FXとは何の意味?初心者が知っておきたい外国為替の基礎知識
FXとは何の意味でしょうか。FXは「Foreign Exchange」の略で、「外国為替証拠金取引」という金融商品のことです。FXでは、ある国の通貨を別の国の通貨に交換することで、為替レートの変動による利益や金利差による利息を狙うことができます。
本記事では、初心者が知っておきたいFX(外国為替証拠金取引)の基礎知識をわかりやすく解説します。
FXとはどのような仕組みで取引されるのか、どんなメリットやデメリットがあるのか、どうやって口座を開設するのかなど、FXに関する疑問に答えていきます。FXに興味がある方はぜひ参考にしてください。
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FX(foreign exchange)とは?
FX=外国為替証拠金取引
FX(foreign exchange)とは外国為替証拠金取引のことです。FXでは為替の差益を狙って取引を行うほか、スワップポイントと呼ばれる二通貨間の金利差で利益が出るようトレードを行います。
まずは、FXの取引で必要になる外国為替の仕組みについて説明しましょう。
外国為替(がいこくかわせ)とは?
外国為替(がいこくかわせ)とは、異なった二種類の通貨を取引することです。例えば、海外旅行でアメリカに出かけたとします。現地で現金を使うには、日本円とドルを交換する必要があります。こうした取引のことを外国為替(がいこくかわせ)と言い、通貨を交換する際の比率(レート)を為替レートと呼んでいます。
2018年1月28日の米ドル/円の為替レートを見てみると1米ドル=108.69 円となっていました。今後、米ドル/円の為替レートが、数週間後に1米ドル=90 円になったとします。この場合、1ドルあたりの価値が下がり、日本円の価値が上がったので円高ドル安という表現を使います。
また、1米ドル=120 円にレートが変動したとします。この場合、1ドルあたりの価値が上がり、日本円の価値が下がったので円安ドル高になったと言います。
FXは為替の差益を狙う取引です。例えば、ドル/円の場合は円高ドル安の時にドルを買い、円安ドル高の時にドルを売ると利益が出ます。
FXは世界各国の通貨で取引が行える
FXでは、日本円やドル以外にも、ユーロやポンド、スイスフラン、豪ドル、ニュージーランドドル、カナダドルをはじめ世界各国の通貨で取引が行えます。以下に代表的な通貨ペアをまとめてみました。
世界の代表的な通貨ペア
米ドル/円(USD/JPY) | ユーロ/米ドル(EUR/USD) |
ユーロ/円(EUR/JPY) | ユーロ/スイスフラン(EUR/CHF) |
ユーロ/英ポンド(EUR/GBP) | 英ポンド/米ドル(GBP/USD) |
英ポンド/円(GBP/JPY) | 英ポンド/スイスフラン(GBP/CHF) |
スイスフラン/円(CHF/JPY) | 米ドル/スイスフラン(USD/CHF) |
カナダドル/円 (CAD/JPY) | ノルウェークローネ/円(NOK/JPY) |
豪ドル/米ドル(AUD/USD) | 豪ドル/円(AUD/JPY) |
ニュージーランドドル/米ドル(NZD/USD) | ニュージーランドドル/円(NZD/JPY) |
トルコリラ/円(TRY/JPY) | 南アフリカランド/円(ZAR/JPY) |
香港ドル/円(HKD/JPY) | シンガポールドル/円(SGD/JPY) |
各通貨ペアのうち、左側にあるのが基軸通貨で右側にあるのは決済通貨と言います。例えば、ドル/円の場合はドルが基軸通貨で、円は決済通貨となります。
ドルを介する主要通貨ペア4種
世界の主要な「通貨ペア」には、ドル/円をはじめ、ユーロ/ドル、ポンド/ドル、ドル/スイスフランなどの四種類があります。
外国為替は常にドルを基軸としており、ドルを介した通貨を主要通貨ペアもしくはドルストレートと呼んでいます。一方、ドルを介さない通貨のことをクロス通貨ペアと言い、円を含むクロス通貨はクロス円と言います。
主要通貨ペア
ドル/円、ユーロ/ドル、ポンド/ドル、ドル/スイスフランほか
取引前に知っておきたいFXの基礎知識
証拠金取引(しょうこきんとりひき)とは?
