ローソク足の種類と見方を覚えてFX初心者でもパターン分析
この記事の目次
FXを行う上で、必ず知っておきたいのが「ローソク足」の仕組みです。本記事ではFX初心者でもすぐに分かる「ローソク足」の種類や見方、パターン分析の仕方について徹底解説します!
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ローソク足(Candle Chart)とは?
ローソク足(Candle Chart)とは、その名の通り「ローソク」のような形をしたチャートのことです。ローソク足の状態を見れば、始値、高値、安値、終値の動きを時系列に沿って「正確に分析」できます。
ローソク足を構成する陽線と陰線
ローソク足には、陽線と陰線があります。チャートが安く始まり、高く終わるときには「陽線」になります。これに対し、チャートが高く始まり、安く終わると「陰線」というローソク足が現れます。
FX会社や証券会社によって、陰線と陽線のカラーリングはバラバラです。「陽線が赤・陰線が青」のパターンもあれば「陽線が白・陰線が青」の場合や、「陽線が赤・陰線が緑」の場合もあります。利用するFX会社・証券会社が、どのようなローソク足を使用しているのか、確認しておくと良いでしょう。
ローソク足の陽線と陰線
区分 | 詳細 | 使われる色 |
---|---|---|
陽線(ようせん) | チャートが安く始まり、高く終わるときに現れるローソク足のこと | 赤、白など(暖色が多い) |
陰線(いんせん) | 高く始まり、安く終わるときに現れるローソク足のこと | 緑、青など(寒色が多い) |
上の表からも分かる通り、始値<終値の時に陽線が現れます。そして、始値>終値の時に陽線が現れます。
画像出典元:SMBC日興證券・初めてでも分かりやすい用語集|陽線(ようせん)
ローソク足を説明するため、外為どっとコムの「ドル円チャート」 を開いてみましょう(以下の画像参照)。画像の青い部分、赤い部分が「ローソク足」と呼ばれるものです。また後で説明をしますが、上方向や下方向に伸びた棒のことを「ヒゲ」と呼んでいます。
画像出典元:外為どっとコム
ローソク足には年足、月足、週足、日足、60分足、15分足、5分足、1分足などの種類があります(上の画像は「60分足」のチャートを示したものです)。なお、月足とは「1カ月の値動き」を表したローソク足のことです。同様に週足は一週間の動き、日足は一日の動き、60分足は1時間(=60分)の動きを示しています。
ローソク足の種類
月足 | 1カ月の動きを表したローソク足 |
---|---|
週足 | 1週間の動きを表したローソク足 |
日足 | 1日の動きを表したローソク足 |
60分足 | 1時間(60分)の動きを表したローソク足 |
15分足 | 15分間の動きを表したローソク足 |
5分足 | 5分間の動きを表したローソク足 |
1分足 | 1分間の動きを表したローソク足 |
さらに分かりやすくするため、画像を拡大してみましょう(下の画像参照)。
画像出典元:外為どっとコム
外為どっとコム(公式サイト) では、ローソク足の「陽線が赤、陰線が青」としています。ローソク足の一本一本を見ていると、特定の期間「どのような値動き」をしていたのかが分かります。
例えば(上の図のように)陰線ばかりのチャートは「下向きの流れ」で推移していたことが分かります。反対に陽線が多いチャートであれば、「上向きの流れ」で推移していたことが分かるのです。
ローソク足の起源は「日本」だった!
FXや株式の世界では、既におなじみのローソク足ですが、ローソク足の起源は「日本」だということを知る人は少ないです。
(諸説ありますが)ローソク足は、出羽国の本間宗久(ほんまそうきゅう)が江戸時代に発案したとのこと。もともと上方の「米取引」で使われたものが、現在ではCandle Chartとして、海外でも広く使われるようになりました。
ローソク足のヒゲは「高値と安値」で長さが変わる
チャート上、ローソク足の中心線を上または、下に向いて伸びている線が見えますか? これは、通称「ヒゲ」と呼ばれるもので、チャート上の「高値と安値」を表しています。
ここでは、実際のチャートを使って「ヒゲの仕組み」を見てみましょう(下の画像参照)。
画像出典元:外為どっとコム
チャート上、上に伸びているヒゲを「上ヒゲ」と言い、下に伸びているヒゲを「下ヒゲ」と言います。同じヒゲにも長いものと、短いものがあるのですが、上ヒゲが短いものは始値と高値の差が小さいことを指しています。また上ヒゲが長いと、始値と高値の差が大きいことを示しています。
上ヒゲが短い/長いと、チャートで何が起こっているのか?
