FX初心者向けの通貨ペアは?おすすめの通貨ペアを解説
この記事の目次
FX初心者におすすめの通貨ペアは、流動性リスクが低い「ハードカレンシー」を組み合わせた通貨ペアです。ハードカレンシー(流動性が高い)には、ドルや円、ポンド、ユーロなどの通貨があります。
本記事では「ドル円」を中心に、FX初心者に最もおすすめの通貨ペアについて紹介します。
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初心者におすすめの通貨ペアNo.1はドル円
FX初心者にイチオシの通貨ペアは、ズバリ「ドル円」の組み合わせです!ドル円は、基軸通貨(キーカレンシー)である「米ドル」と、私たちに馴染みのある通貨「日本円」の通貨ペアなので、取引の予想が立てやすく、負けにくいといいった特徴があります。
このほか、ドルや日本円、ユーロ、英ポンドなどは、世界的にも流動性(=取引の量)が高いため安心です。マイナーな通貨(=ソフトカレンシー)のように「流通量が少ない」という理由で、取引が不成立になるリスクもありません。
以下に流動性の高い、安全な通貨(ハードカレンシー)をまとめてみました。
流動性が高い通貨(ハードカレンシー)
- 米ドル(USD)
- ユーロ(EUR)
- 英ポンド(GBP)
- スイスフラン(CHF)
- 日本円(JPY)
流動性が高い通貨は、別名「国際決済通貨」と呼ばれています。国際決済通貨は、その名の通り「国際為替市場で、取引の中心となる通貨」のことです。以下に、ハードカレンシーの条件をまとめてみました。
ハードカレンシーに選ばれるための条件
- 通貨の流動性が高い(取引が盛ん)
- 国際的に信用が高い
- 国際銀行での決済が可能
- 発行国が多様な財を算出している
- あらゆる場所で「換金ができる」通貨
ハードカレンシーの中から取引通貨を選べば「流動性のリスク」が回避できます。FX初心者は、安全なドル円、ユーロ円など、ハードカレンシー同士の通貨ペアを選べば安心です。
なお、英ポンド(GBP)もハードカレンシーに分類されるのですが、ブレグジット(EU離脱)時に「ポンド暴落」が起こったことから、初心者には「クセのある通貨」として人気は低いです。実際に2019年の「EU完全離脱」までも、経済の状況は悪く、今後の値動きにも大きな不安が残ります。
また、ユーロ円についても、移民問題、各国の独立など「欧州政治リスク」が影響する可能性は払拭できません。このため、ハードカレンシーの中でオススメできる通貨ペアは【ドル円】がベスト。ある程度取引に慣れてきたら、流動性の高い「ユーロ円」で取引してみてはいかがでしょうか?
流動性リスクとは?
流動性(りゅうどうせい)リスクは、売買や取引が極端に少なく、売りたいと来た買いたい時に「取引が成立しない」リスクのこと。マイナーな通貨を選択した場合、流動性リスクによって(値が付かず)売却できない危険性がある。
流通量の多さで決めるならドルや円、ユーロ
前項でもハードカレンシー、ソフトカレンシーについて取り上げましたが、FXで安定した取引を望むなら流通量の多い通貨ペアを選んでください。
ユーロドルの通貨ペアは世界一の取引量を誇る!
「ユーロドル」は世界で最も取引量が多い通貨ペアです(=取引全体の20%を占めている)。やはりハードカレンシー同士の通貨ペアは、日本以外の投資家からも信頼が厚いです。
この流れで分析すると「ユーロドルが最強」とも言えるのですが、日本のFX初心者であれば、最も馴染みのある通貨ペア「ドル円」で取引するのがベストでしょう。
ドル円は「ドルストレート」と言い、基軸通貨のドルが絡んでいるので値動きの分析がしやすくなります。その一方で、米朝首脳会議の調整が続く今(2018年5月時点)交渉の内容によっては、ドルの大幅な下落(または暴騰)が起こる可能性もあります。
「ドル円」でトレードする場合には、マーケットレポートや貿易の状況だけでなく、トランプ大統領やホワイトハウスの発言なども、合わせて注目するようにしましょう。先手を打てば、ドル円で手堅く勝ち続けることができます。
安全な通貨ペアならスイスフラン
スイスフランは、国際的にも「安全な通貨」として取引されています。スイスはヨーロッパに位置しながら独自の通貨を持ち「永世中立国」としての姿勢を守り続けています。
このため、EU内の治安や経済に大きな影響を受けず、通貨(=スイスフラン)が暴落するリスクはありません。
またスイスフランは「低金利」ではあるものの、安全に運用をしたいトレーダーの間では「リスクオフの通貨」として信頼される存在です。
スイスフランの注意点(米ドル/スイスフランの組み合わせがおすすめ)
スイスフランを取引するのであれば「スイスフラン/円」よりも「米ドル/スイスフラン」の通貨ペアで取引しましょう。
外為どっとコム・2020年3月4日のデータをもとに作成
通貨ペア名 | スワップポイント 買い | スワップポイント 売り |
---|---|---|
スイスフラン/円 | 買いスワップ:-30円 | 売りスワップ:10円 |
米ドル/スイスフラン | 買いスワップ:56円 | 売りスワップ:-78円 |
日本円でスイスフランを買った場合、84円の金利を支払う必要があります。これに対し、ドルでスイスフランを買った場合は1.8円のスワップポイントが受け取れます。
スイスフランは低金利政策を実施しているため「スワップポイント」の組み合わせに、十分注意しましょう。
