LCC(格安航空会社)カードを比較｜種類別の特徴や還元率からおすすめカードを紹介

LCCとは「Low Cost Carrier」の略称で、機内でのサービスを簡素にして経費を節約している航空会社のことです。合理的な経営を目指し、その分航空券を安めに設定しているのが特徴です。

すでに国内外で多くの路線を就航させ、その利便性や低価格が評判となり利用客が増加しています。

今回はLCCが発行しているクレジットカードを比較してみました。LCCユーザーにとってメリットが多いのでぜひご覧ください。

LCC（格安航空会社）カードの特徴を比較

2021年時点で日本国内のLCCでクレジットカードを発行しているのは株式会社ソラシドエアが発行している「Solaseed Airカード」とPeach Aviation株式会社（ピーチ）の「ピーチカード（Peach Card）」があります。

それぞれのカードの大きな特徴を比較してみましょう。

カード名	特徴
Solaseed Air (ソラシドエア) カード	・Solaseed Airカード会員専用の割引運賃で利用できる ・三井住友カードのVポイントが貯まり、ポイントはソラシドマイルに交換できる ・機内販売や空港での割引サービスがある
Solaseed Air (ソラシドエア) ゴールドカード	・Solaseed Airカード会員専用の割引運賃が利用できる ・三井住友カードのVポイントが貯まり、ポイントはソラシドマイルに交換できる ・機内販売や空港での割引サービスがある ・ゴールドカード限定「ソラシドファーストメンバーズ」の特典がある
ピーチカード（Peach Card）ベーシック	・ピーチカード会員限定のお得な航空券セールが年2回利用できる ・クレジットカードポイントをピーチポイントやANAマイルに交換できる ・機内飲食や空港店舗でカード提示で10％割引 ・JCBとVISAから選べる
ピーチカード（Peach Card）プレミアム	・ピーチカード会員限定のお得な航空券セールが年4回利用できる ・クレジットカードポイントをピーチポイントやANAマイルに交換できる ・機内飲食や空港店舗でカード提示で10％割引 ・海外旅行保険が付帯 ・JCBとVISAから選べる

このようにどちらの航空会社のカードも格安航空券の購入やポイントの付与、空港や機内での買い物の割引などのサービスを提供しています。

では、それぞれの内容をさらに詳しく比較していきましょう。

LCC（格安航空会社）カードのポイント還元やマイルを比較

LCCが発行しているクレジットカードには、利用額に応じて独自のポイントを付与しています。さらにそのポイントをマイルに交換することもできます。

どのカードが一番お得なのか、見てみましょう。なお、ピーチカードはJCBとVISAでポイントのシステムが異なるので分けてご紹介します。

カード名	ポイント	還元率	マイルへの交換
Solaseed Air (ソラシドエア) カード	200円の利用で1Vポイント	0.5％	1ポイントを2ソラシドマイルに交換
Solaseed Air (ソラシドエア) ゴールドカード	200円の利用で1Vポイント	0.5％	1ポイントを2ソラシドマイルに交換
ピーチカード（Peach Card）ベーシック（JCB）	Oki Doki1ポイントを5円相当のピーチポイントに交換	0.5％	Oki Doki1ポイントをANA3マイルに交換
ピーチカード（Peach Card）ベーシック（VISA）	200円の利用で1Vポイント 1Vポイントを1円相当のピーチポイントに交換	0.5％	5VポイントをANA3マイルに交換
ピーチカード（Peach Card）プレミアム(JCB)	Oki Doki1 ポイントを8円相当のピーチポイントに交換	0.8％	Oki Doki1ポイントをANA3マイルに交換
ピーチカード（Peach Card）プレミアム（VISA）	200円の利用で1Vポイント 1Vポイントを1円相当のピーチポイントに交換	0.5％	5VポイントをANA3マイルに交換

JCBのOki Dokiポイントは1,000円の利用に対して1ポイントが付与されます。つまり還元率は0.1％となりますが、Oki Doki1ポイントが5円（プレミアムは8円）相当のピーチポイントに交換できるので還元率は0.5％（プレミアムは0.8％）となります。
一方、VISAのVポイントは200円の利用に対して1ポイントが付与され、還元率は0.5％です。それがそのまま1円相当のピーチポイントに交換できるので還元率は0.5％になります。

