドル円の買いスワップポイントも上昇します。逆に、金利を引き下げた場合、米ドルの金利が下降し、米ドル円の買いスワップポイントも下降します。
通貨間によっては、金利差が逆転してしまいスワップポイントがマイナスになることもあります。決済するタイミングは非常に難しいですが、キャピタルゲインにも大きくプラスが出ている状況下では、超長期チャートから判断してクローズすることも時には必要です。
また、市場の要因などによっても変動するため、FXでスワップポイントを狙う場合は、日々変動するというデメリットを理解しておく必要があります。
スワップポイントは課税対象となる
FXの運用でスワップポイントを狙う場合、スワップポイントは課税対象(申告分離課税)となります。そのため、FXでスワップポイントを狙う場合は、スワップポイントは課税対象となるということを理解しておく必要があります。
また、スワップポイントの収入は、為替変動による損益と合算して確定申告します。スワップポイントのみの出金をできるFX業者で出金した場合、出金スワップポイント分も確定益となり、申告分離課税の対象として申告する必要があります。
通貨のスワップポイントで稼ぐコツ
FX取引をする上で、スワップポイント狙いで稼ぐコツは以下の通りです。
- 長期運用してスワップポイントを得る
- 高金利通貨を狙う
- レバレッジをかけ過ぎない
- 高スワップのFX会社を使う
長期運用してスワップポイントを得る
スワップポイントは、ポジションを保有したまま日付が変わると毎日付与されます。そのため、長期間ポジションを保有すればするほど、スワップポイントが複利で積み上がっていきます。
例えば、米ドル円の買いポジションを1万通貨保有した場合、1日あたりのスワップポイントは約200円(2023年7月11日時点)です。米ドル円の買いポジションを1年間保有した場合、スワップポイントだけで約7万円の収入が得られます。証拠金10万円で計算した場合、年利70%に相当します。
もし、金利が下がらない状態で5年間保有した場合、スワップポイントだけで約35万円の収入が得られます。このように、長期運用すればするほど、スワップポイントの効果が大きくなります。
高金利通貨を狙う
高金利通貨とは、金利の高い国の通貨のことで、例えばメキシコペソや南アフリカランド、トルコリラなどが該当します。高金利通貨を買って低金利通貨を売ることで、高いスワップポイントが得られます。
例えば、メキシコペソ円の買いポジションを10万通貨保有した場合、1日あたりのスワップポイントは約280円(2023年7月11日時点、10万通貨単位)です。メキシコペソ円の買いポジションを1年間保有した場合、スワップポイントだけで約10万円の収入が得られます。
仮に25倍ギリギリの証拠金4万円で計算した場合、年利252%に相当します。ただし、レバレッジ3~5倍程度までが現実的なので、年利目安としては30~50%前後になるでしょう。このように、高金利通貨を狙えば、高いスワップポイントが得られます。
レバレッジをかけ過ぎない
レバレッジとは、証拠金の何倍もの取引ができる仕組みのことで、レバレッジをかければ少ない資金でより大きな取引ができます。しかし、レバレッジをかければかけるほど、リスクも大きくなります。
もし、為替レートが不利に動いて、証拠金以上の損失が発生した場合、追加証拠金の支払いや強制決済のリスクがあります。そのため、FXのスワップポイント運用で稼ぐ場合は、レバレッジをかけ過ぎないことが大切です。
高すぎるレバレッジをかけなくても、スワップポイントはポジションの数量に比例して付与されるので、資金を貯めてから実践することで安定的に十分な収入が得られます。
また、レバレッジをかけなければ、為替変動による損失も小さく抑えられます。そのため、FXでスワップポイントで稼ぐ場合は、レバレッジをかけ過ぎないことが最大のコツです。
高スワップのFX会社を使う
高スワップのFX会社とは、他社よりも高いスワップポイントを提供するFX会社のことで、みんなのFXや外貨exなどが該当します。高スワップのFX会社を使えば、同じ通貨ペアを運用した場合でも他社よりも多くのスワップポイントが得られます。
例えば、メキシコペソ円の買いポジションを10万通貨保有した場合、DMM FXでは1日あたりのスワップポイントは260円ですが、外貨exでは270円です。FX業者が違うだけで、1日あたり10円の差があります。
メキシコペソ円の買いポジションを1年間保有した場合、DMM FXでは約93,600円の収入が得られますが、外貨exでは約97,200円の収入が得られます。両者には、約4,000円近い差があります。このように、高スワップのFX会社を使えば、より多くのスワップポイントが得られます。
スワップポイント重視で運用する場合の注意点
スワップポイントを重視してFXを運用する場合の注意点は以下の通りです。
- マイナススワップは支払いになる
- スワップポイントは日々変動する
- 各国の政策金利動向に注目する
マイナススワップは支払いになる
マイナススワップとは、金利の低い通貨を買って金利の高い通貨を売ることで発生する金利差調整額のことで、ポジションを保有したまま日付が変わると毎日支払われます。
例えば、日本円を買って米ドルを売る(米ドル/円の売りポジション)と、金利の低い通貨を持っていることになります。そのため、FX会社に金利差分の%に相当するスワップポイントが支払われます。これは、収入ではなく支出になります。
FXでスワップポイント重視で運用する場合は、マイナススワップは支払いになることを注意しなければなりません。
スワップポイントは日々変動する
スワップポイントは、各国の政策金利や市場状況によって日々変動します。例えば、米国連邦準備制度理事会(FRB)が金利を引き上げた場合、米ドルの金利が上昇し、米ドル円の買いスワップポイントも上昇します。逆に、金利を引き下げた場合、米ドルの金利が下降し、米ドル円の買いスワップポイントも下降します。
また、市場の需給や流動性などによってもスワップポイントは変動します。そのため、FXでスワップポイント重視で運用する場合は、スワップポイントは日々変動することを注意しなければなりません。
各国の政策金利動向に注目する
政策金利とは、各国の中央銀行が金融政策で設定する短期金利(誘導目標金利)のことで、金融機関の預金金利や貸出金利などに影響を及ぼします。中央銀行は景気や物価の安定など、金融政策上の目的を達成するために政策金利を変更します。
政策金利が上昇すれば金利水準も上昇し、逆に下降すれば下降します。特に、高金利通貨ペアは政策金利の変動に敏感に反応するので注意が必要です。
例えば、トルコリラ円の買いポジションを保有している場合、トルコ中央銀行が政策金利を引き上げればトルコリラの金利水準も上昇し、スワップポイントも上昇します。逆に、政策金利を引き下げればトルコリラの金利水準も下降し、スワップポイントも下降します。
FXでスワップポイント重視で運用したい場合は、各国の政策金利に注目することが重要です。
FXのスワップポイントに関するよくある質問
- FX初心者におすすめのスワップ狙いの通貨はどれ?