スワップポイント狙いならオセアニア通貨(オーストラリアドル、NZドル)
スワップポイント狙いならば、オセアニア通貨のペアがオススメです。オセアニア通貨には、オーストラリアドル、ニュージーランドドルがあり、どちらもスワップポイントで稼ぐのに適した通貨です。
オーストラリアドル、ニュージーランドドルともに「ソフトカレンシー」となり、全体の取引量は少ないです。ただ、オーストラリアとニュージーランドはともに「政治や経済が安定している」といった特徴があります。
トルコリラや南アフリカランドのような「超高金利」では無いものの、金利とファンダメンタルズの面で「バランスの良い」通貨ペアとしてオススメできます。
オセアニア通貨の注意点(中国との関係に注意が必要)
オセアニア通貨で注意をしたいのは、輸出規模が大きい「中国との外交状況」についてです。実はオーストラリア、ニュージーランドともに、中国との貿易に依存しており、中国の経済指標や貿易支出の状況によって、オセアニア通貨全体のレートが大きく変動します。
このほか、高金利の国が「低金利政策」を打ち出した場合にも、レートが大幅に変動します(オセアニア通貨も例外ではありません)オーストラリアドル、ニュージーランドドルを売買される方は、これら二点に注意しておきましょう。
長期投資なら米ドル、豪ドル、カナダドル
長期投資について考える場合、着目しておきたいのが、SDR(国際準備資産)とソブリン格付けの関係です。
SDR(国際通貨基金)に見る「安定が保証された」通貨一覧
SDRとは、IMF(国際通貨基金)が加盟国の準備資産を補完するため使用する資産です。SDRの準備資産は米ドルが(全体の)約41%、ユーロが31%、人民元11%、次いで日本円8%、英ポンド8%という順で確保されています。
SDRが準備する資産の内訳(2016年~2020年)
米ドル | 41% |
---|---|
ユーロ | 31% |
人民元 | 11% |
日本円 | 8% |
英ポンド | 8% |
その他 | 1% |
これらの通貨は「SDRが準備資産を用意している」という点で、信頼性と流動性の高さが証明されています。
ソブリン格付けに見る、安定した通貨一覧
次に、国の格付けにあたる「ソブリン格付け」について見てみましょう。
ソブリン格付けとは、各国がどのくらい「世界から信用されているのか」を示す指標のことです。ムーディーズ、フィッチ、S&Pなどの格付け機関が、各国の安全度や通貨の信頼度についてレポートをしています。
全ての国を取り上げるのは難しいため、ここでは主要国の「格付け」について最新の調査結果をまとめてみました(※ S&Pのデータを参考に作成しています)。
S&P発表|ソブリン格付け(2018年4月末のデータ)
国名 | 自国通貨(格付) | 自国通貨(見通し) |
---|---|---|
イギリス | AA | ネガティブ |
オーストラリア | AAA | ネガティブ |
カナダ | AAA | 安定的 |
スイス | AAA | 安定的 |
中国 | A+ | 安定的 |
ドイツ | AAA | 安定的 |
日本 | A+ | ポジティブ |
ニュージーランド | AA+ | 安定的 |
ブラジル | BB- | 安定的 |
フランス | AA | 安定的 |
アメリカ | AA+ | 安定的 |
香港 | AA+ | 安定的 |
南アフリカ | BB+ | 安定的 |
メキシコ | A- | 安定的 |
いかがでしょうか。上のソブリン格付け、そしてSDRの結果から推測すると、スイスフラン、ニュージーランドドル、米ドルの三種が両方の条件を満たしていることが分かります。
さらに、スイスフラン、ニュージーランドドル、米ドルと、三種類の「スワップポイント」について比較してみましょう。
スワップポイント
外為どっとコム・2020年3月4日のデータをもとに作成
通貨ペア名 | スワップポイント 買い | スワップポイント 売り |
---|---|---|
スイスフラン/円 | 買いスワップ:-30円 | 売りスワップ:10円 |
ニュージーランドドル/円 | 買いスワップ:14円 | 売りスワップ:-29円 |
米ドル/円 | 買いスワップ:52円 | 売りスワップ:-82円 |
スイスフランの場合、円でスイスフランを買うと-20円の金利を払うことになります。反対にフランで円を買うと+5円の金利がもらえます。
ニュージーランドドルの場合は、円でニュージーランドドルを買うと28円の利息がもらえ、ニュージーランドドルで円を買うと-43円の利息を支払います。
同様に米ドルの場合、円でドルを買うと71円の利息が付くものの、ドルで円を買うと-101円の利息を支払う必要があります。
ここまでの結果をまとめると…マイナス金利を採用しているスイスフラン(ユーロの場合も同じ)は、ポジションを持っている間スワップポイントを支払う必要があるので長期投資には向いていません。
一方、ニュージーランドドルや米ドルは、ポジションを持っている間、利息が受け取れるので利益が出しやすくなります。その上、ソブリン格付けにおいても「安定的」見通しが立っているため長期投資には最適な通貨と分析できます。
みなさんも安全性の高い通貨ペアを探す時には、SDRや格付けの両面から細かく分析を行ってください。
FX初心者が避けるべき「危険な通貨ペア」はコレ!
