クレジットカードのドル決済の仕組み|メリットやレート、注意点を紹介
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クレジットカードのドル決済とは、名称のとおり「円」ではなく「ドル」でクレジットカードの支払いをすることを指します。たとえば、ドル通貨の国で買い物をしたときや、海外のネットショッピングで買い物をする際、クレジットカードで支払いをすると「ドル決済」となるのです。
海外でクレジットカードをドル決済で利用する方法を解説します。
クレジットカードのドル決済とは?
海外旅行や出張など、海外でクレジットカードを利用する機会は多いです。特にアメリカではドル決済が主流。クレジットカードの利用額を日本円ではなく、ドルで支払うことを「ドル決済」と言います。
クレジットカード会社からの請求は「円」となるため、わざわざ円からドルに両替をする手間が省けます。ただし、「ドル決済」の場合、為替手数料が必要となるほか、日本でクレジットカードを使ったときよりもやや割高となるため注意が必要です。
ドル決済の仕組みを理解し、どのくらいのレートで手数料が掛るのか、事前に確認しておくようにしましょう。
クレジットカードでドル決済する仕組み
クレジットカードでドル決済をする時の仕組みは、とてもシンプルです。順を追って詳しく見ていくことにしましょう。
必ず手数料が上乗せされる
日本国内のお店などでクレジットカードを利用する場合や、国内の企業が運営しているネットショップでクレジットカードを利用する場合、原則、分割払いをするケースを除き、商品・サービス以上の支払いが発生することはありません。
しかし、ドルで決済する場合は、「商品・サービスの料金+両替手数料」で計算されます。自動的に両替を実行するシステムが導入されていることもあり、そのシステムの運営費・開発費に費用が掛るため、利用料として追加で費用を支払う必要があるのです。
手数料はクレジットカードのブランドごとで異なる
両替手数料は「為替事務手数料」という名目で、各クレジットカードのブランドごとに設定されています。実際に支払う手数料の金額は、その時々の為替によって決まる仕組みです。主に銀行の為替を基準として手数料は決まります。
適用される為替のレートは変動する
ドル払いの場合、適用される為替のレートは「クレジットカード会社の決済センターに支払い情報が届いたタイミング」で決まります。クレジットカードで支払いをしたタイミングではないため、約3日前後タイムラグがあるのです。
クレジットカードでドル決済するときの支払い方法
この項では、実際にクレジットカードでドル決済をするときの、支払い方法について解説していきます。今回はアメリカで、VISAカードを利用した場合を想定しました。
クレジットカードのブランドごとで、支払い方法はやや異なりますが、おおよそ同じやり方で利用が可能です。支払い方法の一連の流れを、詳しく見ていくことにします。
- 支払い時にクレジットカードを利用する旨を申告する
- 必ず利用控えをもらう
- カードセンターに利用通知が届いてから請求金額は決まる
①支払い時にクレジットカードを利用する旨を申告する
当たり前のことですが、まずはクレジットカードで支払いをする旨をお店の方に伝えましょう。お店ごとで、取扱い国際ブランド(VISA、Mastercard、JCBなど)は異なりますが、VISAであれば大体の店舗で利用することができます。
また、支払いの通貨が選択できるようであれば、必ず「ドル払い」にしたいことを伝えてください。その後、お店の方にクレジットカードを渡し、決済手続きを行います。
金額を確認した上で、暗証番号を入力するかサインを記入してください。
ここで1つ注意点があります。アメリカの場合、クレジットカードで支払いをした際、「サーチャージ」または「チップ」が加算されることがあります。つまり、実際の商品やサービスの代金よりも高い金額が決済されるケースがあるのです。
決済の手数料は、店頭に表示されている場合もありますが、必ず表示されているとは限りません。
そのため、暗証番号やサインを記入する前に、金額に誤りはないか必ず確認してください。
②必ず利用控えをもらう
決済が完了したら、必ず利用控えをもらいましょう。
その後、クレジットカード会社から明細が送られてきますので、相違がないか確認してください。
最近はWEB上から明細の確認が可能なため、明細が送付されないケースもあります。
利用控えと明細の金額が異なっていた場合は、すぐにクレジットカード会社に確認をしてください。利用してから60日以内に申告をすれば、意義を申し立てることができます。
また、支払いをキャンセルしたにもかかわらず、キャンセルが完了していない場合も、クレジットカード会社に確認をしましょう。
③カードセンターに利用通知が届いてから請求金額は決まる
クレジットカードでの決済が完了したら、加盟店(お店など)からVISAのカードセンターに利用が通知されます。
そこでVISAの決済センターは、加盟店に対して立て替え払いを行い、為替レートと事務手数料を加算した金額を利用者に請求するのです。
前述したとおり、為替レートは「決済センターに通知が届いた日」が基準となります。あくまでも独自の為替レートとなるため、テレビや新聞等で公表されている為替レートとは異なります。
事務手数料に関しても、すでに触れたとおりクレジットカード会社ごとで異なるため、できるだけ事務手数料が安いクレジットカードを使うようにしましょう。
クレジットカードでドル決済するときのレートってどのくらい?