還元率はピーチカード（Peach Card）プレミアム（JCB）が0.8％でもっとも高くなっています。

どのマイルが付くかをチェック！

Solaseed Air（ソラシドエアカード）もピーチカードも貯まったポイントをマイルに交換できますが、Solaseed Air（ソラシドエアカード）はソラシドエア独自のマイル（ソラシドエアマイル）に交換という形になっています。

しかし、ソラシドエアマイルが利用できる路線が少ないため、利用頻度が低い人にとってはせっかく獲得したマイルを消化できないという問題が発生します。また、他社のANAやJALのマイルに交換できない点もデメリットとなっています。

ソラシドエアは九州地方を中心に就航している航空会社なので九州への飛行機での行き来が多い人にはメリットがありますが、そうではない人は利便性をよく考える必要があります。

一方、ピーチカードは貯まったポイントをANAのマイルに交換できるので使用する機会が多く、利便性があります。

LCCカードを入会特典で比較

ピーチカードもSolaseed Air（ソラシドエアカード）も入会時にはポイントがプレゼントされます。それぞれの入会特典の違いを比べてみましょう。

カード名	入会時のポイント	更新時のポイント
Solaseed Air (ソラシドエア) カード	ソラシド スマイルクラブのマイル1,000マイル	500マイル
Solaseed Air (ソラシドエア) ゴールドカード	ソラシド スマイルクラブのマイル2,000マイル	1,000マイル
ピーチカード（Peach Card）ベーシック	1,000円分のピーチポイント	特になし
ピーチカード（Peach Card）プレミアム	2,000円分のピーチポイント	特になし

入会特典のポイントはどちらのカードも変わりませんが、ピーチカードは更新時の特典がありません。その点はSolaseed Air (ソラシドエア) カードの方がメリットがあります。

LCCカードを国際ブランドで比較

クレジットカードを作るときはJCBやVISA、mastercardなどの国際ブランドから選択できます。

LCCカードの場合は下記のようになっています。

Solaseed Air (ソラシドエア) カードはVISAのみですが、ピーチカードはVISAとJCBから選ぶことができます。VISAは海外でも使える店舗が多いですが、JCBはどちらかというと国内に強いので自分がどちらで使う機会が多いかを考えて選択するようにしましょう。

年会費と付帯カードを比較

クレジットカードには年会費が必要なものがあります。また、家族カードやETCカードなどの付帯カードを比較してみましょう。
（いずれも税込み）

カード名	年会費	家族カード	ETCカード	電子マネー
Solaseed Air (ソラシドエア) カード	1,375円 （初年度は無料）	440円 （初年度は無料）	・初年度は無料 ・次年度以降 1度も使用しない場合、年会費550円	iD
Solaseed Air (ソラシドエア) ゴールドカード	11,000円	・1人目は無料 ・2人目以降は1,100円	・初年度は費無料 ・次年度以降 1度も使用しない場合、年会費550円	iD
ピーチカード（Peach Card） ベーシック（JCB）	永年無料	永年無料	無料	・QUICPay ・Apple Pay ・Google Pay
ピーチカード（Peach Card） ベーシック（VISA）	1,375円 （初年度は無料）	440円 （初年度は無料）	・初年度は無料 ・次年度以降 1度も使用しない場合、年会費550円	・ iD ・Apple Pay ・Google Pay
ピーチカード（Peach Card） プレミアム(JCB)	5,500円	880円	無料	・QUICPay ・Apple Pay ・Google Pay
ピーチカード（Peach Card） プレミアム（VISA）	初年度4,125円 （翌年度以降5,500円）	初年度440円 （翌年以降880円）	・初年度は無料 ・次年度以降 1度も使用しない場合、年会費550円	・iD ・Apple Pay ・Google Pay

Solaseed Air (ソラシドエア) カードの年会費を比較

Solaseed Air (ソラシドエア) カードは一般カードとゴールドカードで年会費がかなり異なります。

Solaseed Air (ソラシドエア) カードの利用でどれだけ得をするか……要は元が取れるかどうかをしっかり考えて選ぶようにしましょう。

ピーチカード（Peach Card）の年会費を比較

ピーチカード（Peach Card）（JCB）の年会費や入会特典は下記のようになっています。

本人カードも家族カードも年会費が永年無料なのはピーチカード（Peach Card）ベーシック（JCB）のみです。同じピーチカード（Peach Card）ベーシックでもVISAは下記のように2年目以降は年会費がかかるので注意しましょう。