FX初心者が避けるべき通貨ペアには、トルコリラ、英ポンド、メキシコペソ、南アフリカランドなどの「マイナー通貨」があります。
トルコリラは「リスクが大きい」ので、初心者には不向き!
一部の指南書では「トルコリラは、スワップポイントが高いのでオススメ!」と断言していますが、トルコは政情不安が続いており、地政学リスクの大きなエリアです。
地政学リスクの要因
地政学リスクには、テロの脅威や紛争の勃発があり、政情不安は世界経済にも大きな影響(=マイナス要因)を与えています。
実際に、トルコリラは(スワップポイントは高いものの)下落トレンドに入っていることもあり、初心者には「NGな通貨」として知られています。もし仮にトルコリラに投資するのであれば、レバレッジ1倍以下に抑えるのが良いでしょう。
画像出典元:外為どっとコム
上の画像は「外為どっとコム」のTRY/JPYチャート (月足)です。
トルコリラの価格は年々下落しており、2011年には「1トルコリラ=63.940円」だったレートが、2018年5月には「1トルコリラ=22.248円」にまで落ち込むなど、地政学リスクの高まりとともに、下落幅も大きくなっています。
ソフトカレンシーの通貨ペアはオススメしない
ソフトカレンシーの通貨も、初心者にはおすすめできません。例えば、トルコリラ、南アフリカランド、メキシコペソなどは、流動性の低いマイナー通貨である上に「政情不安」や「通貨急落」に陥るなど、二重~三重にも危険な状態です。
このため「金利が高い」という理由だけで、マイナー通貨に手を出すのはリスクが高くオススメしません。短期的に稼げたとしても、損失が出やすい『危険な行為』だと覚えておきましょう。
英ポンドも初心者には、ハードルが高い!
ハードカレンシーの部分(本記事前半)でも説明をしましたが「英ポンド」は、ブレグジット(EU離脱)の影響が未だ続いており、取り扱いの難しい通貨です。
王室でのロイヤルウェディングで「華やかなムード」に包まれる英国ですが、2019年3月の「EU最終離脱」までは暴落のリスクは避けられず、通商関連の交渉が長引けば(2019年3月以降まで)離脱が持ち越される可能性もあります。
このような状況から、FX初心者が「英ポンド」で勝つのは厳しいというのが、正直なところです。
まとめ
FX初心者にオススメの通貨ペアは安定した国の通貨
最後に『FX初心者にオススメの通貨ペア』について、本記事の内容をまとめておきます。
FX初心者にオススメの通貨ペアは? |
---|
☑ FX初心者には「ドル/円」が一番のオススメ! |
☑ 安定している「ニュージーランドドル/円」は二番目にオススメ! |
☑ スワップポイント狙いなら、オセアニア通貨が強い! |
☑ 安全な通貨ペアは、流通量やSDR、ソブリン格付けでチェック! |
☑ マイナーな通貨よりも、安全性の高い通貨ペアで利益を狙おう! |
このように、初心者に最もオススメの通貨は「ドル円」のペアだと分かりました。また、政治・経済ともに「長期間安定」しており、金利の高いオセアニア通貨(ニュージーランドドルなど)もオススメの通貨ペアです。
注文で困った時には、これら「安全に利益が狙える」通貨ペアで取引を行ってください。
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