FXの口座開設時に虚偽の情報を書くと審査に落ちる?バレたら?
この記事の目次
FXの口座開設時、「虚偽の情報」を書くのは絶対にやめてください。個人が作成した契約書であっても、虚偽情報での契約・及び書類の作成は「私文書偽造」の罪に問われます。本記事では、「FXの口座開設」とウソの申し込みが危険な理由について詳しく説明します。
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FXの口座開設で虚偽情報の申し込みは絶対にダメ!
FXの口座開設で、虚偽情報での申し込みは絶対にNG!です。みなさんは、公文書偽造(こうぶんしょぎぞう)という言葉を聞いたことがありませんか?
世間を騒がしている「森友公文書偽造」事件は、公的な書類を改ざん・偽造したため「公文書偽造の罪」や「変造罪」にあたるのでは…との疑いが掛けられており、(国有地の売却問題は)国を揺るがす社会問題へと発展しています。
実は「公文書」以外にも、私的な契約書や借用書、入学試験の答案などを偽造・虚偽の内容で作成した場合には「私文書偽造等の罪」に問われます。ちなみに公文書偽造の場合、法定刑は【1年以上、10年以下の懲役】となっていますが、私文書偽造の場合も犯罪行為にあたります。
ここで「公文書と私文書の違い」について、みておきましょう。
公文書と私文書の違い
公文書(こうぶんしょ) | 国や地方自治体、公務員等が作成した公的な書類 |
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私文書(しぶんしょ) | 公人が作成していない書類、公証人が作成していない遺言や契約書、借用書、領収書、入学試験の答案など |
公文書と私文書では、問われる罪が異なります。
例えば、FXの口座開設をする場合、提出をする公的身分証明書(運転免許証やパスポート、マイナンバー、住民台帳基本カードほか)を偽造・改ざんした場合は、公文書偽造の罪に問われます。有効期限が切れているので、期日を延ばそう(変えよう)という行為も「公文書偽造」に該当します。
一方「私文書偽造」とは、公人が作成していない書類の偽造や改ざんを行った場合に問われる罪のことです。公的な性質は無くとも、履歴書、各種契約書、借用書、領収書、答案などの偽造・改ざんについても、私文書偽造の罪に問われます。
私文書偽造の罪
有印私文書偽造 | 3ヶ月以上5年以下の懲役 |
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無印私文書偽造 | 1年以下の懲役、または10万円以下の罰金 |
FXの「申し込みフォーム」には、氏名や住所のほか、年収、資産、勤め先(連絡先も含む)を記入する欄がありますが、ここで「事実の偽造、または変造」を行った場合は、無因私文書偽造罪もしくは無印私文書変造罪に問われます。
例えば、年収が250万円の方が「年収2,500万円」と0を増やす行為(変造)は、私文書変造罪にあたります。このほか、所得証明書、金融機関の預金証明書、借用書、債権証明書の「数字を改ざんする行為」については有印私文書偽造罪に問われます。
私文書偽造(しぶんしょぎぞう)とは?
私文書偽造は、以下「刑法第159条」の私文書偽造等の条文により、有印(他人の印章や署名を使用した偽造)の場合は3ヶ月以上5年以下の懲役に処され、無因の場合でも、1年以上または10万円以下の罰金の処されます。
- 1 第百五十九条 行使の目的で、他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造し、又は偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、三月以上五年以下の懲役に処する。
- 2 他人が押印し又は署名した権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を変造した者も、前項と同様とする。
- 3 前二項に規定するもののほか、権利、義務又は事実証明に関する文書又は図画を偽造し、又は変造した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
出典元:刑法第159条「私文書偽造等」
FXの口座開設で虚偽申請、逮捕者はいるの?
FXの口座開設で「虚偽申請」をした人が、実際に逮捕者されたかどうか? 気になる方は多いでしょう。FXのサービス自体が始まったのは1998年ですが、一般的に普及し始めたのは「2000年頃」と歴史は浅いです。
このため、公文書や私文書偽造での大きなニュース(逮捕者)は出ていませんが(2018年4月現在)、家族が「勝手に自分名義のFX口座を開設していた」などの事例(=私文書偽造、公文書偽造の事件)はいくつか存在しています。
※また「FXの口座開設での虚偽」以外の事例であれば、FXに関わる公文書偽造、有印私文書偽造によって罪に問われた例(=逮捕者)は存在します。家族間の「私文書偽造」であれば、犯罪として明るみに出ることは無いでしょう。しかし、虚偽の申請したことには変わりなく、やってしまったことは立派な犯罪です(=私文書偽造の罪にあたります)。
みなさんも「FX口座開設だから」と、安易な気持ちでウソの内容を申告したり、私文書の偽造を行うのは絶対にやめてください。
FX口座開設で「虚偽の情報」を書くと審査に落ちる
FXの口座開設で「虚偽の情報」を申請したとしても、ウソはすぐにバレます。
例えば、年収が500万円なのにも関わらず「1,000万円」で申請したり、資産が100万円しか無いのにもかかわらず「貯金は5,000万円」等と申告したとしましょう。
FX会社は個人の信用情報を照会したり、資産状況を確認する術はありません。しかし、投資の金額が収入に見合わない場合は「ウソをついているのでは?」と疑う可能性が高いです。
また『銀行系のFX業者』で口座を開設した場合は、ある程度、所得や資産の状況は把握されてしまいます。例えば、A銀行の口座を持っている方が、A銀行系列の証券会社に申し込んだ場合、どのくらいの資金や資産を持っているのかは、簡単にバレてしまいます。