ただ、カード選びは年会費だけでなく、それ以外の項目もトータルに比較検討することが大切です。

LCCカードの補償を比較

次にLCCカードを補償の面で比較してみましょう。LCCのクレジットカードを使って購入した商品が破損したり盗難に遭ったりしたときに一定額まで補償される「ショッピング補償」や旅行代金などをLCCのクレジットカードで支払ったときの旅行でケガや病気、死亡したときなどの補償が出る「旅行傷害保険」の内容は下記の通りです。

カード名	ショッピング補償	国内旅行保険	海外旅行保険
Solaseed Air (ソラシドエア) カード	年間100万円まで	最高1,000万円	最高2,000万円
Solaseed Air (ソラシドエア) ゴールドカード	年間300万円まで	最高5,000万円	最高5,000万円
ピーチカード（Peach Card）ベーシック（JCB）	国内はなし 海外は最高100万円	–	–
ピーチカード（Peach Card）ベーシック（VISA）	年間100万円まで	–	最高2,000万円
ピーチカード（Peach Card）プレミアム(JCB)	国内はなし 海外は最高100万円	–	最高3,000万円
ピーチカード（Peach Card）プレミアム（VISA）	年間100万円まで	–	最高2,000万円

（※各補償を受けるには条件があります）

ピーチカード（Peach Card）ベーシック（JCB）は家族カードも含めて年会費が無料ですが、日本国内で購入した商品に対してのショッピング補償や国内外の旅行保険は付いていません。

また、Solaseed Air (ソラシドエア) カードもピーチカードもVISAのショッピング補償は海外での利用と国内でのリボ払い・分割払い（3回以上）の利用時のみが対象となっています。

自分がどのようなシーンでよく利用するかを考えてカードを選びましょう。

LCCカードを審査基準で比較

LCCのクレジットカードには申し込み時の条件が下記のように設定されています。また、カード発行には独自の審査が実施されます。具体的な審査基準は公開されていませんが、LCCのカード審査に通ったという人の口コミから審査の厳しさや緩さを判断してみましょう。

カード名	申し込み条件	審査に関する口コミ（ショッピング枠は審査に通った額）
Solaseed Air (ソラシドエア) カード	18歳以上（高校生は不可） 未成年の場合は親権者の同意が必要	（30代男性会社員）ショッピング枠80万円、カード発行まで5日間 （40代男性会社員）ショッピング枠70万円、キャッシング枠30万円で審査通過。カード発行まで7日間
Solaseed Air (ソラシドエア) ゴールドカード	30歳以上で本人に安定した収入があること	（40代男性会社員）年収400万で審査通過。
ピーチカード（Peach Card）ベーシック（JCB）	18歳以上で本人または配偶者に安定継続収入のある人 または高校生を除く18歳以上の学生	（20代男性会社員）ショッピング枠100万円、カード発行まで6日間 （30代男性会社員）ショッピング150万円で審査通過、カード発行まで10日間 （20代女性パート・アルバイト）多重債務のため審査に落ちた
ピーチカード（Peach Card）ベーシック（VISA）	18歳以上（高校生は不可） 未成年の場合は親権者の同意が必要	（50代男性会社員）三井住友カードの会員。ショッピング枠70万円で審査通過 （20代男性会社員）三井住友カード会員だったので即日審査OK （40代男性派遣社員）ショッピング枠10万円で審査通過 （20代女性パート・アルバイト）審査に落ちた
ピーチカード（Peach Card）プレミアム(JCB)	18歳以上で本人または配偶者に安定継続収入がある人 高校生を除く18歳以上の学生	（50代男性会社員）ショッピング枠70万円、カード発行まで6日間
ピーチカード（Peach Card）プレミアム（VISA）	18歳以上（高校生は不可） 未成年の場合は親権者の同意が必要	（30代男性会社員）他社カードを複数所有しているが三井住友カードも所有、ショッピング枠80万円で審査通過