上ヒゲが短い | 始値と高値の差が小さい ⇒ 値が上がらず「小動き」だった |
---|---|
上ヒゲが長い | 始値と高値の差が大きい ⇒ 上昇後に「大きく」値を下げた |
このように上ヒゲが長ければ、その分「上昇への抵抗が強く、上げにくい」ことが分かります。反対に、下ヒゲが短いときや長い時には「何が起きているのか」見てみましょう。
下ヒゲが短い/長いと、チャートで何が起こっているのか?
下ヒゲが短い | 始値と安値の差が小さい ⇒ 値が下がらず「小動き」だった |
---|---|
下ヒゲが長い | 始値と安値の差が大きい ⇒ 下げの後「大きく」値を上げた |
「上ヒゲ・下ヒゲ」からも分かる通り、ヒゲは長ければ長いほど、反対のレートに動きやすいことが分かります。パターンを割り出す方法については、次項にて詳しく解説します。
ヒゲの長さから「次のパターン」を予測してみよう!
ヒゲの長さから、次の値動きが予測できます。もちろん「百発百中」ではありませんが「起こりやすいパターン」は分かります。ここで、練習問題を出してみます。FX初心者の方は、一緒に問題を解いてみてください。
【問題1】高値圏にヒゲの長いローソクが出ました。今後の流れ(パターン)は、どのように推移しますか?
前項で、ヒゲが長くなるのは「始値と高値の差が小さい」時だと説明しました。今回の問題ではヒゲの長いローソクが出ているので、「上昇の抵抗が強い」ことが分かります。
【解答例】
高値圏でヒゲの長いローソクが出た後は、下げに転じる可能性が強くなります。また、流れとしては「天井になった可能性」が高いです。
【問題2】安値圏にヒゲの長いローソクが出ました。今後の流れ(パターン)は、どのように推移しますか?
下ヒゲは「始値と安値の差が大きい」ときに出現すると説明しました。
【解答例】
安値圏に長い下ヒゲが出ると、下げの後「大きく」値を上げる可能性が高いです。上値を試すというのも一つの考えでしょう。
ただし、問題1と2の考えは「絶対的なレート」ではありません。例えば、問題2のように『下げの後大きく値を上げる』と予測されていたにも関わらず、実際には下げがおさまらないパターンもあります。ヒゲを使って分析するときには、パターンを「過信しない」ようにしましょう。パターンだけで無く、これまでの流れも重要視してください。
陽線の種類とローソクが示す意味(パターンの分析方法)
「始値<終値」のときに、陽線が出現すると説明しましたが、陽線の種類はひとつではありません。同じ陽線でも、始値と終値の差が小さいとローソクの部分が短くなります。また反対に、始値と終値の差が大きいとローソクの差が大きくなるので、それぞれ呼び方が変わるのです(※下の図を使って解説します)。
このほか、太陽線の中には「ヒゲの無い」ものがあります。ここでは太陽線の種類と「ローソクが示す意味」について、表を作ってみました。
陽線の種類とローソクが示す意味
呼び名 | 通称(別名) | ローソクの意味 |
---|---|---|
大陽線(ヒゲなし) | 丸坊主 | 今後も同じ基調で推移する(強気) |
大陽線(下ヒゲ) | 大引け/丸坊主 | 今後も同じ基調で推移する可能性が高い。 |
大陽線(上ヒゲ) | 寄り付き/丸坊主 | 同じ基調で推移すると思われるが、注意が必要 |
小陽線①(上下にヒゲ) | ─ | 買い方は強いが、持合基調(動かない様子)にある |
小陽線②(上下にヒゲ) | コマ/極線 | 相場が一服している |
下影陽線 | ─ | 底が堅い |
上影陽線 | ─ | 上値が重い |
下影陽線 | カラカサ/たぐり線 | 安値圏では上昇に転じやすい、高値圏では注意が必要 |
上影陽線 | トンカチ | 高値圏で注意が必要 |
※小陽線①は小陽線②よりも、ローソク足が長いです。
表の文章だけでは分かりくいので、マネースクウェア・ジャパン公式サイトの画像を表と照らし合わせて見てみましょう。
画像出典元:マネースクウェア・ジャパン
陽線の種類や特徴を知っておけば、「次に何が起こるのか」が推測でき、チャート分析の精度も高くなります。もちろん、前後の流れをもとに「総合的に推測する姿勢」を忘れないようにしましょう。
ここでもう一度、ヒゲを使った「チャート分析」について問題を出します。
【問題3】高値圏に「上影陽線」が出ました。今後の流れ(パターン)は、どのように推移しますか?
陽線の説明表では「上影陽線=上値が重いとき」と説明していました。このため今後は、値が上がりにくくなるのが分かります。
【解答例】
上影陽線が出た後には、下げに転じる可能性が高くなります。
【問題4】高値圏に「大陽線・ヒゲなし」が出ました。今後の流れ(パターン)は、どのように推移しますか?