- 両建てをすればリスク無しでスワップをもらえますか?
- スワップポイントはいつ付与されますか?
- FX会社によってスワップが異なっている理由は?
- スワップポイントはどうやって受け取れますか?
- スワップポイントは課税対象ですか?
FXのスワップポイントに関するよくある質問とその回答を紹介します。
Q. FX初心者におすすめのスワップ狙いの通貨はどれ?
A. FX初心者におすすめのスワップ狙いの通貨は、米ドル円などの主要通貨ペアです。主要通貨ペアは通貨取引量も安定しており、スワップポイントが高いだけでなく、為替変動リスクも比較的低いです。
また、市場での取引量が多いので流動性も高く、スプレッドも安定して狭いです。そのため、FX初心者にとっては取引しやすく、スワップポイントを得やすい通貨ペアと言えます。
Q. 両建てをすればリスク無しでスワップをもらえますか?
A. 両建てとは、同じ通貨ペアで同じ数量の買いポジションと売りポジションを同時に保有することです。両建てをすれば、為替変動による損益が相殺されるので、リスク無しでスワップをもらえるように見えますが、実際にはそうではありません。
同じFX業者で同一通貨の両建てをすると、買いポジションと売りポジションのスワップポイントが相殺されるため、必ずマイナスになります。基本的に売りポジション側のマイナススワップの方が、買いポジション側のプラススワップよりも大きいためです。
例えば、米ドル円で1万通貨の両建てをした場合、買いポジションのスワップポイントは約200円ですが、売りポジションのスワップポイントは約-240円です。そのため、両建てをすると、毎日約-40円の支払いになります。
スワップをもらうどころか支払うことになるため、両建てでスワップポイントを狙う場合は、買いと売りを別々のFX業者で選別して保有する方法しか現実的ではないでしょう。
Q. スワップポイントはいつ付与されますか?
A. スワップポイントは、当日のNYクローズをまたいでポジションを保有していると、翌日オープンの時点で付与されます。
また、土日分のスワップポイントは、水曜日のNYローズをまたぐと3日分が原則付与されます。
Q. FX会社によってスワップが異なっている理由は?
A. FX会社によってスワップが異なっている理由は、各社のビジネスモデルや競争戦略によるものです。FX会社には、顧客から受け取った注文を自社内で処理する場合(ディーリングデスク方式)と、市場に流す場合(ノーディーリングデスク方式)があります。
ディーリングデスク方式では、FX会社は顧客から受け取った注文と逆のポジションを取ることで、為替変動による損益を得るため、スワップポイントは低く設定される傾向があります。ノーディーリングデスク方式では、FX会社は顧客から受け取った注文を市場に流すことで、スプレッドや手数料で利益を得るため、スワップポイントは高く設定される傾向があります。
また、FX会社はスワップポイントを高く設定することなどで、顧客の獲得や維持につなげることもあります。このような理由から、FX会社によってスワップが異なっているのです。
Q. スワップポイントはどうやって受け取れますか?
A. スワップポイントは、FX会社の取引口座に自動的に反映されており、取引ツールやマイページなどで確認できます。最近は多くのFX会社で、ポジション未決済のままスワップポイントだけ出金できます。ただし、出金する際には手数料がかかる場合があります。出金する際には、あらかじめ手数料について確認しておきましょう。
Q. スワップポイントは課税対象ですか?
A. スワップポイントは課税対象です。スワップポイントの利益は、為替変動による損益と合算して確定申告することになります。国内のFX業者を使用していたのであれば、FX取引に係る税金は申告分離課税が適用されます。
申告分離課税は得られた利益に対して、「所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%=20.315%」が課税となり、国内業者を利用してFXでどれだけ稼いだとしても一律で20.315%の税金です。
まとめ
今回は、通貨のスワップポイントが高いFX業者7社を比較、スワップ運用のメリット・デメリット、スワップポイントで稼ぐコツや注意点などについて紹介しました。
FXでスワップポイントを狙う場合は、以下の点に注意してください。
- 為替変動による損失がスワップを上回る可能性がある
- スワップポイントは日々変動する
- 長期運用してスワップポイントを得る
- 主要通貨ペアの中で高金利通貨を狙う
- レバレッジをかけ過ぎない
- 高スワップポイントのFX会社を使う
FXでスワップポイントを狙うことは、安定的な収入源となり得る魅力的な投資方法です。しかし、それにはリスクや注意点もあります。そのため、自分に合ったFX業者や通貨ペアを選び、常に最新の情報や市場動向に目を向けることが大切です。本記事が、FXでスワップポイントを狙う方の参考になれば幸いです。
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