このため、FXの口座開設で「所得や資産」の数字をごまかすことはできません。もちろん、5万円~10万円程度の誤差(または少なくても)であれば、審査に落ちたり問題視されることはありません。しかし「年収が1桁」違ったり、資産の額を多めに申請しても、遅かれ早かれバレる日は必ず来ます。
FX口座開設で「虚偽の情報」がバレると規約批判で「取引停止」になる
FX口座開設時のウソがばれてしまうと、利用規約に反することとなり、最悪の場合「取引停止」や口座の利用ができなくなるので注意が必要です。
実際、FX口座開設の「契約書」には、虚偽の申請が発覚した場合に、どのような対応が行われるのかが明記されています。例えば、GMOクリック証券のFX専用口座開設受付「申込基準」 には、次のような記述があります。
GMOクリック証券「口座開設申込受付基準」
“第4条:当社の定める各種規程、約款、ルール等に同意いただけること
第8条:取引に必要となるお客様の個人情報を正確にご提供いただけること
第10条:お客様本人の名義で取引していただけること”
出典元:GMOクリック証券「FX専用取引口座申込受付基準」
虚偽の申請をするという事は、申し込み基準の第4条、第8条、第10条の条件に反するため「FX口座の開設ができない」決まりとなっています。
またFX口座に限らず、GMOクリック証券では「受付基準」を満たさない場合の措置を次のように定めています。
“これらは口座開設のお申込みに必要な条件です。口座開設申込書及び本人確認書類の受け入れ後、当社において口座開設審査を行うこととなります。審査の結果によっては口座開設のご希望に添いかねる場合がありますのであらかじめご了承ください(例:複数のお客様において、メールアドレスが同一である等、登録情報に重複がある場合)”
出典元:GMOクリック証券「口座申込受付基準」
万が一、審査が通ったとしても「嘘の申請」がバレた時点で、会員資格の停止、口座停止などの措置が取られます。
また本記事の前半で説明した通り、嘘の申告は「私文書偽造」の罪に問われます(実際に事件として取り上げられる可能性は低いですが…)。このため、些細なことやつまらない嘘であっても、絶対に「虚偽の申告」をしてはいけません! FXでは必ず「正確な情報だけを申告」してください。
FX口座開設時には「正しい情報」を申告すること
FX口座の開設をする際には、住所、氏名、生年月日はもちろんですが、職業や年収、資産情報は正しく申請してください。幸い(FX業者や証券会社は)年収や職業、資産で審査をしている訳ではありません。
審査の合否は、年収や資産と「投資金額のバランス」が重視されており、専業主婦の方や無職の方でも(資産状況に応じ、節度ある投資額を設定していれば)FX口座開設の審査に通っています。
なお、FX口座開設の審査内容については、以下の記事が参考になります。
FXの口座開設は取引基準に注意
FX業者や証券会社によっては「取引基準」を設けていることがあり、金融資産や年齢条件を満たしていなければ、口座開設できないケースもあります。例えば(先程も取り上げた)GMOクリック証券では、以下の様な「取引基準」を設けています。
“お客様は、次の各号の要件をすべて満たす場合に限り、外国為替証拠金取引の開始をすることができます。
第1条:100万円以上の金融資産をお持ちであること(法人の場合、資本金または基本財産の額が100万円以上であること)
第2条:お客様の年齢が80歳以下であること
第7条:適宜会員ページの「お知らせ」を確認するとともに、緊急時には当社が電話による連絡を行う旨を承諾していること、及びお客様の連絡先電話番号を正確にご登録いただけること(以後省略)”
出典元:GMOクリック証券「外国為替証拠金取引開始付基準」
この他にも、GMOクリック証券では、契約内容に同意できない方の口座開設や「証券会社関係者の取引」を固く禁じています。
基本的にFX業者・証券会社は「資産や入金額の条件」を設けていませんが(今回紹介したGMOクリック証券のように)金融資産の条件が決まっている場合もあります。みなさんも「申し込み条件」を確認してから(同意の上)申し込むようにしてください。
証券会社・FX業者「関係者の取引」は禁止!
FXの口座開設条件を見ていると、必ず「証券会社関係者の取引は禁ず」と書かれています(先のGMOクリック証券でも同じ)。証券会社関係者の家族がトレードしてしまうと、有利な情報を得るなどの不利益が生じるからです。
証券会社やFX業者が「関係者か無いか」個別に確かめる手段はありませんが、こうしたルール(=関係者の取引を禁ずる決まり)は、FX以外の株式、投資信託、先物取引、債券の取引にも適用されています。
家族に証券会社関係者、FX業者がいる場合は、口座開設できないので注意しましょう(※各業者、証券会社の「申込基準」を要確認のこと)。
まとめ|FXの口座開設で虚偽の申告は絶対にしないこと
最後に、FXの口座開設で「虚偽の情報を書くとどうなるのか?」内容をまとめておきます。
FXの口座開設で「虚偽の情報を書く」とどうなるのか? |
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☑ 虚偽の情報を書くのは私文書偽造の罪に問われる |
☑ FXの虚偽申請で逮捕者はいないが虚偽の情報は犯罪行為にあたる |
☑ FXの口座開設で虚偽申請がバレると審査は落ちる! |
☑ 後で虚偽申請がバレると口座の凍結や取引が停止に! |
☑ FXの口座開設で重視されるのは収入と投資額のバランスのみ |
☑ 無職や専業主婦でも審査に通る正しい情報を申請すべし! |
FXの口座開設時に虚偽の情報を書くのは、絶対にやめましょう。つまらない嘘で私文書偽造の罪に問われてしまっては大変です。
また嘘を書かなくても、FXの口座開設は審査が厳しい訳ではなく、資産と投資額のバランスさえ良ければ無職や専業主婦でも口座開設できます。
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