FXのスワップポイントで生活は可能?スワップ生活を狙う方法と注意点を解説
この記事の目次
FXのスワップポイントは、通貨ペアによっては大きな利益が得られます。そこで、スワップポイントを使って生活する「スワップポイント生活」に憧れる方も少なくありません。
今回は、スワップポイントで生活をすることが可能なのか、具体的にどのくらいの資金がかかるのか、注意点は何かなどを解説します。スワップポイントで生活をしてみたいという方は、参考にしてくださいね。
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FXのスワップポイントで生活は理論上可能
FXのスワップポイントだけで生活をするということは、理論上は可能です。
ただし、結論から言いますが、スワップポイントだけで生活しようというのは「多額の資金」と「常にスワップポイントや為替変動を意識した取引」が必要となるので、現実的とは言えません。
スワップポイントが高い=通貨が安定していない可能性が高く、それだけの利息をつけなければ買ってもらえない通貨、ととらえることもできます。
というわけで、スワップポイント生活は潤沢な資金があれば理論上可能ですが、資金が少ない初心者が行うのは厳しいと言えるでしょう。
その上で、もしFXのスワップポイント生活を送るのであれば、どのくらいの資金が必要なのかをみていきましょう。
スワップ生活を狙う具体的な方法と必要資金
スワップ生活を狙うなら、スワップポイントがたくさんもらえる通貨ペアを保持して、中長期で毎日スワップポイントを受け取るという方法が一般的です。
では、スワップポイントだけで生活するにはどのくらいの資金が必要なのか、人気のある高利率通貨で検証してみましょう。
■高利率通貨のスワップポイント生活に必要な資金は?
- トルコリラ(TRY/JPY)でスワップポイント生活を送る際の必要資金
- メキシコペソ円(MXN/JPY)でスワップポイント生活を送る際の必要資金
- ランド円(ZAR/JPY) スワップポイント生活を送る際の必要資金
トルコリラ(TRY/JPY)でスワップポイント生活を送る際の必要資金
今回の条件は、以下の通りです。生活費はちょっと安く見積もっています。まずは最低限必要な金額をチェックしましょう。
ここでは、スワップポイント生活に人気の「トルコリラ」を計算に使いますね。
トルコリラ円での計算条件
・1ヶ月の生活費…20万円
・スワップポイント(1万通貨あたり)…100円/日
・トルコリラ/円の為替レート…20円
1ヶ月の生活費を20万円とすると、1日あたりの生活費は30日で割ると1日あたり約6700円。
これをスワップポイントで補おうとすると、
(6700円/日)÷(110円/日)×1万通貨=約67万通貨
を保持していなくてはいけない計算になります。
67万通貨分のトルコリラを持つための資金は
67万通貨×20円/通貨=1340万円(レバレッジ1倍の必要証拠金)
レバレッジを最大の25倍に設定したとしても、約53万円の証拠金が必要です。しかも、トルコリラが1円の値下がりをしたとすると、一気に67万円の損失。
そう考えると、少ない証拠金でレバレッジをかけすぎるのは非常に危険。常にロスカットの恐怖がつきまといます。金利目的で長期保有するなら、レバレッジは1〜2倍にしておくのがいいでしょう。
※2019年4月時点でのスワップポイント、レートを参考にしています。
メキシコペソ円(MXN/JPY)でスワップポイント生活を送る際の必要資金
メキシコペソ/円でスワップポイント生活を送ろうと思うと、いくらの資金が必要になるのかを計算してみましょう。
メキシコペソ円での計算条件
・1ヶ月の生活費…20万円
・スワップポイント(1万通貨あたり)…13円/日
・メキシコペソ/円の為替レート…6円
1ヶ月の生活費が20万円とすると、1日あたりの生活費は約6700円です。
この生活費を全てメキシコペソ/円のスワップポイントで補おうとすると、
(6700円/日)÷(13円/日)×1万通貨=約515万通貨