クレジットカードでドル払いをする際、「為替レート」と「事務手数料」によって請求額が決まることは何度も触れた通りです。そもそも為替レートとは、「1ドル=110円」といったように、日本円と外貨の交換率を指しています。
また、事務手数料とは、外貨から日本円への換算処理手数料のことです。為替事務手数料はカード会社ごとで設定されているため、日によって変動することはありません。
一方、為替レートは毎日変動するものです。
参考までに、クレジットカード国際ブランド(VISA、MasterCard、JCB)の為替レートと事務手数料をリサーチしてみました。まずは以下をご覧ください。
クレジットカード国際ブランドの為替事務手数料・手数料率
1ドルあたりの為替事務手数 | 1ドルあたりの為替事務手数料率 | 為替レート換算日 | |
---|---|---|---|
VISA | 114.7円 | 1.63% | 2017年12月4日 |
JCB | 112.4円 | 1.60% | 2017年12月1日 |
MasterCard | 114.4円 | 1.63% | 2017年12月3日 |
ご覧のとおり、為替事務手数料率がクレジットカード会社ごとで異なったり、同じ為替事務手数料率であっても、日によって手数料が異なることが分かります。
なお為替レートは、現金を両替する際にかかる手数料と同じです。為替レートは毎日変動しますので、商品を購入するタイミングやサービス料を支払ったタイミングによって、ほんの少しだけ損をすることもあります。
クレジットカードブランドごとの事務手数料は、VISA、MasterCard、JCBの場合のみ公式WEBサイトから確認が可能です。その他のクレジットカードについては、直接カード会社に確認してください。
アメックスのドル決済手数料は異なる
補足ですが、国際ブランドである「AMERICAN EXPRESS」「Diners Club」の為替手数料は、今回ご紹介した3社と異なります。
「AMERICAN EXPRESS」は2.00%、「Diners Club」は1.30%です。
事務手数料を公開していないため、どのくらい掛るかは分かりませんが、「AMERICAN EXPRESS」の基準レートは外国為替相場情報を元に、アメリカン・エキスプレスが決めた銀行間のレートとなっています。
一方、「Diners Club」の場合、所定の金融機関の為替相場を採用しているようです。詳細は、直接問い合わせて確認することをおすすめします。
クレジットカードでドル決済するメリットとは?
クレジットカードでドル決済をするメリットは、大きく分けると3つあります。要点を以下にまとめましたので、参考にしてください。
- クレジットカードのドル決済は手数料が安い
- クレジットカードのドル決済は円決済よりお得
- 現金払いとは異なりクレジットカードのドル決済なら補償がある
①クレジットカードのドル決済は手数料が安い
円からドルへ両替するよりも、ドル決済を利用した方が支払う手数料は割安です。これは、円の需要が少ないことが関係しています。
手数料が最も高くつくのは「アメリカ国内で両替した場合」であり、続いて「日本国内で両替した場合」「クレジットカードでドル払いする場合」の順番で安くなるのです。
②クレジットカードのドル決済は円決済よりお得
ドル決済と円決済を比較した場合、ドル決済の方が安くなるケースが大半です。基本的にドルから円に換える時の方が、2円ほど安くなることが関係しています。
ただし、為替相場に変動があり円安になった場合は注意してください。円安になると、ドル決済の方が高くつくケースがあるからです。
たとえば、クレジットカード決済時点で1ドル110円だったとします。請求金額が決まるのは、クレジットカード会社が処理をした時点です。
つまり、その間に円安になると、ドルから日本円に換えるときに1ドル110円以上となることがあります。
とはいえ、そのようなケースはそれほど多くはないため、原則、ドル決済の方が安くなると覚えておきましょう。
③現金払いとは異なりクレジットカードのドル決済なら補償がある
たとえば、ドル通貨の国で買い物をした際、現金で支払いをしたとしましょう。不正に請求されていたとしても、その場では気付くことができません。
現金払いだと、クレジットカードのように事務手数料が上乗せされることはありませんが、英語が分からない方は損をする可能性が高いといえます。
また、海外では防犯対策のために、現金をほとんど持ち歩かない風習があります。現金を持ち歩いていたがために、スリや盗難などの被害に遭うことが少なくないのです。
特に日本人は海外で大変目立つことから、恐喝などの犯罪に巻き込まれることも珍しい話ではありません。その点、クレジットカードであれば、カード会社に連絡をすることですべて補償されるため安心です。
不正利用が発覚した場合も、クレジットカードの利用から60日以内であれば、被害に遭った金額を補償して貰えます。
クレジットカードでドル決済するデメリット・注意点とは?