証拠金取引(しょうこきんとりひき)とは証拠金(保証金)を預け入れて、外国為替のトレード(取引)をすることを意味します。それでは、なぜ証拠金が必要なのか?ということについて説明しましょう。
証拠金取引では、万が一損失が出た場合にも取引が行えるよう、一定額の金銭(=証拠金)を預け入れる必要があります。例えば、急激な為替の変動で大きな損失が出たとします。この場合、預け入れ金の20%~30%を「ロスカットレベル」とし、損失が大きくならないよう強制決済を行います。
このように安全な取引を継続するため、事前に証拠金を入金し、FX取引を始めることになります。証拠金は入金だけでなく、トレードの決済時に得た利益についても(証拠金として)加算されます。また、FXでは預け入れた証拠金よりも、大きな金額の取引(レバレッジ)が行えます。
レバレッジとは?
少ない元手で、より大きなトレード(取引)を行うことをレバレッジ効果と言います。2023年4月の時点で、個人のレバレッジは最大25倍まで、法人のレバレッジは最大100倍まで法律で認められています。
例えば、10万円を証拠金として預け入れたとします。個人の場合は最大25倍のレバレッジが認められているので、最大250万円の取引が行える計算です。また10万円の証拠金を預けて100万円の取引を行う場合、設定されるレバレッジは10倍ということが分かります。
レバレッジが大きくなれば、得られる利益も大きくなります。その反面、損失が出た場合には、レバレッジに比例した大きな損失が生まれます。初心者の方は、レバレッジをかけ過ぎないようにしましょう。
スプレッドとは?
FX取引では、通貨ペアの売値と買値の差をスプレッドと言います。スプレッドは、取引手数料と共にコストの一つになります。スプレッドが狭い方が、有利な取引環境(売買で利益を出しやすい環境)になります。該当通貨の売りと買いにおける値段の開き、価格差などを指します。
スワップポイントとは?
FXでは為替の差益だけでなく、スワップポイントでも利益を得ることができます。スワップポイントとは、外貨預金における利息のようなものです。高金利の通貨を買った後、低金利の通貨を売ることで、金利差による差益が生まれます。
例えば、金利1.5%のニュージーランドドルを1万ドル購入し、金利0.1%の日本円を売却したとします。この場合、金利差は【1.5%~0.1%=1.4%】となるので、1日あたり38円のスワップポイントが受け取れる計算です。※金利は一例
1日38円と聞いてわずかな金額と感じるかもしれませんが、年間にすると38円×365日となり、1年で13,870円もの利益(=スワップポイント)が受け取れます。こうした、スワップポイントによる利益もFXの大きな魅力と言えます。
ロスカットとは?
FXで使われるロスカットとは、トレードにおける含み損が大きくなった場合、これ以上の損失が出ないよう強制的に決済が行われる仕組みを言います。FXではあらかじめロスカットレベル(証拠金維持率)が設定されていますが、一般的には、証拠金の20%~30%のロスカットレベルになっています。
トレード中、証拠金維持率がロスカットレベルを下回った場合(これ以上の損失を防ぐため)、全ての建玉のロスカットが執行されます。
チャートとは?
チャートとは、FXや株など相場の動向をグラフ化したものを指します。例えばドル/円チャートは、ドルと円の値動きを示したグラフのことです。一般的なチャートを構成するローソク足ですが、主に以下の4種類を用いて相場の動きを見ることが多いです。
日中足(にっちゅうあし)
日中足は、短期的値動きを見るためのチャートで、1分足/3分足/5分足/10分足/15分足/時間足/2時間足/4時間足/8時間足などがあります。
日足(ひあし)
日足は、短期~中期的値動きを見るためのチャートで、一日の値動きをローソク足1本として示しています。
週足(しゅうあし)
週足は、中期的値動きを見るためのチャートで、一週間の値動きをローソク足1本として示しています。
月足(つきあし)
月足は、長期的値動きを見るためのチャートで、一ヶ月の値動きをローソク足1本として示しています。
チャートの見方については以下の記事で、より詳しく説明しています。
FX取引を行う最大の魅力
FX取引では、通貨ペアによる為替の差益を狙えることや、スワップポイントで利益が得られることが大きな魅力となっています。
また、証拠金取引のレバレッジ効果により、少額でも大きな取引ができるほか、時間を気にすることなく24時間取引ができるなどの利点があります。
FXは24時間取引できる!