のメキシコペソをもっていなくてはいけません。
1ペソ=6円ですから、
必要資金は515万通貨×6円/通貨=3090万円(レバレッジ1倍の必要証拠金)
レバレッジを25倍に設定しても、約124万円の証拠金が必要です。
ただし、トリコリラと同様にレバレッジをかけすぎるとすぐにロスカットされてしまう可能性が高いため、十分な資金源がない場合はスワップポイント生活を狙うのはやめたほうが無難でしょう。
できるのであれば、レバレッジは1〜2倍におさえ、ロスカットのリスクを減らすべきといえます。
※2019年4月時点でのスワップポイント、レートを参考にしています。
ランド円(ZAR/JPY)スワップポイント生活を送る際の必要資金
利率の高い通貨の代表例として人気なのが、南アフリカランド/円、通称ランド円です。
ここでは、南アフリカランド/円の通貨ペアでスワップポイント生活を送ろうとしたとき、どのくらいの資金が必要になるのかを計算してみましょう。
ランド円での計算条件
・1ヶ月の生活費…20万円
・スワップポイント(1万通貨あたり)…14円/日
・南アフリカランド/円の為替レート…8円
先の2種類の通貨と同様に計算していくと、1日あたりの生活費は6700円。
ランド/円でスワップポイント生活を送るなら
(6700円/日)÷(14円/日)×1万通貨=約479万通貨
を持っていなくてはいけません。
479万通貨を準備するのに必要な資金は、
479万通貨×8円/通貨=3832万円(レバレッジ1倍の必要証拠金)
レバレッジ25倍でも約153万円の証拠金が必要です。
153万円くらいなら準備できそうだ、という方もいるかもしれませんが、証拠金使用率が高すぎるとちょっとした値動きですぐにロスカットされてしまい、損失が大きくなります。
スワップポイントを得るつもりが、逆に為替の変動で大損してしまった、という事態を避けるためには、レバレッジ1〜2倍が理想的となります。
そうなってくると、初心者からそこまでの大金を持つのは難しいでしょう。スワップポイント生活を送るには、潤沢な資金が必要になるのです。
※2019年4月時点でのスワップポイント、レートを参考にしています。
FXでスワップポイント生活を送るメリット
FXでスワップポイント生活をするのは資金が豊富にある限られた方のみ……というお話をしました。ですが、メリットももちろんあります。となると、少額からどんな感じか試してみたくなりますよね。
ここでは、実際にスワップポイント生活を送るとなると、通常のFX取引と比較してどんなメリットがあるのかを解説します。
FXのスワップポイント生活のメリット
・複雑なテクニカル分析が不要
・中長期でほったらかし投資ができる
・毎日スワップポイントの利益がもらえる
1.複雑なテクニカル分析が不要
十分な資金があり、ロスカットの心配もない……という状況であれば、気にする必要があるのは、当面はスワップポイントの金利のみ。
通常のFX取引ではテクニカル分析やニュース、経済指標をもとに相場分析や予測をしなくてはいけませんが、スワップポイントの利益をあてにするということは、値動きの差を狙った売買は基本的にしませんよね。
よって、複雑なテクニカル分析は不要。初心者でもなんとなく手を出しやすくなっているのです。
2.中長期でほったらかし投資ができる
FXといえばチャートとにらめっこをして、常に相場の値動きを気にしながら取引をする……というイメージがあると思います。
ですがスワップポイント生活を狙うならそういった短期投資は不要。中長期のほぼほったらかし投資ができるのです。
正確には、通貨が暴落しても決済ができないため土日には持たないように気をつけておく……といった注意点はありますが、細かな変動には注意を払う必要はありません。
短期売買で精神を削らなくてもOKというのは、スワップポイントを狙うメリットですね。
3.毎日スワップポイントの利益がもらえる
基本的に、FXの取引で利益がもらえるのは持っていた通貨を売り、購入額との差額があるときのみ。