クレジットカードでドル決済をするときは、以下の2つの点に注意してください。要点は以下のとおりです。
- クレジットカードでドル決済したら必ず金額を確認する
- クレジットカードでドル決済したら利用控えと明細をチェック!
①クレジットカードでドル決済したら必ず金額を確認する
「クレジットカードでドル決済するときの支払い方法」の項でも触れましたが、非常に重要なポイントであるため、もう少々詳しく解説します。
決済時に支払い金額を確認することは、最重要ポイントといっても過言ではありません。
特に英語が分からない方は、多めに請求されることがあるため注意しましょう。特に確認しておきたい項目は以下の4点です。
消費税を確認する
消費税は、別に表示されているケースが大半です。
分からなければ、お店の方に質問しましょう。
チップの金額を確認する
観光地の場合、あらかじめチップのパーセンテージが書かれているものです。
税抜きの金額を確認し、その金額に対してチップのパーセンテージをかけて計算してください。
また、チップの欄が空白となっているときは、ドルまたはパーセンテージで記入をしてください。
お店のランクや種類ごとでチップの相場は異なります。現地情報を収集して、ただしい金額やパーセンテージを記入しましょう。
カードの利用手数料を確認する
店頭に表示されていることもあります。
また、代金にチップが含まれていることがあるため、正確なカード利用手数料を確認してください。
合計額と通貨単位に誤りはないか確認する
たとえば、3,000円で決済をしたつもりが、3,000ドルだった場合、大変なことになってしまいます。
すでに暗証番号の入力が済んでいると、返金ができないケースがあるため、慌てずに合計額と通貨単位を確認しましょう。
②クレジットカードでドル決済したら利用控えと明細をチェック!
利用控えをもらう点に関しても、「クレジットカードでドル決済するときの支払い方法」ですでに触れましたが、1点補足したいことがあります。
日本国内でクレジットカードを利用する分には、それほど危機感を持つ必要はありませんが、海外滞在中の利用は話が別です。
たとえばアメリカの場合、カード社会であるため犯罪の被害に遭う確率が高くなります。
スキミング被害や不正請求は、他人事ではありません。また、タクシーやホテルの請求は、あとから上乗せされることもあるため、相違がないか確認するためにも必ず利用明細書をもらってください。
ここで押さえておきたいのは、利用明細と実際にクレジットカードを利用した日付が異なるケースがあることです。
まずは明細を見ながら請求金額を確認し、利用控えの金額と比較した上で身に覚えのない請求はないかチェックしましょう。
もしも、自ら判断することが困難な場合は、直接クレジットカード会社に問い合わせて確認した方が賢明です。
クレジットカードのドル決済まとめ
今回はドル決済の仕組みや支払い方法をはじめ、上乗せされる為替事務手数料、ドル決済をするメリット、注意点について詳しく解説しました。
近年は、個人輸入や海外の通販サイトの利用が増加していることから、ドル決済はすでに私たちの身近に存在しています。
そのため、いざというときに備えて、ドル決済に関する知識は身につけておいた方が安心できます。
また、ドル決済を利用すべきかどうか適切な判断を下すためにも、今回ご紹介した情報を参考に、海外のネットショップや海外旅行での買い物を楽しんでください。
「ドル決済はほぼ利用しない」という方も、いつドル決済を利用することになるか分からないものです。ドル決済に関する基本情報は、把握しておくことをおすすめします。
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