表を見てみると、大陽線・ヒゲなしは「今後も同じ基調で推移する、強気」を示していることが分かりました。
【解答例】
大陽線・ヒゲなしが出た後には、底入れになる(上昇)可能性が高いです。
繰り返しますが「分析の精度」は100%ではありません。前後の流れ、全体の基調を見てパターンを分析しましょう!
陰線の種類とローソクが示す意味(パターンの分析方法)
続いて「陰線の種類とチャートの見方」について、まとめておきます。
陰線の種類とローソクが示す意味
呼び名 | 通称(別名) | ローソクの意味 |
---|---|---|
大陰線(ヒゲなし) | 丸坊主 | 今後同じ基調が続く可能性は低い(弱気) |
大陰線(下ヒゲ) | 大引け/丸坊主 | 基調が弱い、高値圏では注意が必要 |
大陰線(上ヒゲ) | 寄り付き/丸坊主 | 基調は弱いが、継続する可能性も否定できない |
小陰線①(上下にヒゲ) | ー | 売り方が強いものの、持合基調(動かない様子)にある |
小陰線②(上下にヒゲ) | コマ/極線 | 相場が一服している |
下影陰線 | ー | 上値が重い |
上影陰線 | ー | 弱気が継続する |
下影陰線 | カラカサ/たぐり線 | 安値圏では上昇に転じやすい、高値圏では注意が必要 |
上影陰線 | トンカチ | 高値圏で売りに転じやすい |
陰線の見方も、陽線と非常に似ています。陽線は基本的に「基調が強い」のですが、陰線は「基調が弱い」ことを示しています。
画像出典元:マネースクウェア・ジャパン
陰線の意味が分かると、今後どのような動きを見せるのか(陽線同様)ある程度の予測が立てられます。ここでもう一度、問題を出すので、一緒に解いてみてください。
【問題5】高値圏に「上影陰線」が出ました。今後の流れ(パターン)は、どのように推移しますか?
陰線の説明表を見てみると、上影陰線は「弱気が継続する」ことが分かります。
【解答例】
上影陰線が出た後には、基調は弱いものの下値の堅さから「この流れが続く」可能性が高いと分かります。
【問題6】高値圏に「大陰線・ヒゲなし」が出ました。今後の流れ(パターン)は、どのように推移しますか?
表を見てみると、大陰線(ひげなし)は「今後同じ基調が続く可能性は低い」と書かれています。
【解答例】
大陰線(ひげなし)が出た後には、上昇の基調は終わった(=天井)と考えられます。
(何度も繰り返しますが)分析が当たる確率は100%ではありません。ヒゲの一覧表だけで無く、前後の流れから相場について分析しましょう。
1本のローソクで分析が難しい時には2本のローソクでパターンを分析すべし
ここまで1本のローソクで「分析する」基礎知識を紹介しました。ここからは、2本のローソクでパターン分析する方法をまとめておきます。この方法が分かれば、パターンやチャートの的中率は飛躍的にアップしますよ!
ローソクのパターン1:はらみ線
直前の大陽線をはらむように小陰線が出る組み合わせを「はらみ線」と呼んでいます(同様に、陽線・陰線が反転するパターンも「はらみ線」と呼ぶ)。
はらみ線が、上昇トレンドや下降線で発生したときには、天井や底値になる可能性が高いです。上のようなパターンが出たら「はらみ線」のシグナルと考えてください。
なお、下の図を見てください。画像左側は「天井を示唆する」はらみ線です。
画像出典元:マネースクウェア・ジャパン
これに対し、画像右側は「底入れを示唆する」はらみ線と言うので、覚えておきましょう。
ローソクのパターン2:包み線
直前の小陽線を包むように大陰線が出る組み合わせを「包み線」と呼んでいます(同様に、陽線・陰線が反転するパターンも「包み線」と呼ぶ)。
包み線が、上昇トレンドや下降トレンドで発生したときには、天井や底値になる可能性が高いです(上の画像参照)。
画像出典元:マネースクウェア・ジャパン
前後の流れと合わせて「天井なのか底値なのか」見極める時に使いましょう。
ローソクのパターン3:たすき線
たすき線は「たすき掛け」のような形をしたローソク足を指します(以下の画像参照)。同じような大きさのローソクとヒゲを持つもの同士が組み合わさって、一定の特徴を表しています。チャート上に「たすき線」が出ると、一定の連続した動きのあと反転する可能性を示しています。
なお「たすき線」には4つのパターンがあるので、表としてまとめておきます。
たすき線のパターンは4つ
パターン1 | 二本目陰線の始値が、直前の陽線終値よりも安い |
---|---|
パターン2 | 二本目陰線の始値が、直前の陽線終値よりも高い |
パターン3 | 二本目陽線の始値が、直前の陽線終値よりも安い |
パターン4 | 二本目陽線の始値が、直前の陽線終値よりも高い |
たすき線が出たら、トレーダーが『せめぎ合いをしている』シグナルであり、相場が大きく動く可能性が高くなります。