毎日何かしらのアクションを起こさなければ、「毎日利益が出る」ということはありません。一方で、スワップポイントで投資をするなら、通貨を保持していれば、その通貨の利率の差分だけ毎日利益が得られます。
安定して毎日利益を得たい人にとっては、魅力的な投資方法だと言えるでしょう。
FXでスワップポイント生活を送る際の注意点
FXでスワップポイント生活を狙う際の注意点は、以下の通りです。
スワップポイント生活を狙う際の注意点
・為替の変動でスワップポイントの利益がなくなってしまうことも
・マイナススワップは支払う必要がある
・土日、休日運用には注意
・証拠金は多めに準備しておく
1.為替の変動でスワップポイントの利益がなくなってしまうことも
米ドル/円のような安定した通貨であればそれほど心配はいりませんが、トルコリラをはじめとする「スワップポイントが高い」通貨ですと、中には為替変動が非常に大きいものがあります。
1年間に20円ほどの値動き(値下がり)があるケースも十分に考えられますのでこうなってくると、いくらスワップポイントで利益が出ていても、含み損が多すぎて最終的に決済するときに大きな損失がでてしまう可能性も。
最終手段としては、トルコリラのまま引き出して使う……という手もありますが、あまり実践したくはないですよね。
2.マイナススワップは支払う必要がある
スワップポイントは、必ずしも常にプラスとは限りません。通常、スワップポイントでの利益は「買いスワップ」つまり購入した通貨と、その通貨を買うのに使った通貨との利率差で得られます。
このスワップポイントは、通貨の価値が変動すると「プラス」だったものが「マイナス」に転じる可能性もあるのです。
トリコリラ/日本円の通貨ペアであれば、日本円の安定性と金利の低さから急にマイナスになることは考えにくいですが、逆に「売り」のときにはマイナスとなってしまいます。
通貨ペアによって、購入時にスワップポイントがマイナスになっていることもありますので、スワップポイントを狙うときは、購入前に十分注意しましょう。
3.土日、休日運用には注意
トルコリラをはじめとする「スワップポイントが高額」な通貨を持つときは、できるだけ土日をまたがないようにしましょう。
というのは、土日はFXのトレードができないので、その間に通貨の暴落が起きたときに対処が難しいからです。
基本的には中長期で保持する……と言いましたが、土日にもずっと持っているのは、特に経済指標の発表や大きな出来事の前には危険だといえます。
面倒かもしれませんが、大きな損失を避けるためには、土日をまたいでの保持はできるだけ避けた方がいいでしょう。
4.証拠金は多めに準備しておく
先述のとおり、スワップポイント生活を送りたいのであれば、レバレッジをかけすぎるのは危険です。
証拠金は多めに用意をしておき、できるだけ1〜2倍のうちにしておくのが賢明です。理由は「ロスカットで損をしてしまう可能性」があるから。
1日で得られるスワップポイントの利益は、ちょっとした為替変動で消えてしまいます。
長期で保持して、為替が高めの時に売る……という方法をとりたいのであれば、できるだけロスカットのリスクはなくしておかなくてはいけません。
FXのスワップポイントで生活は可能!でも現実的ではない
FXのスワップポイントで生活することは、理論の上では「可能」です。
ただし、実際にスワップポイント生活を狙うには、乗り越えなくてはいけない壁が多数あります。
スワップポイント生活で乗り越えなくてはいけない壁
・為替の変動リスク
・元手がたくさん必要
・休日運用には注意
など
潤沢な資金源と、少しの為替変動では気にしない精神をもっていなくては、スワップポイントで生活することは難しいでしょう。
また、新興国通貨はスワップポイントが高い傾向がありますが、要人発言一つで通貨が大暴落することがあります。
そういったリスクも踏まえた上で、スワップポイント生活を本当に送りたいのか、今一度考えてみてくださいね。
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