為替市場は土日以外は絶え間なく、世界中でマーケットが開かれています。
例えば日本や香港、シンガポールなどアジアのマーケットが閉じた後も、フランクフルト(ドイツ)、チューリッヒ(スイス)、ロンドン(イギリス)などのヨーロッパ市場が取引を開始します。
そして、ヨーロッパ市場に続きニューヨーク(アメリカ)、シドニー(オーストラリア)、ウエリントン(ニュージーランド)の市場が次々と開き、24時間好きなタイミングでFX取引が行えます。ただし、インターネットバンク市場の金融機関が市場に参加しないため、土日や祝日には外国為替取引は行われません。
例えば、日本を中心に考えた場合、月曜日の朝ウェリントン(ニュージーランド)の市場で取引をスタートさせ、最終は土曜日の朝、ニューヨーク市場の取引を終えることとなります。
土日を挟んで週を跨ぐリスクもあることから、デイトレードや週末にポジションを全てクローズする取引手法を用いる方も多く居ます。
デイトレードとは?
1日で売買を完結させ、翌日にポジションを持ち越さないトレード(取引)のことをデイトレードと呼んでいます。デイトレードのメリットは、一日で利益を確定させるため、睡眠中の値動きを気にする必要がなく、短期的に売買が完結する(=結果が直ぐに出る)点にあります。
FX取引を始めるまでの流れ
FXの取引を始める前にまずは仕組みを知り、ある程度の用語を覚えなければトレードを進めることはおすすめできません。また、どのような取引をするのかトレードのスタイルを決めた上で、FX会社を選んで口座を開設する必要があります。
以下で、FXトレードを始めるまでの流れを見てみましょう。
- FXの知識・用語を身に付ける
- FXトレードのスタイルを決める
- FX業者を決定し、申し込みを行う
- 口座を開設し、証拠金を入金する
- 入金の反映後、トレード開始
FX業者によって、最小取引通貨単位、手数料などはそれぞれ異なります。まずは各業者の特徴を比較し、自分に合ったFX業者を見つけてみましょう。
利用するFX業者を決めてから、口座開設の申し込みを行います。口座開設の流れと注意事項については、以下の記事を参考にしてください。
初心者がFX取引を行う際の注意点
FX取引では、証拠金以上の損失が出ないようロスカットレベルを設定すると説明しました。しかし、為替のレートが急激に変動した場合には、ロスカットが追い付かず証拠金以上の損失が出ることもあるので注意が必要です。
そのため、証拠金を預け入れる時には、レバレッジを掛けすぎないようにしてください。レバレッジが大きくなれば、損失も比例して大きくなるからです。また、証拠金の預け入れにはできるだけ余裕を持つようにしましょう。
取引に必要な資金を事前に計算
多くのFX業者は、最小取引通貨単位(=必要証拠金)を10,000通貨としています。例えば1ドルのレートが108円だった場合、10,000ドル=108万円となり大きな資金が必要です。ただし、レバレッジが最大25倍(個人の場合)まで掛けられるので、必要な資金(必要証拠金)は以下の通り43,200円で済みます。
ドル/円取引に必要な資金
108万円 ÷ 25(最大レバレッジの倍率)=43,200円
一部のFX業者は、最小取引単位を1,000通貨や1通貨としているところがあります。仮に1通貨で「ドル/円」の取引ができたとします、この場合証拠金はわずか4.3円で済むのですから驚きです。これなら、FXが初めての方でもハードルが低く、手軽に始められるので安心ですね。
FXについて基本的な知識が身に付いても、取引をいきなり始めるのは危険です。まずはデモトレードなどで練習を積んでから、実際の取引を始めるようにしてください。
まずはデモトレードで練習
デモトレード(デモ取引)とは、シミュレーターを使い、実際に近いFX取引の体験ができるサービスです。多くのFX業者はデモトレードのサービスを実施しています。デモトレードで使う通貨は仮想資金なので、失敗しても損失を出す心配がありません。
ただし、資金量やトレード期間の違いから「デモで勝てても、実践では勝てない」ということもあります。シミュレーターはあくまで練習のためのツールであり、実践とは分けて考えるようにしましょう。
なお、FX初心者がトレードを始める際注意したいポイントは、以下の記事が参考になります。
まとめ
FXの意味と外国為替の基礎知識
ここまで説明をしたFXの意味と外国為替の基礎知識について、内容をまとめておきます。
- FX(foreign excchange)とは、外国為替証拠金取引のこと
- FX取引では、通貨ペアの為替差益、スワップポイント(金利差)で利益を狙う
- 個人のレバレッジは最大25倍まで認められている。レバレッジの設定で証拠金以上の取引が行える
- 証拠金がロスカットレベルに達すると、強制決済(ロスカット)が行われる
- FXは月曜日~土曜日まで、24時間トレードができる
- レバレッジのかけ過ぎは、損失が大きくなるので注意
FXで必要な基礎用語は、以下にて紹介しています。これからトレードを始められる方、FX口座を開設予定している方はぜひ参考にしてみてください。
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