ローソクのパターン4:かぶせ線
直前の大陽線をかぶせるように、大陰線で引けてしまったローソク足を「かぶせ線」と呼んでいます(以下の画像参照)。かぶせ線は、売り圧力が多くなることを示唆しています。
かぶせ線が出た時には、パターンが「続落する可能性」について考えましょう。
ローソクのパターン5:あて首線
あて首線とは、大陰線が出た後に陽線の組み合わせを指します(以下の画像参照)。
あて首線が出るとは「売り圧力」が増えることを示しています。
ローソクのパターン6:入り首線
入り首線は、大陰線が出た後に陽線の組み合わせを指します(以下の画像参照)。
入り首線は、売り圧力が多くなることを示唆しています(パターン7、パターン8と特徴は同じです)。
ローソクのパターン7:差込線
差込線は、大陰線が出た後に陽線の組み合わせを指します(以下の画像参照)。
差込線は、売り圧力が多くなることを示唆しています(パターン6、パターン8と特徴は同じです)。
ローソクのパターン8:切り込み線
切り込みは、大陰線が出た後に陽線の組み合わせを指します(以下の画像参照)。
切り込み線がトレンドの下方で発生すると、買い圧力が増えることを示唆しています(パターン6、パターン7と特徴は同じです)。
FXのパターン「ローソクで判断」する際に実践したい3つのステップ
ここまで、説明した方法(ローソク足の基礎知識、ローソク1本での見方、2本のローソクを使った見方)についてマスターできたでしょうか?
最後に「パターン分析」を進める上で、実践したい3つのステップがあります。
- 基礎をしっかり固める
ローソク足単体(1本)の見方をマスターしておくこと - 応用の方法で読み解く
ローソク1本の見方でパターンを分析、分からない時には2本で分析してみる - 総合的に判断する
これまでの流れに沿って、パターンを総合的に分析する
各ステップの内容について、順に見て行きましょう。
STEP1:基礎をしっかり固める
ローソク足でパターン分析をする前に、まずは『基本となるローソク足の読み方』をマスターしましょう。基礎知識は(本記事の前半部分で取り上げた)ローソク足の見方を知るだけでマスターできます。
また慣れてきたら、陽線や陰線の意味、ヒゲの長さで何が表されているのか、確認しましょう。そして余裕が出た段階で、ローソク2本の組み合わせパターンについて理解を深めましょう。
STEP2:応用の方法で読み解く
まず、チャートの傾向を「ローソク足1本」で分析し、予測できない場合には(本記事の後半で紹介した)2本のローソクパターンを使って分析します。
STEP3:総合的に判断する
最後に、ローソク足だけでなく、過去の値動きを参考に「総合的に判断」を行います。これで、単なる分析を超え「FXの予測」ができるようになります。FX初心者の方は、STEP3まで進めるよう基礎知識&実践力を身に付けましょう!
FXのパターンに役立つ指標(サポートラインとトレンドライン)
前項でも説明しましたが、FXのパターンをローソクで判断する際には、1本だけで分析、難しい場合には2本のローソクの組み合わせパターンで分析を行います。また、決まったパターンだけで無く、サポートライン、トレンドラインなど、他のテクニカル指標も「分析の材料」として活用してください。
ローソクと合わせてパターン分析に役立つ指標
サポートライン | 過去に、為替レートが下げ止まった何点かの地点を結んだ線のこと。 |
---|---|
トレンドライン | チャートの傾向を分かりやすく、何点かの地点を結んだ線のこと。 |
このほか、FXで分からない用語や「FXの基礎知識」については、以下の記事が参考になります。ローソク足の見方と合わせて、活用してみてください!
まとめ|ローソク足が分かればFX初心者でもチャート分析可能
最後に「ローソク足とパターン分析」の方法について、本記事の内容をまとめておきます。
ローソク足とパターン分析の方法 |
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☑ FX初心者でも「ローソク足」の見方を知っておけば、パターン分析は簡単! |
☑ ローソク足には陽線・陰線がある |
☑ 陽線・陰線にも、さまざまな種類がある(大陽線・大陰線ほか) |
☑ ローソク足のヒゲの長さでも、パターンの分析ができる! |
☑ パターン分析は、サポートラインやトレンドラインも併用し「総合的に判断」すると良い! |
ローソク足の見方が分かれば、トレードが楽しくなりますね!FX初心者の方は、本記事で紹介した「ローソク足の表」を照らし合わせて、パターン分析を始めてみましょう。
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