ピーチカード（Peach Card）ベーシック（JCB）は20代男性でもショッピング枠が100万円、30代男性で150万円と高額の利用枠が設定されています。また、ピーチカード（Peach Card）ベーシック（VISA）はすでに三井住友カードを所有している人は審査が早くスムーズに通る傾向があります。

Solaseed Air (ソラシドエア) カードも一般カードの方はカード発行まで1週間ほどでショッピング枠は70～80万円が設定されるなど審査はそれほど厳しくないことがわかります。

LCCカードの審査に通りにくい人の傾向

いずれのカードでも「18歳以上（高校生不可）で本人または配偶者に安定収入があること」（Solaseed Air (ソラシドエア) ゴールドカードは30歳以上）が基本ですが、本人が多重債務者であったりアルバイトや派遣などで収入が少なかったりすると審査は厳しくなっています。

また、審査に通ったとしてもショッピング枠が少ないなどの結果が出ています。

なお、Solaseed Air (ソラシドエア)ゴールドカード、ピーチカード（Peach Card）プレミアムは審査に通ったという口コミが少ないことから審査はやや厳しいと考えられます。

あなたにぴったりのLCCカードは？

ここまでで6種類のLCCカードをご紹介してきました。それぞれにメリットや特徴がありますが、あなたにぴったりのカードはどれでしょうか？

九州地方への移動が多い人はSolaseed Air (ソラシドエア) カードがおすすめ

Solaseed Air (ソラシドエア) カード

ソラシドエアで割引き！マイル還元率1.0%で国内旅行保険付き
マイル還元率1.0%！新規入会＆毎年の継続時にボーナスマイルをプレゼント！

年会費	初年度：初年度無料 2年目以降：1,375円（税込）
還元率	0.4%～1.0%
発行日数	約1週間

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Solaseed Air (ソラシドエア) は宮崎県に本社があるLCC航空会社で、下記のように九州地方と羽田、名古屋、神戸を結ぶ便が中心です。（2020年3月29日現在）

九州（宮崎、長崎、大分、熊本、鹿児島）を発着するソラシドエア便をよく利用する人はSolaseed Air (ソラシドエア) カードがおすすめです。

利用額に応じてVポイント（三井住友カードのポイント）が貯まり、貯まったポイントをソラシドエアマイルに交換することもできます。マイルはソラシドエアの航空券に交換できるため、何度もソラシドエアを利用する人にとってはメリットが大きいのでおすすめです。

日本各地を飛行機で移動する機会が多い人にはピーチカードがおすすめ

ピーチカード（Peach Card）ベーシック

Peachでお得なクレジットカード！年会費無料のLCCカード
Peach Card会員限定の航空券セールがお得！ポイントも貯まる！

年会費	初年度：初年度無料 2年目以降：1,375円（税込）※条件付き無料
還元率	0.5%
発行日数	公式サイト参照

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ピーチは日本国内のLCCの中でも就航路線が多く、下記のように主要な空港間で就航しています（2021年1月現在）。そのため、日本各地を飛行機で移動する機会が多い人はピーチカードを所有していると便利です。

また、ピーチは韓国便や香港便、台湾便なども就航しています。そういったエリアに行く機会がある人にもピーチカードはおすすめです。

ピーチカード（Peach Card）ベーシックにはJCBとVISAがありますが、補償の面で考えるとVISAの方が安心できるでしょう。

LCC（格安航空会社）カードを比較～まとめ

2021年現在で日本国内にLCC（格安航空会社）は何社かありますが、その中でクレジットカードを発行しているのは株式会社ソラシドエアが発行している「Solaseed Airカード」とPeach Aviation株式会社（ピーチ）の「ピーチカード（Peach Card）」の2種類です。

それぞれに一般カードとゴールドカード（ピーチカードはプレミアム）があり、ポイントや特典、補償などに違いがあります。

また、ソラシドエアは主に九州発着便が多いため、九州方面への移動でLCCを利用する人にはメリットが多いですが、日本各地を飛行機で移動する人にはピーチの方が利便性が高いです。

LCC（格安航空会社）のクレジットカードを選ぶ場合は、自分にとってどれだけメリットがあるかどうかをよく考えて決めるようにしましょう。