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信託保全とは?FX業者が潰れたら預けたお金はどうなる?

FXの基礎知識 2024/5/30 2372view
信託保全とは?FX業者が潰れたら預けたお金はどうなる?

信託保全(しんたくほぜん)とは、投資の資金を信託銀行に預けることで、万が一運営会社(=FX会社など)が倒産した場合にも、預けていた資金が投資家に返却される仕組みです。信託保全があれば、FX取引が安心して進められますね。

本記事では、信託保全の仕組みについて詳しく解説しましょう。

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そもそも、信託保全とは?

信託保全の「信託」とは、私たちが保有する財産を信頼できる第三者(=受託者)に移転し、財産の運用・管理・処分の権利を任せる仕組みを指します。

街中でよく見る信託銀行とは、銀行業務のほか「信託業務」の両方を行う銀行のことです。また「信託業務」には以下の種類があります。

信託業務の種類

金銭信託(きんせんしんたく) 顧客から預かった資金を運用する業務のこと
貸付信託(かしつけしんたく) 顧客から預かった資金を第三者に融資する業務
年金信託(ねんきんしんたく) 顧客の年金を管理・運用する業務
遺言信託(ゆいごんしんたく) 個人の遺言に沿って遺産の管理と運用を行うこと
併営(へいえい) 不動産業務、証券代行業務、遺言関連業務など

信託銀行に話を戻しましょう。各FX業者は信託銀行やメガバンクと提携し「信託保全」の制度を採用しています。

この仕組みがあれば、FX業者が万が一破綻した場合でも、提携している信託銀行やメガバンクが「顧客に返金」してくれるので安心です。

信託保全は法律により義務付けられた制度

信託保全は(2010年2月より)法律により義務付けられた制度※です。
FX(外国為替証拠金取引)業者は、自社の資産と顧客の資産を分けて管理するために、信託銀行やメガバンクと「信託契約」を結び、万が一に備えて(顧客の資金)を信託口座に預け入れ「信託分別管理」を行っています。

※ 金融商品取引業等に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(2009年8月1日に施行)に基づく制度。

FX業者が潰れたときの資金精算方法

FX業者が破綻した場合、どのように資金が返されるのか「返金の流れ」について説明します。

FX業者が破綻した場合の資金精算方法(事業が譲渡された場合)

  1. 他社に事業を譲渡する、もしくは事業が精算される
  2. 他社が引き継いだ場合、信託され資金もそのまま引き継がれる
  3. 投資家は、破綻前と変わらず資産運用が継続できる

譲渡先が見つからなかった場合は、信託されている資金は一旦凍結となりますが、弁護士など「受益者代理人」が手続きを行い(資産などの状況を確認した上で)投資家に対して資金が返金されます。

FX業者が破綻した場合の資金精算方法(譲渡先が見つからなかった場合)

  1. 信託されている資金は一旦凍結となる
  2. その後、受益者代理人である弁護士が資産状況などを確認
  3. 投資家に対して資金が速やかに返金される

なお、信託法(しんたくほう、平成18年12月15日法律第108号)では、信託銀行に預け入れられた資金は、信託銀行の資金と切り離して管理すること(信託法28条)が義務付けられています。

また信託銀行が破綻した場合でも信託された資金は差し押さえることができない(信託法16条)といった条件も「信託法」により定められています。

FX業者が破綻しないとは100%言い切れない…

FX業者がいつ破綻するかは、誰にも分かりません。実際に海外では、為替の変動によりFX業者が破綻した例(=イギリスのFX業者)があります。

日本においても「100%破綻しない」とは言い切れません。私たち投資家も「FX業者にも破綻のリスクがある」ことを忘れないようにしましょう。

FX取引の途中、業者が倒産したらどうなる?

倒産、破綻

ポジションを持っているときに「FX業者が倒産」したとします。この場合、保有するポジションはすべて強制決済(ロスカット)となります。

なお「ロスカットルール」については、以下の記事を参照してください。

国内FX業者は破綻のリスクは少ない

国内のFX業者は、前述の信託保全のほか、度重なる「レバレッジ規制」によって経営破綻のリスクが大幅に抑えられています。ただ「為替の急激な変動」によって、いつどの業者、どの金融機関が破綻するかは(誰にも)予測できません。

このため、投資には「損益を抱えるリスク」が常にあることを知り、リスク回避できる方法や関連する法律について、理解を深めるようにしてください。

まとめ|信託保全はFX投資家と資金を守る法律

最後に、信託保全(しんたくほぜん)の役割についてまとめておきます。

信託保全(しんたくほぜん)の内容
☑ 信託保全は、法律により義務付けられた「投資家を守る」制度
☑ FX業者が潰れたときも、事業継承された場合は取引が続行可能
☑ FX取引の途中、業者が倒産すると預け入れ資産は一旦凍結
☑ ポジションを持っている時に倒産すると、ロスカットされる
☑ 買収されなかった場合、弁護士が代わりに精算・資金の返還を行う
☑ FX業者が破綻しないとは、100%言い切れない

このように、信託保全(しんたくほぜん)があれば、FX業者が破綻した場合でも安心ですね。

FXを始める時には、業者が「どのような信託保全」を行っているのか、契約内容や取引先(信託銀行)を確認した上で申し込むようにしましょう。

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