FXのレバレッジ規制が強化されてきた理由
この記事の目次
金融庁はFXのレバレッジ規制を急務としており、2018年(平成30年)には、現行の「最大25倍」から「最大10倍」にまで、規制を強めようとしています。
本記事では「なぜ、レバレッジ規制が強化されてきたのか」レバレッジ規制を巡る過去の動きと、レバレッジ規制が敷かれた「背景」について説明します。
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FXにおけるレバレッジ規制の歴史
日本で個人や一般企業が「外国為替取引」が認められるようになったのは、1998年4月のことでした。その後、外国為替証拠金取引のサービスが発足。2000年以降はインターネットの普及に伴い、FX関連事業も急増。「個人投資家ブーム」も後押しし、FX(外国為替証拠金取引)は急速な広がりを見せました。
ただ、FX発足当時のスプレッドは(現在よりも)何倍も高く、業者にとって有利な仕組みが敷かれていました。そこで、2005年には「金融先物取引法」が改正され、すべてのFX業者が金融庁への登録を行うよう義務付けられました。2009年には「信託保全」が義務づけられ、投資家から預かった資金はFX業者の管理とは分け、信託銀行が保護(管理)するようになりました。
さらに2010年には、最初のレバレッジ規制が敷かれました。過去100倍、200倍、400倍など「高いレバレッジでの取引」が行われていましたが、投資家を保護する目的により、FX業者が提供できるレバレッジを「最大50倍」にまで規制したのです。
2011年には、現行の「最大25倍」にまで再度規制を強め「ギャンブル性の高い」投資はできないよう、レバレッジ規制が実施されました。こうした金融庁の取り組みによって、悪質なFX業者は一掃されたほか、投資家にとって不利なサービスを行う業者は、どんどん淘汰されました。
また2018年にも、再度「レバレッジ規制」が行われると見られ、現行の25倍が「最大10倍」にまで、引き下げられるとの報道が出ています。
金融庁は2018年春にも外国為替証拠金取引(FX)の規制を強化する方針だ。個人投資家が預けたお金の何倍まで取引できるかを示す証拠金倍率(レバレッジ)を、現行の25倍から10倍に引き下げることを検討する。外国為替相場が急変動した際、個人投資家や業者が想定を超える損失を抱えるリスクを減らす。
日本経済新聞|2018年3月8日(木)掲載記事より
レバレッジ規制は、投資家にとって「不利な制度」との意見も一部ありますが、実際は、投資家の資産を守るために「必要な制度」となっています。
レバレッジ規制は「投資家保護」に繋がる大切な取り組み
(前項でも説明しましたが)レバレッジ規制は、投資家を守るために必要な取り組みです。実際に、法整備が進められたことで、ギャンブル性の高い売買ができなくなり、結果「破産をする人の割合」も少なくなりました。
FXのイメージアップにも繋がるレバレッジ規制
こうした「レバレッジ規制」への取り組みは、「FX=危険」というネガティブなイメージを一新し、FXのイメージアップへと繋がりました。
実際に、法整備の遅れている仮想通貨に対し「FXには信託保全がある」など、安全な投資法として再び注目を集めています。
FXのリスクはレバレッジによってコントロールできる
FXのリスクは、レバレッジによってコントロールできます。FX初心者の方は、レバレッジを2倍~3倍に設定し、取引をする「通貨量」についても無理なく、少額トレードを行ってください。
安全かつ「自分のペース」を守ることで、コツコツ利益を狙い「収支をプラスに」することができます。
海外のFX業者は「危険」なので使わないこと
国内のレバレッジ規制で、全ての問題が解決したワケではありません。実は、海外では未だに100倍といった高いレバレッジを認める国や(例:アメリカなど)イギリスのように「レバレッジを無制限」とする国もあります。
このため、国内のレバレッジで満足できない投資家は一部、海外の業者を使ってFXトレードを行うようになりました。しかし、私たちが「海外のFX業者」を利用し、100倍や200倍、300倍…といった高いレバレッジを設定したら、この先も安全にトレードできるのでしょうか?
その答えは「NO」です。トレードのうち、数回は勝てるかもしれません。またレバレッジの高さに比例して、大きなリターンも望めるでしょう。しかし、本当に怖いのは「損失が出たあと」です。レバレッジの倍率が大きければ大きいほど、失う損失額も比例して大きくなり、私たちの資産ではカバーできないくらい「巨額な損失」を出す可能性があります。
もちろん、海外のFX業者にも信託保全を行う業者もあります。ただ「補償が守られるかどうか」は未知数であり、国内と同じ補償が約束された訳ではありません。また実際に「補償を申請した」としても、言葉の壁や国を超えた問題となるため、手続きは難しく、資金が戻ってくるかは誰にも分からない状態です。
こうしたリスクを避けるためにも、海外業者の利用は控え「安全性の確認できる」国内FX業者だけを利用してください。
海外のFX業者には、追証(おいしょう)が無い!?
国内のFX業者は、預け入れた証拠金が一定の水準を下回るとマージンコールを発動させ「このままでは資金がマイナスになる」ことを知らせてくれます。また必要証拠金を下回る前にロスカット(強制決済)が行われるので、証拠金以上の損失が出ないよう二段構えの「安全策」が取られています。
そして資金不足に陥らないよう、追証(おいしょう)により、不足した資金を補うよう求められます(※追証を行わないと、ロスカットされてしまう)。
しかし、海外では「資金がマイナス」になっても追証は発生しません。ハイレバレッジトレーダーにとっては有利かもしれませんが、追証のないトレードは「損失のリスク」が大きく、私たち国内のトレーダーにはおすすめできません…。リスクを避けるためにも「国内のFX業者」を利用し、安全なトレードを心掛けてください。
安全に取引をするため国内FX業者を利用しよう
安全にFX(外国為替証拠金取引)をするためには、海外業者を利用するのではなく、健全かつ「資産の保全」が約束されている、国内FX業者を利用するのが一番です。
以下の記事では、おすすめできる「国内FX業者」を紹介しています。
国内のFX業者なら安全な取引が約束されている
国内ではレバレッジ規制はもちろんのこと、金融庁への登録がない業者は、FXのサービスが行えません。
このため、各業者は「利用者獲得」のためスワップを小さくしたり、取引手数料を無料にするなど(他社との差別化を図るため)健全なサービスを提供するようになりました。FX初心者の方だけでなく、FXをされている方は必ず、安全性の高い業者で口座開設を行ってください。
まとめ|レバレッジ規制で「FX取引」の安全性が高まった
最後に「FXのレバレッジ規制」についてまとめておきます。
FXのレバレッジ規制まとめ |
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☑ すべてのFX業者が金融庁への登録を行うよう義務付けられている |
☑ 2010年に一回目のレバレッジ規制があり、無制限から「最大50倍」に規制 |
☑ 2011年には最大50倍から、最大25倍にまで規制が強められる |
☑ 2018年には、最大10倍にまで引き下げられる可能性大! |
☑ レバレッジ規制のおかげで、投資家が安全に取引できる |
☑ 海外のFX業者の一部は「レバレッジ無制限」なので危険 |
FXで安全に取引するためには、安全性の高い「国内FX業者」を利用するようにしましょう。
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